2022年5月第3週目

先週もお疲れ様でした。

今日はMitsuriで成し遂げたいことについて。
私たちが対象にしている製造業ですが、何度も言うように、私たちの生活水準の土台となっている産業です。
ここにイノベーションを起こして限界費用を圧倒的に下げることさえできれば、私たちの生活水準が圧倒的に向上します。
というよりも、「生活水準が向上する」どころの話ではありません。
下のグラフを見れば、製造業のイノベーション(=産業革命)がどれほどインパクトがあったかがわかると思います。

大雑把に言えば、世界中で大問題として考えられている人口減少、格差問題など、「そういえばそんなこともあったね」ぐらいの勢いで全部解決できることが分かると思います。
いまそういったことで悩んでいる人も、これさえ成し遂げれば一瞬で悩みが消し飛ぶと思います。
なので、私はこの製造業を進化させることが一番みんなの役に立てることなのではないかと考えているのです。

その一環として、いま私たちが手がけていることは、その製造業のサプライチェーンを刷新することでしたね。
このサプライチェーンをより効率的にすれば、限界費用を下げられて、もっと色々なモノが作りやすくなるだろうと目論んでいます。
具体的に、サプライチェーンの刷新がどれだけインパクトのあることなのでしょうか?
実は、この5年ぐらいで他の業界ではそれが劇的に起こっています。
例えば、アパレル業界にSHEINという1兆円プレイヤーがいます。
SHEINは、内部をデジタル前提のサプライチェーンを構築したことで、半ばD2Cのような仕組みになっています。
それが消費者にどのような影響を及ぼしたかというと、従来のアパレルの原価率は10-15%ぐらいで、商社などの中間業者やマーケティング費用などが嵩んで原価300円の服が3,000円で売られるという構図でしたが、SHEINでは中間業者を撤廃し、マーケティングを自前でやることで3桁台の金額で品物を提供することできています。
つまり、SHEINのイノベーションにより、従来よりも数倍もアパレル業の生産性を高めることができた(少ないコストで高い生産ができた)と言うことができます。
(個人的な読みでは、次はコスメ業界にも同じような波がくると思います。)

一方、製造業は部品産業です。
なので、アパレルよりももうちょっと複雑な構造になっています。
例えば、自動車なら3万点の部品から成り立ってますし、コピー機だと2-3000点の部品です。
その部品ごとに調達網(サプライチェーン)があり、メーカー側も従来のやり方では把握しきれないため、大きな部品(エンジンとか)に分けて、専門商社に調達を代行してもらっているというのがまだメインストリームのやり方です(商社が廃業してどんどん崩れてきてはいますが)。
その図面を受け取った商社は、図面を部品にバラし、自社の人脈を活かしながら調達に漕ぎ着けています。
超ざっくり言うと、こうして人的ネットワークでサプライチェーンを作ってきたわけですが、そのネットワークが多重になればなるほど、アパレル業界と同様にコストが嵩みます。
そこをSHEINと同じくD2Cの文脈のように商流をダイレクトにすれば、調達を誰かに代行してもらう必要もなく、ユーザーのもとへ安く部品を届けることができるのです。

要は、サプライチェーンの整備によって最終製品が原価に近づいていくわけです。
私たちのやっている「サプライチェーンの整備=良質なデータに最短でアクセスするためのアルゴリズムの改善」を重ねれば、どんどん限界費用が下がっていきます。
誤解を恐れず言えば、私は中小企業を救うとか日本の製造業を復活させたいとかは考えていません。
ただ単純に、消費者目線に立って、特殊な事情により皺寄せがきている部分をITの力で私たちが変えていけるんだから、それをやらずしてどうするということです。
モノをサステイナブルに安く提供できれば、可処分所得が増えるので、選択肢が増え、色々な可能性が芽生えることで明るい未来を作ることができるのです。
大石が常に言っている未来の製造業づくりの中身とは、こういう背景のもと行動しているものだと理解してもらうとわかりやすいかと思います。

先週もありがとうございました。
今週もどうぞよろしくお願いいたします。


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