[雑記.007]ネット上での他人との距離感


 自前でゲーム配信をしたり他の人の配信を観に行ったりして思う、配信者と視聴者の距離感について。


 まぁ「配信者」だ「視聴者」だって言い方だと大袈裟になってしまうので、ゲーセンをイメージして「そのゲームをやってる人」と「横や後ろで観てる人」ぐらいに考えてもらうといい。



 自分がどちら側にも立ってみて、日本人同士だと「距離を早くに詰めたがる人」をそこそこ見かけてるように思える。

 別の言い方で早く言えば、「(知り合って間もないのに)ちょっと発言が自由すぎる・失礼すぎるかな」って感じてしまう人がいる。



 なんというか、自分からすると現実での友達付き合いもネットでの友達付き合いもほとんど同じ感覚でいて、現実でもすごく早く打ち解けてフランクに接することの出来る相手は確かにたまにはいる。

 けどそういうのって「たまに」しかないことで、決して「当たり前ではない」んだよね。



 それに、「早く打ち解けられる=仲良くなれる最低条件」ということでもなくて。


 自分の配信ではいつも仲良く話し相手をしてくれる人もごくごくたまにいて(というかぶっちゃけ1人だけだけど)、今でこそお互いタメ口だし、多少失礼な言動もお互いにあったりなかったりするけど、知り合って最初しばらくはお互い敬語で低姿勢に接していた。

 これは言ってもいい、あれは言ったら落ち込ませる・怒らせる、この話題は好き、あの話題はそうでもない。そういう風に長い年月とたくさんの手間をかけながら、ちょっとずつ手探りでお互いの適切な距離感を作り出してきたがゆえの関係性なのである。



 この人とはもう「友達になれた」と言ってもいいと思うけど、自分が他の人に対してそう思えることは本当に稀で、普通はそこまで長く一緒に仲良く出来ないんだよね。自分の性格的に。

 よほどその人の気が長く辛抱強いのか、はたまた仏様のような母心でいつも「しょうがない奴だなあ」と思って見守ってくれているのか、単純に相性がものすごく良いのか、真相はわからないしわざわざ確認する気も特にはないけど、とにかく感謝、「いつもありがとう」の一言に尽きる。



 「いきなり距離を詰めてくるな」と必ずしもみんなに言いたいわけではないけど、冷静になって考え直してみてほしい。

 このように、「誰かと友達になる」「思ったことをそのまま口にしてもいちいち気を悪くしないような円滑な関係性」になるには、かなりの長い年月と「"付き合い"という経験値の蓄積」が必要だと思う。



 普通に考えて、人と人との距離は数日数週間程度でそこまで詰まるものじゃないし、もう少し相手の立場で考えてみてほしい。

 あなたはあなた自身のことをよくご存知かもしれないが、こちらからすると「まだ共通の趣味のことで数時間話したことがある程度の、顔も見たことのない人」だったりするわけで、現実で言う「顔見知り」ですらない関係性なわけでね。

 お互いを判別出来るのは「ハンドルネーム」のアルファベットの短い羅列だけで、それ以上のことはあまり知らないし話したこともない、という人が自分と付き合いのある人でもほとんどだ。


 さっきも言ったけど、誰かと仲良くなるために「なぜかいきなり打ち解けられた」という天性のものが働くことは滅多に無く、普通は順序よく少しずつ手探りで学んで活かしていくもの。

 この辺をすっ飛ばしていきなり接近しようとする人とは、自分はちょっと仲良くしにくいかなぁ。



 ネットでの付き合いって、現実とは違って「そういうもの」なのかもしれないけど、だったら余計に今の「そういうもの」に抗って、昔ながらの人と人との適切な距離感を自分は第一に考えたい。

 みんなも他の人との距離感は大事にしようね。