疫病と神社仏閣
神社仏閣では疫病にまつわる歴史というのはかなり古い。
近年科学の力を過信していた現代人が忘れていただけで、不思議と神社仏閣の習慣には疫病予防として学ぶところが多い。
往古、古事記によると崇神天皇の御代に疫病が流行して、人口の大半が失われた。祭祀の力により疫病を鎮めようと祈念していたところ、三輪山に「われは大物主神なり」と天皇のもとに神が顕現し、「大田田根子にもって我を祀ればたちどころに平安になる」と神託を告げた。
こうして生まれたのが三輪神社の始まりである。
崇神天皇は手水(てみず)の習慣を設けたという説もあり、たしかに神社では「潔斎(けっさい)」として手水で手や口を漱ぐ、お神酒(アルコール)で消毒をする、塩で雑菌の繁殖を抑えるなどの作法がある。もちろん精神的な高潔さを保つポーズということもあると思うが、疫病対策として非常に重要なことを先人は知っていたのだろう。
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