(目黒編)スケッチブックに落書きをして気を紛らわせていた

前回の記事の続きである

僕は目黒の美容室に勤め始めた

大崎の頃の美容室とは違い、スタッフ数も多く、皆随分とラフに働いていた

同い年くらいの人々も何人もいて、気は随分楽だった、僕はアシスタント業務は全てこなせていたし、そのお店のカットのマニュアルを早速勉強する事となった

カラーは任せてもらえたし、随分自由にやっていた、カットもマニュアルは西東京の美容室の頃教わっていたことが生きていたし、カットモデルまでやらせてもらっていたから、その経験でフリーを振り分けてもらったりした

しかし僕よりも先にその店で練習していた人々もいて、それが僕よりも年上だったりしたものだから、フリーの振り分けは一番下

僕はそれでも問題なかったし、ちょうどいいペースだと思った

しかしそれは突然起きたのだ

アシスタントの一人が僕にこんな話を持ちかけた「飯田くんはさ?なんでこの時期にうちに入ってきたの?」

僕は自分の経緯を伝える

すると、そうじゃないと言うのだ

どう言うことか?僕は問い返した

そして知った

「この店そろそろ潰れるらしいよ?」

は?と思った、顔に出てたと思う。

確かに最近辞めるスタッフが多いと思っていたが、これで話が繋がった、まだ決まった話ではなかったらしいが僕は騙されたような気になってオーナーに直接聞いてやろうと思い事務所に行ったのだ

どうやら確かに経営は悪い方に傾いているらしい、スタッフも離れている今オーナーも何かの決断を迫られているらしい

そこで入ってきた新しいスタッフ、つまり僕を藁にもすがる思いで取ったと言うのだ

潰れたらごめんとしか言えないと言われた

ならばと、僕は次の日からもう行かないと言う旨を伝えそれを実行した

働いて2ヶ月経ったくらいの話である。

彼女は随分落胆していた、その頃くらいからか、家に帰っても生活のことばかり考えさせられていたし、自分自身のことも責めていたものだから、喧嘩が絶えなくなっていた

しかし生きて行かねばならぬから

僕はまた新しい仕事を探し始めたのである

その頃くらいからか、僕は昔好きだった落書きを始めた、スケッチブックに適当に思うままに描くのである、彼女には、仕事もろくにせず家で落書きしている僕にイライラを募らせていたのかもしれない。

そして僕は新しい勤務先を見つけたのだ。

それはまた次回👨‍🎨

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