ブラジルのマクレレと日本の民謡
松葉杖生活12日目
朝からカポエイラのレッスンへ行く。
毎日の松葉トレの成果か最寄り駅まで最初は30分かかったのが15分ほどで到着。
到着してもまだ余裕があるくらいだ。
ふふふふ。
今日は9月に迫った昇段式の出し物のマクレレという棒で叩き合う出し物の練習が主だ。
マクレレはカポエイラとは切ってもきれない繋がりがあり、現地ブラジルの練習でも取り入れられて何度か現地ブラジルでも練習したことがある。
マクレレの発祥は諸説ある中のひとつにマクレレさんという逃亡した奴隷を匿った村の男たちが留守の間に襲われ、マクレレさんが2つのナタで村を救い英雄になったのでマクレレという名前になったとかいう話があるらしい。
ブラジルでら本当にナタを使ってショーをやったらして指が切り落ちるアクシデントが本当にあるらしく、怖すぎる。
日本ではそんなことなく、棒をナタに見立てて使う。
肩甲骨の開き方、重心の落とし方がとても重要で間違えるとロボットのような動きになってしまいとても難しい。
カポエイラに通ずるものがとても多く面白い。
カポエイラのマクレレ↓
その後は妻が習っている民謡の発表会へ。
何故か定時より早く始めるというデマのため、トップバッターの妻を見逃すまいと松葉ダッシュしたせいで呼吸困難で死ぬかと思った。
民謡はみな歌が異常にうまい。youtubeやテレビなど媒体を挟むと何も思わないが生音はめちゃくちゃいい。
臼杵米とぎ唄というめでたい系の唄で始まりこれがなんかグルービーでトータルで1番良かった。 大分の臼杵市津留民謡とのこと。
ネットで調べても詳細は出てこなかったが、多分米をとぎながら歌っていた作業唄なのだろう。
日本の歌もいいなぁ。なんで思う一時。
ワタシの地元は富山県。
奥様が富山のこきりこ節を歌う。
多分富山県民は全員口ずさめるが、これは全国的に見ても珍しいことらしい。
第2部は妻の地元の兵庫県の民謡
カポエイラやマクレレの歌や日本民謡もそうだけど、過去の出来事を歌にのせ何世代にも渡り、物語を紡いできたロマンを感じる。
全然論理的ではないけど、時代を超えて歌われて続けるごとにその歌は力を増し、太古の過去から現代に力を与え現代の人間の心を震わせる。
なんかそんな感じが好きだ。
ブラジルに行って気づいたのでだけど、カポエイラの歌は自分のためでなく全体の輪のために下へ叩きつけるようにパワーを込めると人を巻き込みながら上昇していく。なんか不思議だけどそんな感じがする。
ブラジル北部のベレンの人の歌。↓
海や奴隷制に対する闘争について歌ってある。
帰りはタクシーの設定を間違え意味不明な場所に辿り着き、毎日何かをやらかしているワタシの詰めの甘さ。
夜は近くの焼き鳥で打ち上げ。
なかなか充実の一日だ。
動画の歌の和訳
O que BALANÇA Jangada É a MARÉ
船を揺らすのは潮の流れ
潮の流れ
船を揺らすのは潮の流れ
伝説の船乗り
彼は海のドラゴン
セアラー州で奴隷制と戦った
彼はチコ・ダ・マチルデ
ホセ・ナポレオン
船乗りのストライキが
奴隷解放に先行した
セアラー州から出発し
リオデジャネイロへ向かう
自由の船が
奴隷船に繋がれて
カポエイラの動きには
揺れが必要だ
バランスが取れていないと、
カポエイラはできない
ビリンバウの音が
マンドゥゲイロ(カポエイラの達人)を揺らす
海が
船乗りを揺らす
自分の船に乗って
風に押されながら
これらの男たちは
生計を立てるために危険を冒す
チコ・ダ・マチルデ(フランシスコ・ジョゼ・ド・ナシメント)は、19世紀に奴隷制と闘った実在の人物で、彼は「海のドラゴン」として知られていました。彼のリーダーシップの下、船乗りたちはストライキを行い、奴隷解放に貢献しました。
歌詞の中で繰り返される「船を揺らすのは潮の流れ」というフレーズは、人生の不確実性や変動を象徴しています。同時に、海や風、潮の流れといった自然の力に対する畏敬の念を示しています。カポエイラやビリンバウといったブラジルの伝統文化も取り上げられ、そのリズムや動きが自然と調和していることが描かれています。
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