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「旅は人を成長させる」のか?

1998年の冬のある日、3年間勤めた会社を辞めた26才の私は、成田からロンドンに向けて旅立った。バックパックと3ヶ月後の帰国便の航空チケットを握りしめて...。

こう書くと、社会に馴染めない人間が自分探しの旅に出たようであるが、実際には円満退社であり次の就職先も決まっていた。その間3ヶ月あったので、「欧州に行ってみよう」という軽~い動機であった。

とは言え、一泊目のホテル以外は何も決めていないノープランの旅であった。いつどこに行くか全く決めていなかった。不安が無かった訳ではないが、「まあ何とかなるだろう」という思いである。

インターネットも充分に普及していなかった当時は、「地球の歩き方」と「Thomas Cook」を旅のバイブルとしていた。具体的な行動としては、ある街に滞在し、その間に観光しながら次の目的地を決め、夜行列車や深夜バスで移動し、翌朝その街に着いたら飛び込みで安宿を探し、数日観光してまた次の街に行くという繰り返しである。

この3カ月の放浪(というか行き当たりばったり)で分かったことは、「予定なんて立てなくても、どうにでもなる!」ということだ。私は元々予定を立てて物事を進めるタイプではない。面倒くさがりなのだ。決め事にも縛られたくない。この旅を経て、その考え方に磨きがかかってしまった。

社会生活において、計画を立てて実行することは重要だ。もちろん私も人に迷惑をかけない程度にはそうしている。しかし「何とかなるさ(そして実際何とかなる)」というモットーは、ビジネスやプライベートにおいて、デメリットとなることも少なくない。今もそんな自分の性格に苦労することが多々ある。

つまり結論は、
「旅は人を成長させない! いい加減にだらしなくさせるだけである!」

追記:
「成長」はしなかったが、得たものはあった。それは世界には様々な文化・風習・考え方があるということが分かったことだ。つまり「多様性の認識」だ。このことは機会があれば改めたい。

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