日銀観測報道で円一段安、ドル円上昇へ~カナダ利下げサイクル一巡か
日銀の観測報道で円一段安、ドル円上昇へ
今日の最大の注目イベントは米11月消費者物価指数(CPI)だと思っていましたが、来週の日銀の金融政策決定会合の政策変更を巡る観測報道が米CPIを上回るボラティリティを発生させました。
ドル金利動向を無視した夕刻のドル円急騰劇。記事からう伺えるのは12月利上げはなさそうだという観測。日銀は足元の輸入物価がマイナス圏にあるなどインフレが低下している状況と判断している、ということと、来週の日銀会合までに注目する材料として今夜の米11月CPIを上げていましたが、米CPIはほぼ予想通りの結果で、懸念されたインフレの再加速の兆候は見られなかったことからすると(上記チャートでも米CPI発表後はドル円は上昇せず)日銀の利上げは年内はなさそうですね。
しかし、11/28の日経新聞とのインタビューで、利上げへの道筋はオントラックでありその時期は近いという植田総裁のコメントで市場は12月利上げの可能性を随分織り込んでしまっていましたから、先週辺りからポツポツ出てくる12月利上げ確度は低いという観測報道で、円ロングが逆流していますね。つまり円安が加速してしまっています。
米11月CPIは予想通り、12月利下げ確率更に上昇
CPIは前年同月比の上昇率が市場予想通り2.7%でした。とはいえ、9月は2.4%、10月は2.6%でしたので2カ月連続で加速しています。コアCPIが前年比、前月比ともに予想通りで10月と変わらず横ばいの結果であったことから、12月の利下げの確度は高まったものの、来年以降の利下げのペースに関しては、インフレ低下の鈍化から、9月のFOMCで予想されたペースよりは少ない利下げとどまるとの観測が高まったように思います。
12月の利下げ織り込みは94%台まで上昇。
ドル金利は、政策金利に相関が強い2年金利が低下するも10年30年といった長期金利が上昇しているのは、12月利下げはあるものの、将来のインフレ上昇を見込む動きとも受け止められます。
中銀ウィーク、カナダ中銀は2会合連続の0.5%利下げ決定
カナダは今年6月利下げ開始、今回の利下げで5会合連続利下げ。そして0.5%幅の大幅利下げは2会合連続ですがこれは予想通りの結果です。
ポイントは、カナダの政策金利は、景気を加熱させることも冷え込ませることもない「中立金利」の推定レンジ上限にまで下げられた、ということです。ちなみに米国の中立金利は現在2.9%。政策金利は現在4.5-4.75%ありますからまだ利下げ余地は大きいですね。しかしカナダの場合、この中立金利=長期金利見通し水準まで利下げが実施された、ということです。
声明からも一段の利下げを見込んでいるとの文言が削除され、今後の利下げはデーターを見ながら緩やかなものになるということで、0.5%の利下げが発表されたにもかかわらず、カナダドルは今夜上昇しています。
通貨インデックスを見ても今夜は、米ドルとカナダドルだけが買われていますね。
ドル円を150.41円ロングは継続。
これをどこまで引っ張るか、ですが、日銀会合前には手仕舞いたいですね。12月利上げが見送られる可能性が材料となって円ロングが巻き返される格好でドル円が上昇していますが、あまり円安が進んでしまうと12月会合の植田総裁の会見ではタカ派的メッセージが発せられる可能性もあり、円売りはせいぜい日銀会合までで一服かな、と。12月が見送られたとしても1月、あるいは3月の会合での利上げの可能性が否定されたわけではありません。適度に利食いたいと考えています。その後は欧米勢のクリスマス休暇につき流動性が著しく低下しているマーケットですので、無理にポジションを取ることもないかな、と思っています。
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