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ドル円相場、どこまで下がる?12月入り、日銀とFOMCに注目

日銀利上げ近づく?!ドル円相場149.50円割れの円高へ

先週末11/29(金)は米国が前日28日(木)がサンクスギビングで休場、翌日も短縮取引で流動性が低下する中で、日銀の追加利上げがドル円相場の材料となりました。12月の日銀会合は12月18-19(水-木)日。FOMCが17-18日です。これはドル円15分足。

ドル円15分足と日米金利差(2年)

黄色の日米金利差、木曜が休場だったため動きがありませんが、週末金曜もどちらかというと金利差縮小傾向が続いていましたね。しかし、この金利差のボラティリティ以上に円高が進むこととなったのは、日銀の利上げが意識された東京都区部の11月CPIと日経新聞の特報が応じられた局面でした。

①11月東京都区部消費者物価指数

■11月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は108.3と、前年同月比2.2%上昇した。1.8%の上昇だった10月から一転、政府の電気・ガス代支援縮小によるエネルギー価格の伸び拡大で日銀が目標とする2%を再び上回った。
■生鮮食品を除く食料は4カ月連続で上昇率を拡大し、4%に乗せた。
生鮮食品を除く食料は4.0%上昇。米類は62.8%上昇し、1971年1月以降で最大の伸び率となった。
■一般サービスの価格上昇率は11月に1.2%と横ばい圏を脱しておらず、サービス価格の基調を一段と高めるような勢いや広がりには欠けるものの~「日銀は今回の結果をオントラック(軌道に乗っている)と評価するだろう」

東京都区部コア消費者物価指数 前年同月比 推移

8月の2.4%をピークに9月.10月と低下していましたが、これが再び2.2%と2%超え。政府の電気・ガス代支援縮小の影響とコメの価格上昇が響いたようです。これで日銀の12月、もしくは1月利上げ確率が上昇したとマーケットが警戒したということですね。

②深夜2:00の日経電子版特報でさらなる円高へ

■追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる」
■消費者物価指数(CPI)の上昇率は目標の2%に達しており、植田総裁は「データはオントラック」と主張した。
■具体的には「25年の春季労使交渉(春闘)がどういうモメンタム(勢い)になるか。それはみたい」として、改めて賃金動向を注視する考えを示した。
■トランプ前大統領の返り咲きによって「米国の経済政策の先行きがどうなるか、大きなクエスチョンマークがある」とも述べ、時期は慎重に判断する姿勢をのぞかせた。

う~ん、別段新味のある発言ではないと思われますが利上げ時期が近づいているとしたスタンスを繰り返したことと、マーケットが米国のサンクスギビングの影響で流動性が低下していたところへ、仕掛けが入ったということでしょうか、値動きが大きくなりましたね。そもそもの米金利も短縮取引の中、低下傾向であったことも日米金利差縮小で円買い要因でもありました。
先週、財務長官にスコット・ベッセント氏が指名されてからの米金利低下の勢いは凄まじいですね・・・。こりゃドル売りにもなりますって。
先週は26日ミネアポリス連銀総裁のカシュカリ氏がTV番組で「12月に0.25%の利下げを検討するのは妥当だ」と述べたことなどが材料視されて金利低下に拍車がかかっていました。

米国債利回り

12月FOMCでの利下げ織り込み確率は現時点で66%程度。

CME FedWatch

ドル円相場は145.50円を割り込みました。9/16安値139.57から11/15高値156.74円の上昇幅に対しての38.2%押し水準で止まりませんでした。半値押しの148.15円を目指す展開に入ったと思われます。

ドル円日足とフィボナッチリトレースメント

先週27日のnote記事でも取り上げましたが、12月はドル安、ユーロ高となりやすい月です。そういう季節性が確認されていますので、流れに逆らわないほうが良さそうです。ユーロなんかファンダメンタルズ的には買う材料はほぼ見当たりませんが、本決算による精算などの事情があるとも指摘されています。

日本株のレンジは続く、米国独り勝ち続く

円高なので日本株は冴えません。いえ、円安局面でも上がらなかったですよね。もうドル円と日本株が相関して動くと考えないほうがいいのかもしれません。かといって足元で日本株の買い材料もありません。

内閣府は29日、日本経済の需要と供給の差を表す「需給ギャップ」が7〜9月期に▼0.5%だったとの推計を発表しています。4〜6月期の▼0.6%から縮小しましたが、金額にすると年換算で3兆円程度の需要不足。需要不足は5四半期連続です。この状態で取りすぎた税金を庶民に戻す103万円の壁、減税の議論がなかなか通らないという日本に海外からマネーが流れ込むわけがありません。しかも利上げが近いと中銀総裁が示唆しているわけで。

日経平均日足

ただ企業の自社株買い、中間配当の再投資などが下値を支えています。ショートしてもなかなか取れないので、やりにくい相場ですね。

米株は半導体指数が冴えないもののダウ平均、S&P500は史上最高値を更新。米国の独り勝ち相場が続きます。

上段 ダウ平均 S&P500 SOX指数
下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株

EPFRグローバル・データによれば、米国株には過去4週間に1410億ドル(約21兆円)が流入。同期間の流入額としては過去最大。米国の利下げ観測が背景ということで、利上げの日本より、利下げサイクルに入った米国に資金が流れるのは理解できなくもありませんが、これがどこまで続くでしょうか。S&P500種は年初来26%上昇しています。

12月のFOMCでの利下げと、この会合で出てくるドットチャート、来年~再来年の経済金利見通しがこれまでの見通しからどの程度修正されるかが注目されますが、この時点まで米株上昇が続いているようなら、米株短期ポジションは手仕舞いたいですね。来年の利下げ回数は減っているだろうことはすでに予想されていますが、とはいえ、それでもこれだけ米株が高い状況が続いているならそれを材料に利食いが入る可能性が小さくないと思います。その前に崩れて下げ始めたらまた別のシナリオを考えなくてはなりませんが・・・。

NOTE

■7-9月の国内総生産(GDP)は前年同期比5.4%増と、22年10-12月以来の低い伸び率となった。インド準備銀行(中央銀行)は7%成長と見込んでいた。
■インドではここ数カ月、企業利益の低迷と賃金下落、インフレが経済成長の重しとなっており、インド中銀に金融緩和を迫る圧力が高まっている。
(金利をほぼ2年間据え置いてきた)

インド政策金利 

インドの主要株価インデックスのNIFTT50は200SMAで一旦、支えられて反発しましたが、このまま利下げ期待で反発が続くかどうか。

インド株日足

ドル以外の通貨による二国間貿易を目指す国について、同盟国や敵対国を問わず、罰する方法を議論してきた。事情に詳しい関係者によると、輸出規制、為替操作国認定、貿易課税などの選択肢を検討している。

米国と完全に取引を断絶できる国があるでしょうか。逆効果との指摘もありますが、全く米国との商取引を断つことができる国は少ないと思われます。結局、世界は米国に従うこととなるのではと想像しますがどうでしょう。

今週の主な予定

12月です。早速週末には雇用統計が発表されますね。
■12/2(月)●米サイバーマンデー
●7-9月期四半期法人企業統計調査(8:50)前7.4% 予6.7%
●11月新車販売台数(14:00)
●11月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)(10:45) 前50.3 予50.6
●米11月ISM製造業景況指数(24:00) 前46.5 予47.6

■12/3(火)
●11月マネタリーベース(8:50)前▼0.3%
●米10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数(24:00)前744.3万 予751万

■12/4(水)
●米11月ADP雇用統計(22:15) 前23.3万人 予16.5万人
●米10月製造業新規受注(24:00)前▼0.5% 予0.3%
●米11月ISM非製造業景況指数(24:00)前56.0 予55.5
●米地区連銀経済報告(ベージュブック)(12/5 4:00)

■12/5(木)
●米10月貿易収支(22:30)前▼844億ドル 予▼750億ドル

■12/6(金)
●10月毎月勤労統計調査(8:30) 前2.5% 予2.6%
●10月家計調査(8:30)前▼1.1% 予▼2.5%
●10月景気先行指数(14:00)前109.1 予108.8
●米11月雇用統計(22:30)
    NFP前1.45万人 予20.0万
   失業率 前4.1% 予4.2%
   平均時給 前0.4% 予0.3%(前月比)
       前4.0% 予3.9%(前年比)
●米12月ミシガン大学消費者態度指数(24:00)前71.8 予73.0

154.51円ドル円ショート継続。
NZドル円90.35円ショート継続。
ユーロドル1.05193ロング継続。

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