ロシアの極東、ハバロフスクへ#3

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3日目、4日目について。今日は2日目と打って変わって雲ひとつない晴れだ。
正午から始まるサーカスまでに時間があるので、極東美術館、極東ロシア軍歴史博物館があるシェフチェンコ通りへ行く。

Ulitsa Shevchenko, 20, Khabarovsk, Khabarovsk Krai, ロシア 68000020

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まず最初に極東ロシア軍歴史博物館のほうへ。世紀初頭に建てられたもので、当時としては最大級の銀行だったらしい。ここの中庭にはロシアの歴代の戦車、大砲、トラック、そしてミグ17などがズラリと並び、館内は革命戦争、シベリア出兵、ノモンハン事変、第二次大戦と、極東地区が関係した戦争を分けて展示してあるとのこと。

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基本的にレストランなど含めこの街の店や建物のドアが開いていることはないので、オープンしているかどうかは自分で確認しなくちゃならない。重く閉ざされた扉をあけてみると、警備員と受付の女性がいた。営業時間内ではあったが、今日はやっていないとのことで中には入れなかった。後から調べて見たら予約が必要だったみたい。外観だけでもかなり威厳があるので、ここの内部は是非行ったら見てみてほしい。

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気を取り直して向かいの極東美術館へ。こちらはオープンしていた。

白い3階建ての建物で、ルネサンス期の西洋美術、中国の磁器、民族の衣服や細工などが展示されている。こちらの元は19世紀の終わり頃の帝政ロシアの駐屯軍の将校会館だ。その特別客室に1893年にシベリアを旅していたロシアの文豪チェーホフが宿泊した。1951年に創立され、極東美術館の展示品の大部分は、サンクトペテルブルグにあるロシアで最も有名な美術館のエルミタージュやロシア美術館、モスクワのトレチャコフ美術館やプーシキン美術館から送られてきたものらしい。

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まず入場口で靴カバーを履かされる。3階にはロシア宗教画であるイコンをはじめ、彫刻の他、西ヨーロッパの古典絵画やレーピン、ルーベンスの作品もあった。2階には極東ロシアに住むナナイ族やウリチ族やエベン族などの北方少数民族のコーナーがあり、魚の皮で作った衣服など。犬をはじめとする動物、自然にまつわる絵画が多く、ロシアの風土が感じられる作品たちを楽しんだ。

意外と時間が迫っていたので急いでタクシーでサーカスへ。もう少し1階のお土産コーナーもゆっくり見ることをお勧めします。しかし、本当にどの店も商売っ気がなくてよい。

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サーカスの会場は中心街から南約3キロのところ、有名な宇宙飛行士にちなんで命名されたガガーリン公園の中にある。

ул. Краснореченская, 102, Khabarovsk, Khabarovsk Krai, ロシア 680023


サーカス

この日はモスクワのサーカス団がやってきているらしい。
館内はサーカスの獣たちのにおいとポップコーンのにおいが入り混じっていた。客層は子連れの家族が大多数を占めている。
スモークが焚かれ、色とりどりの照明と緑のレーザービームが交差し始め、ショーが始まった。ラクダの上で、中世の騎士を模したピエロがアクロバットする。
最近のサーカスではスティーブンキングのITのようなピエロスタイルはもう古いのだろうか。出てくるピエロはカジュアルな見た目のものが多かった。箱からワニがいきなり出てきたり、蛇を球にまとわりつかせ空中に放ったり、白い可愛い犬たちがキックボードを漕いだりする。アルビノのヤマアラシも出てきた。球状の鉄格子の中で、3機のバイクが高速で交差するのもあった。ピエロに舞台に連れ出され道化をさせられる大人たちも笑えた。最後は妖精たちが空中組体操。総じて面白かったけど、子供向けかもしれない。

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昼はグルジア料理レストラン、サツィヴィへ。

Ulitsa Frunze, 53, Khabarovsk, Khabarovsk Krai, ロシア 680000

こちらも雰囲気かなり良い。程よい暗さがあり、暖色光が灯る。暖炉が暖かいリビング、白いクロスが引かれた黒めの木のテーブルで食卓囲む感じ。ソファもいい。
頼んだのはヒンカリと、ハチャプリと、カボチャのスープ、自家製クランベリーソーダ。
とにかくロシアはスープが美味しい。

ひんかり

ヒンカリはニンニクのような形をした小籠包のようなものだ。頭頂部の皮が厚くなっており、持ち手の部分になっている。中にはスープと具が入っており、食べたあとの持ち手の部分は食べずに捨てるのがロシアスタイル。

ハチャプリは図らずもかなり大きいのを頼んでしまった。直径はラグビーボールサイズくらいある。。
焼きたてのもちもちのパン生地の上にとろとろのチーズが所狭し、たっぷり乗っており、更にその真ん中に卵黄が2つ浮かぶ。
これはカロリーの小舟。端から徐々にちぎっていき、卵黄を崩してディップし、食べ進める。
自家製のジュースも果実のチャンクがかなり入っており、美味。隣にあるカフェもおすすめです。

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なんとか食べ尽くし、メインストリートを直線方向に歩き夕方のアムール川へ向かう。オホーツク海に続く、海のように雄大な川だ。世界で八番目に長い。
アムール川では結婚式を終えたであろうカップルが白いリムジンで訪れていた。

空のグラデーション、街頭の優しい光と冬の澄んだ空気が相まって感傷的な風景だった。
こんなロマンチックな風景で式を占めるなんて、素晴らしい。

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川からは青が美しい、ウスペンスキー教会を臨むことができる。
教会の内部は撮影禁止だったので見せられないが、金に装飾されたイコン画がズラリと壁に並んでおり、信者たちが
歌に合わせ祈りを捧げていた。神聖な気持ちだ。

夜も暮れてきたので、メインストリート沿いを歩き帰る。途中、図らずも建物に迷い込んだ。そこはゲームセンターだった。広場からの暗がりの建物の見た目からは想像もつかない。せっかくなのでここで少し遊ぶことにした。ここも子供連れが多い。受付にゲームで遊びたい、と伝えると、スタッフが集まってきて、お前いい年してゲームで遊ぶの?と、ちょっと引かれた。どうやらゲームセンター自体も子供向けといった感覚らしい。笑システムは日本と全然違う。

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受付でデポジットカード購入して金額をチャージする。(Suicaみたいなものだ)→各筐体に付いているカードリーダーにスキャンすると、ゲームが始まる。→終了時、得点に合わせてチケット(一枚1ポイント)が連なって発行される。→そのチケットをチケット数え機に吸い込ませ、得点レシートを出す。→レシートを受付に持って行って、景品と交換する。
僕は1000ルーブルほどチャージした。

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玉入れ系、的当て系、ワニワニパニックならぬカバカバパニック、MARVELのモグラ叩き、ちょっと懐かしいゲームが揃っていた。
1ゲーム大体59ルーブル(約100円)だった気がする。

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すべてのゲームで遊んだ結果、一番チケットが出るのはスーパーモンキーボールだということが判明。コンスタントに30枚くらいチケットが出る。ありがとうセガ。遊び終わった後は、チケットをポイント化し、景品交換。ポイントごとにもらえる景品のグレードが変わる。交換できたのは250ポイントの虹色のバネみたいなおもちゃ。最初からモンキーボールでチケット爆出ししておけば勝てる試合だった。次もし来たら、モンキーボールのみを鬼回しすることを固く誓った。


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その後はイロンカビスというカフェを目指し夜のハバロフスク駅周辺へと向かう。

Ulitsa Dzerzhinskogo, 65, Khabarovsk, Khabarovsk Krai, ロシア 680000

夜の駅周辺はメインストリート沿いと比べて、グラフィティが多かったりピリッとした雰囲気がある。
夜道は用心すべし。一人では出歩かない方が良さそうだ。
ここではアムールというハバロフスクちなみの赤ワインを飲んだ。
すっきりしていてこれもおすすめできる。ボトルで頼んでも安い。900ルーブル(1530円ほど)

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四日目はお昼の飛行機に乗って帰るのみ。
ハバロフスク空港の国内線はわりと新しい。

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国際線は結構こじんまりとしているがこれはこれで趣がある。
帰りのチェックイン時間はかなり余裕があった。1時間前でも大丈夫だ。
最後は空港の待合室にあったペリメニとソーダを購入して帰りの機内へ。


ハバロフスク、短かったけどかなり楽しめたと思う。1週間くらいでも良かったな。
スローライフを満喫できる、時間も心もゆとりを持った町だった。
夏が映える国もいいけど、冬を楽しめる国もいいなと改めて思った旅だった。
ひとり旅にもいいと思うけど、愛する人だったり、家族と行けばさらに楽しめそうだよ。
ロシア語もちょっとだけ覚えた。
日常で使えることばたちも紹介しておきたい。

Здравствуйте! ズドラーストヴィチェ こんにちは
Спасибо! スパシーバ ありがとう
До свидания ダスビダーニャ さようなら
Это Пожалуйста エータ パジャルースタ これをください お願いします
Сколько стоит? スコリカ ストイット? いくらですか?
не надо ニナーダ 必要ない、いらない

この中でも、パジャルースタがかなり便利で一番使ったかもしれない。スパシーバはもちろん。
(パジャルースタはplease、のほかにも”どういたしまして”という意味もあるので、
スパシーバ!というとパジャルースタ!と返ってくる。)

みなさんもロシアに行く機会があったら、覚えてみてね。
次はどこに行こうか!また来ることがあったら、シベリア鉄道に乗って、ウラジオストク、イルクーツクのバイカル湖でアザラシに会ってみたり、終着駅モスクワの美術館、クレムリンを周ってみたりしたい。
暖かく迎えてくれたハバロフスク、ありがとう!

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