渡邊 比呂

本好きの大学生。いつも本が隣にある日常をつくっていきたいです。 週に1度、本を紹介する…

渡邊 比呂

本好きの大学生。いつも本が隣にある日常をつくっていきたいです。 週に1度、本を紹介する記事を投稿します。

最近の記事

「大人の恋」小説4選①

「華やかさと寂寥とが交互に立ち現れる」とある小説から、タイトルを引用してみました。 華やかさと寂寥とが交互に立ち現れる、大人の恋。 青春の思い出の恋は、混じり気がなくて、キラキラしていて、とても純粋なもの。 大人の恋は、素朴な子どもの頃の恋とは違って、夜のパーティで煌びやかなドレスを纏うような華やかさを、どこかに備えています。 年を重ねるにつれて、言葉に綾を持たせたり、思わせぶりな振る舞いを覚えたり、駆け引きを楽しむしぐさを身に着けていくことが、恋の華やかさを生むのでしょ

    • 知られざる隣国・中国を知る本2選

      「中国4千年の歴史」「GDP世界第2位」「軍事的脅威」など、中国を語る言葉を耳にする機会は非常に多い。 かつての後進国は、改革開放政策を経て大きな経済成長を実現させ、いまや世界第2位の経済大国になっている。 中国とアメリカの関係は、世界経済を左右するほどのものになっている。 また、大きな経済力を反映して、軍事的なプレゼンスも大きくなり、日本近海での活動を活発化させている。 尖閣諸島をめぐる中国と日本の対立は、地域紛争にも発展しかねないほどの緊張をはらんでいる。 存在感を

      • 「監視社会化」を考える本 3選

        最近、コロナウイルスの流行を巡って、ジョージ・オーウェルの「1984年」が、再び脚光を浴びている。 〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は以前より、完全な屈従を強いる体制に不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるのだが…。(裏表紙より) 「1984年」は、監視社会化した未来を描

        • 「強くあろうとする若者たち」小説4選②

          さて、今週は先週に引き続き、「大人になろうとする若者/こども」をテーマに本を紹介していこうと思います。 子どもたちは、ときに大きな選択を迫られ、それを乗り越えて大人になっていきます。困難な境遇や悲しい別れが子どもたちを次のステージへと導くのです。 今回は、 ■米澤穂信「リカーシブル」 ■森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」 この2作を紹介します! 「リカーシブル」は中学生、「ペンギン・ハイウェイ」は小学生を主人公にした作品です。子どものまだ幼い世界観と、それに対する厳しい

        「大人の恋」小説4選①

          「強くあろうとする若者たち 」小説4選①

          今週は「若者/こども」がテーマです。もっと詳しく言うならば「いまだ大人にならざる者」とでもいえばよいでしょうか。自分の無力さを自覚し、そこから脱却しようとすること。思い通りにいかないことを目の当たりにしたときのやるせなさ。見たくないものから目を逸らして、それでも視界に入ってしまうもどかしさ。そういうモヤモヤしたもの全部変えていこうとする強い意志。 いま思い出すと気恥ずかしくなることも多い自分の青春時代ですが、若者をテーマにした、エネルギーをもらえる小説はたくさんあります。今

          「強くあろうとする若者たち 」小説4選①

          「まだ見ぬ世界を旅する」本 3選

          コロナウイルスの流行により、外出自粛の日々が続きますね。この春の旅行に行けなかった人も多いのでは。旅をしたい、でも外出は控えなきゃ…と思っている方に、「まだ見ぬ世界を旅する」ような読書体験ができる3冊をご紹介します。 1.川上弘美「大きな鳥にさらわれないよう」(講談社) 2.松濤明「風雪のビヴァーク」(山と渓谷社) 3.村上龍「歌うクジラ」(講談社) 本を読むことは旅することに似ていると、よく言われます。上に挙げた3冊は、数ある本のなかでも、あなたがきっとまだ見たことのな

          「まだ見ぬ世界を旅する」本 3選

          本と出会うお手伝い。

          みなさん、はじめまして。渡邊比呂です。 このページでは、あたらしい本と出会うお手伝いができるような記事を書いていきます。 私は、人文学を学んでいる本好きの大学生です。さまざまな角度から、いろいろな種類の本をご紹介していけたらと思っています。 来年4月には、本屋を開業しようと考えています。 書店を巡る状況はとても厳しいです。Amazonなどの浸透もあって、ちいさい本屋さんはどんどん廃業に追い込まれています。一方で、Amazonはとても便利で素敵なサービスであることは確か

          本と出会うお手伝い。