見出し画像

『推し』とは

『推し』とは

本来の日本語としての用途、意味
「おす」の連用形。
(推す)の意味:
推薦する。
前に出す。あることがらに対して積極的な態度をみせる。推し進める。

お-す 動詞活用表(日本語活用)
サ行四段活用
語幹  お
未然形:さ
連用形:し
終止形:す
連体形:す
已然形:せ
命令形:せ

「おし」は、「おす」の連用形。
(下に動詞を伴い)押すことによって~する。
押し倒す。押し込む。押し出す。
強いて~する。
押し通す。押し入る。押し付ける。
積極的に~する。
推し進める。
予想する。
推し量る。

☆何かを選択するときに、推薦する対象をアピールしたり、何かを実行するときに、それを後押ししたりするときに使われる言葉であり、そこから俗語としての利用が広がり、現代の好きな人や物などを表す言葉として使用される様になった言葉。使い方は変わっていないが、使われるシーンが変化し拡大した言葉だと言える。

名詞:おし【推し】
(俗語) 応援しているメンバー。

おし【推し】
他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物。「推しの主演ドラマ」
[補説]アイドルグループの中で最も応援しているメンバーを意味する語「推しメン」が流行したことから、多く、アイドルや俳優などについていう。

1980年代のアイドルブームの際に登場、その後、2000年ごろに2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)でモーニング娘。のファンによって使われるようになった。その後、AKB48の台頭によって広まり、2011年にユーキャンの新語・流行語大賞にノミネート(No.09)された。AKB48選抜総選挙のテレビ中継により、「推し」という言葉を知る人が多くなり、さらに、推しとは、「好きなもののことである」とマスメディアが広い意味で推しという言葉を定義したため、一般の人も「推し」という言葉を使いやすくなった。

アイドル(idol)
1 偶像。
2 崇拝される人や物。
3 あこがれの的。熱狂的なファンをもつ人。「アイドル歌手」
[類語]花形・名優・千両役者・スター・立て役者・大立者・座頭ざがしら・星・ヒーロー・ヒロイン・カリスマ・一枚看板・人気者・売れっ子・はやりっ子・寵児

ーーーーーー

推しは、選挙で〇〇さんを推すというところから来ている言葉であり、学生時代では、学級委員長を決めるとき、クラブの部長を決めるときに、誰が良いのかを問うとき、私は、〇〇さんを推します。と言う感じで使っていた言葉から来ているものである。

1970年代から1980年代にアイドルがブームになったとき、アイドルの誰が一番かをファンが語る様になったとき、一番〇〇なアイドルには、〇〇さんを推すよ。といった感じで使われる様になって、好きな対象を示すときに使われるのが、広がり、アイドルグループが登場して、多くのメンバーの中で、リーダーは誰が良いとなり、選択の要素が出てきた事で、リーダーには〇〇を推す、といった言葉が多く語られる様になり、推すメンバーを推しメンと表現するのが、広がった。AKB48が総選挙という企画を打ち出し、テレビなどメディアが大きく取り上げたことで、〇〇を推すという言葉の使い方や、推しメンという表現は、大衆の俗語として定着していく事になる。また、アイドルグループ人気にあやかり、メディアが、選択肢があるものの中から、人が推めるものや好きなものを、推し〇〇とレッテル貼りして表現する様になり、広義な俗語としての「推し」 という言葉が広く定着していく事になった。
現代では、既に、「推し」という言葉は、複数の選択肢があるものの中で好きなものを示すときの一般的な用語として、使われる様になっていると言えるだろう。

さて、2020年4月23日に発売された集英社の週刊ヤングジャンプ2020年21号から連載がスタートした原作・原案:赤坂アカ氏、作画:横槍メンゴ氏による漫画「推しの子」 が、人気となり、KADOKAWAがアニメ化を企画し、製作委員会の座組は(KADOKAWA、集英社、動画工房、CyberAgent)、動画工房が制作を担当する事になり、監督: 平牧大輔、シリーズ構成・脚本:田中仁、キャラクターデザイン:平山寛菜、音楽:伊賀拓郎というメインスタッフ陣によるテレビアニメ化が行われた。第一話を90分スペシャルとして、2023年3月17日より劇場先行公開『【推しの子】Mother and Children』のタイトルで配給は角川ANIMATION、大ヒットをする。2023年4月から6月までTOKYO MXほかでテレビ放送され、あわせて配信公開もされて、作詞・作曲・編曲:Ayase。YOASOBIによる主題歌「アイドル」も大ヒットする。配信による海外人気も凄く、本作のヒットは、「推し」と「アイドル」という言葉を再注目させるパワーとなったとも言えるだろう。

「推しの子」
https://youngjump.jp/oshinoko/
https://ichigoproduction.com/

大ヒットを受けて、第2期のテレビアニメも製作されて、2024年7月3日より、放送中(2024/8/5現在)であり、第1期に引き続き注目されている。また、第1期の第1話の劇場公開版の劇場リバイバル上映なども行われ、令和アニメのヒット作品として認知されている作品だと言えるだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?