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ケニアでのトレーニングを終えて感じたこと 2020/03/02

今回は1/12~3/2までケニアでトレーニングを行いました。昨年は合計して約4ヵ月ほど現地でトレーニングを行い、今回は約2ヵ月ほどの滞在でした。


昨年来た当初は生活やトレーニングを含め、慣れないことも多くあったのですが、現在は回数を重ねて時間が経つ中で、ケニアに適応していく自分を日々感じることができています。
勿論、一緒に練習する選手やサポートしてくださる方のおかげも大きいのですが、

『人間は環境に適応していく』

ということをケニアという土地で改めて再認識しています。

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(走っている途中に牛の大群が現れても動じない様子)

以前ならこなせなかった練習が回数を重ねるごとにこなせるようになったり、自分の中で成長を感じられたりすることは、単調な生活の中でも充実感があります。
特にイテンの標高2400mという環境での練習は、主観的になってしまいますが、本当にきついです。
首をじわじわ絞められるような、なにかに憑かれているのではないかと錯覚するような感覚によく陥ります。
(実際にそのような霊体験はありませんが…)

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(憑かれているイメージ 『ジョジョの奇妙な冒険』より引用)

『ハードなトレーニングの繰り返しで自信をつけ、心身ともに強くなる』

というのは競技の上でシンプルかつ最も当たり前なことなのですが、ケニアに来る度に感じていることのひとつです。
(スタンドも精神エネルギーが強くなれば強くなります)


また、今回の滞在に関しては人との出会いや交流がこれまでの滞在よりも濃かったように感じます。
同じ日本人選手もそうですし、現地の複数のグループに練習参加したことで、新たな経験と出会いがありました。
一緒に会話をしたり、また練習をしたりすることで、

『それぞれの生き方や、これからの目標を感じられたこと』

は、今の自分にとって励みになるものでした。世界中のランナーが集まる地でもあるケニアで、スポーツが国境を越えるコミュニケーションだということを体験できるのも、ケニアの良さのひとつだと実感します。

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(国籍関係なく練習に参加できるのがケニアのいいところ)


また滞在中に、コロナウイルスの影響もあり、ケニアでもその影響を感じることがしばしばありました。
練習中に声をかけてくる子どもたちからの

「コロナ、コロナ」
「コロナウイルス」

という言葉は当人たちは悪気がなかったとしても、言われた側としては到底気分がいいものではなかったです。
特に疲れている中でそういう言葉を言われるので、普段は温厚な僕(自分で言うな)も若干怒鳴りかける場面がいくつかありました。
また時々当たらない程度に小石も一緒に投げてくる悪ガキもいるので、余計にフラストレーションが溜まりました。

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(滞在先の看板娘のエマ 彼女のように可愛い子どもばかりではありません)

普段、日本に滞在しているときに人種差別という感覚は、日常的に感じることはありませんし、どこか他人事に思えるのが正直なところです。

しかし、いざ自分自身が当事者になってみると、受け手の気持ちは予想以上に苦痛があると感じました。
こちらとしては長期間に渡ってケニアに滞在しているので、少なくとも感染しているということはないはずですが(イテンはケニアでも地方で、人の流動性は低い)、
相手はそんな情報は知るはずもなく、彼らからすると、アジア人はほとんど同じにみえるということもあり非常にもどかしかったです。


またケニア人のドライバーと会話していたら、

「コロナウイルスに感染したらほとんど死亡するんだろ?」

と言われ、
得ている情報の正確性のなさが、余計に差別を助長しているのかなと感じました。



また、帰りの出国審査のときも、
滞在日数についていちゃもんをつけられ審査官に金銭をせびられてけっこうな言い合いになるなど、最後まで色々ありましたが、
電話で助けて頂いた柳田さんありがとうございました…)



それでも僕はこのケニアという国の魅力を感じているので、まためげずに次回もこの場所にやってきたいと思います。
陸上の競技力もそうですが、
『生きる力がつく』というのもケニアのメリットのひとつではないかと感じているので、またひとつ成長したのかなと一応ポジティブに考えるようにしています。

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(ケニアの魅力のひとつである壮大な景色)


とりあえずマスクを忘れたので、ケニアで購入したマスクを装着して帰国したいと思います。
自分が無事に日本に到着することを経由地のアブダビから祈って…

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(このマスク、効果あるのかな…)

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