【百科詩典】こいにおちた【恋に落ちた】

それを、大人だったら恋に落ちた瞬間と呼ぶのかもしれない。でも、私たちは子供で、そんなケチな、ちっぽけなことにしてしまってはいけないくらい大きな、真っ青な夏の空に包まれていた。なにかとても美しい、花火のようなことを世界に示して、世界が私たちのほうに恋をしたのだと、私は思う。

〜吉本ばなな『ハネムーン』