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立ち位置を理解せず天狗になってないか、というお話

こんにちは。ひろいです。
今回は製品を作る際に受ける側、生産側についての話を書きます。
表題がね穏やかじゃないですね。そうですちょっと怒ってます。この気持ちの冷める前に書いておかないといけないことなので乱文になる可能性はここで先に謝っておきますね。

怒ってる内容・理由をまず書いておきます。

 生産者側から
『そんなことも分からないのか、それなら全部書面で書いてもらわないと進められない、時間の無駄が多くてコストかかる』
というような内容をメールで頂いたからです。この生産者さんは職人でもなく工場でもない方です(ここがわりと大事)
このセリフの中に理解できない部分がありまして怒ってます。それは
①そんなことも分からないのか
②書面で書いてもらわないと
③時間の無駄が多い

この部分で、文字ヅラは理解できますがその背景を考えると納得できないってことです。電話等で肉付けして話があったのなら印象は変わったかもしれませんが…。では、一つずついきますね。

①そんなことも分からないのか

わからないから分かるあなたに頼んでいる。ってことです。分かってればあなたをすっとばして現場に直で依頼します。中間マージン無駄なので。

②書面で書いてもらわないと

なにをどのように書いたらいいのかをまず提示くれないと分からないってことです。縫製に関しての仕様書は書けますが、そうでないもの(たとえば建築や専門外のこと)は何をどう書くのかフォーマットよこせください。です。

③時間の無駄が多い

それ込みで考えて値段つけてますよね?工賃+材料費に対する利益に更におたくの営業利益を乗せているのだから。それが合わないなら提示してくれ。妥当かこちらで対応含めて検討する。てことです。

この案件に関して依頼主の僕は、専門家ではなく知識が深くないです。
ただ服という大きな枠の中、ファッションという中でいうと近いところで流れや工程理解はあるので、依頼者レベルとしてはミドルレンジにいると言えます。当然立場的に相手の生産が円滑に行くように動きたいですし、知識も必要に応じて身につけたいスタンスで、わからないなりにゴールのイメージは明確にあるので質問や問い合わせがくれば早めに返事をします。これは素人としての最大限できる努力です。せめて連絡待ちという無駄な時間を減らすことは重要なコストカットだと考えています。
 この依頼を僕から受けている生産者側は職人や工場ではなく、間に入って利益を得る仕事です。つまり依頼をうけて職人側に確認をとりながら企画を進行する仕事で、工賃以外に手間賃として利益をとっているわけですね。職人さんからすると面倒なやりとりを代行してもらっているワケです。『振り屋』という生産管理の立ち位置です。その立場にいることを理解してない生産者側が多い。

『あなたの仕事は潤滑油だ』

これが結論です。
こちらが同業としてプロであればあるほど、依頼は根元に行きます。つまり職人さんや工場に直接だすほうが中間マージン省けます。こちらがプロではないから間に入る仕事があって成り立つわけです。(物量の問題などもありますが複雑化するので割愛)
そこで利益を得ているということを忘れてもらっちゃ困るんです。相手である依頼主が失礼な対応や態度をとった場合は別として、あくまでそこは抑えて真面目に取り組んでいる相手であるならば、間に入って仕事をして利益を得るのだから無駄なマウント取りは必要ない。相手の足りない部分を補うことで仕事になってるんですからね という話。


ここからは僕がミドルレンジの依頼主という前提で書いておきたいこと。なので読み飛ばしてもらって構いません。興味あればどうぞ。



ふむ、ご興味がおありですね?
ではハイレンジな人や、ローレンジならどのように依頼先が変わって、どういったところが利益になり得るのか というお話。

 そもそも服などの生産をする場合、なにを作るかを決めた上で依頼主は生産側を選ぶところから始まります。その選択肢は多くあります。個人の職人さん・家内制手工業な工場・工場って感じの工場・コンバーターや商社にOEM会社や振り屋。まあたくさんあります。
※パターンやプリントなどの二次加工を依頼する場合も似たり寄ったり

 その中で依頼者側の状況(ここではレベルと言わせていただきますね)によって頼む先は変わってきます。例えば服で考えます。

ハイレベルバージョンです。

 依頼者が縫製仕様に関する深い知識、ミシンなどの機材に関する知識や工程の理解があり、素材に関する深い知識を持っている場合はどういうところに依頼するでしょう?
基本的に直接職人さんや工場に依頼します。理由は簡単で、指示をすべて出せるので、ただ自分の時間を作るために外注という形を取って製造を任せる形になりますね。当然生産者側は指示通りにつくればOKです。品質に関しては厳しいでしょうが工程も理解しているのでコストに関しても無茶な要求は少ないでしょう。シンプルに技術力のあるところに出す形です。(むしろ綺麗に要望に添ってつくれば終わりなので、求める品質にあった工場を見つければ依頼者はOKでそれ以上は必要ない)
 むしろ必要以上に工賃は取れませんし、取ろうとしても難しいです。こういった方は少ないです。自力で探していくタイプなのでピンポイントでお付き合いされてる事が多いでしょう。
※生産量などは複雑化するのでここでも触れないでおきますね。

次点。ミドルレベルです。(今回は案件別ですが、僕はこのレベルでした)

ハイレベルほどの知識はないにせよ、大枠の流れや現場のできることは分かっていて自分のやりたいことは明確にあるタイプ。こういう人はどういうところに依頼するでしょう?
 ここから依頼先が複雑化しますね。職人さんや工場にも直接だせるレベルではありますが、知識量は専門レベルではないのでやりとりや確認をとるコミュニケーション力が双方に必要になります。たとえばイセをどうしましょう?なんて話になった時に依頼主は明確には答えられないと思われます。
 こういう場合は直職人さんであっても工場であっても柔軟に対応できる人間力とでもいいましょうか、そういう余裕があるところが向いてます。現実そういう対応までをできる工場等は少ないので営業的な人間のいる現場やOEM会社・振り屋さんに依頼することが多くなると思います。知識は深くなくても目指したいものが具体的なのでやりとり自体は割とスムーズで、それを具現化出来るように導いていくのが仕事にもなります。
 依頼側もある程度の知識があるので、大外れな(自身より知識や経験の低い雑な生産者)ところにて問題になることも少ないでしょう。なってしまっても『ここはダメだ』と理解してまた探せる人です。
 この場合は生産者は工賃+生産管理費用として利益が確保しやすくなります。作る純粋な工賃以外に相手に足りない部分を補填している付加価値があるので、そこは依頼者も納得しやすい部分です。しかもゴールが明確なので専門知識以外では、やりとりのスムーズさも想定できて、生産者にある程度は任せるという点で許容の範囲も共有していきやすいでしょうね。

最後。ローレベルです。

 ざっくり極端にいうと何も生産のことはわかりまてん。です。
作りたいものもふわっとしていて
『あのブランドの~あのデザインや素材に~近い感じで~もっと手頃に~』
なタイプです。(そんな依頼者いるの?!と思われますがいます。むしろ大多数と思ってください)
 このレベルになりますと職人さんや工場では対応は無理です。よしんば対応はできても問題が多発します。経験上確実です。そもそもパターンや素材から提案・手配しないといけないですし、むしろデザインも考えないといけません。純粋な工場でその機能(時間などのコスト余力)をもつところはかなりレアタイプです。
 この場合はOEM会社・企画生産機能をもつ振り屋さん・商社(信用とれれば)さんあたりが対応することになります。寧ろそこしか対応できません。この場合は依頼者に知識皆無の為に完全に任せてもらうか、相手がこだわりは変にある場合は粘り強く『出来ること・できない事』を説明しながら慎重に書面や確認サンプル等で注意点や進行許可を確約しながら進まないと大怪我します。
 ですがそれゆえに利益が取れますし、取らないといけないので仕事としては決して悪くないです。その対応を出来るかどうかなだけで出来ないなら出来るところにやってもらえばいいので。工賃にデザイン料、企画費用、生産管理費を含んだものをきっちり報酬でいただければハイレベルな依頼者さんより稼げるわけです。
 稼げる分しんどいのは当然です。利益は対価なので。

最後に

 今回は生産者側の意識問題的に書いてますが、あくまで依頼者側が無理難題や失礼な対応はしないタイプであることを前提に書いてます。
 失礼な対応とは相手によって変わりますが
・連絡がなかなか取れない
・判断がやたら遅い
・支払いが規定通りになされない
・理不尽で歩み寄りがない

などが共通してあります。生産者にもできる限界はあることを知ること、依頼側が判断をしないと生産側は物事が進まないこと、仕事に対しての支払いはしっかりすることは大前提なので、そこはあしからず。


ではまた!

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