見出し画像

冬の1ヶ月間、雨男に負けず晴れ続けたバレンシア

「今日はあいにくの天気だね。」

いままで何度、同じセリフを言われたのだろうか。

何日も前から楽しみにしていた予定が雨でキャンセルになる。一泊以上の旅行では、何日も雨が降ることもある。そのくせ旅行から帰ると晴れの日が続く。

北海道にあるスポット「青い池」に初めて行ったときは、土砂降りで池が青くなかった。むしろ緑だった。


私は、立派な雨男だ。そう自負できる実績と経験がある。

とはいえ、そこまで気にするわけではなく、ちょっとした話のネタになるし、雨だからこその写真が撮れるから別に良かった。
雨前提で行動しているほどだから、「晴れ」について深く考えたこともない。

でも、スペインのバレンシアに1ヶ月間住んでみたら、雨男としての実績が跡形もなく崩れ、「晴れ」について意識せざるを得なかった。

地中海性気候で降水量が少ないバレンシア

太陽の国スペインとはよく言ったものだ。
真冬の1月に1ヶ月間住んだバレンシアでは、一切雨が降らなかった。

結局、滞在中は1度も雨が降らずに晴れの日が続く。曇りの日もほとんどなく、午前中に曇っても昼になると快晴になるなど、異常とも思えるほど晴れていた。

もしかしたら、少しだけ雨が降って止んだ日もあるかもしれないけど、少なくとも数時間降り続くことはなかった。

私は雨男でなくなってしまった。
地中海性気候のバレンシアのおかげで。


さらに驚いたのは、それが1月という時期の経験だったから。
ヨーロッパの冬といえば、日の入りが早くて曇りか雨で日中も薄暗い鬱々とした気候が続く。

実際、バレンシアの前に住んだポルトガルのポルトは、気温こそ暖かかったが曇りや雨でジメジメした日が続いた。


日本でも有名な心理学者であるフロイトやアドラーが生まれたオーストリアでは、子供の8割が鬱的傾向にあると言う。
冬は午後3時に暗くなって気温も寒くなるので、それが原因で塞ぎ込んでしまう人が多いんだとか。

だからこそ、オーストリアで世界的な権威の心理学者たちが生まれたのかもしれない。

この気候の良さを体感すると、バレンシアでは心理学者は育たないだろうなと思ってしまう。

気候と幸福度は関係しているのかも

晴れの日が続くと気分も明るくなるのは、本当だった。
何しろ、初めての経験だったから。

バレンシアでは、Airbnbで契約した作業机付きの部屋でひたすら仕事すると決めていたし、実際に観光をほとんどせずに"暮らし"を優先した。

海外で引き篭もるのはメンタル的に耐えられるのか不安だったけど、落ち込むことも少なく、適度に人と関わる気力も保てたし良い経験ができたと思う。


スーパーへの買い物、ちょっとした休憩を兼ねての公園へ散歩など、外に出るだけで気分が晴れやかになったからだ。

朝は、子供から老夫婦までランニングや自転車で街中を走る。
昼は、家族連れで芝生の上でのんびりする。
夕方は、恋人同士で公園のベンチで夕日を見ながらおしゃべり。
夜は、スタジアムのサッカー観戦で見知らぬ者同士で喜び合う。

バレンシア市民を見ていると、本当にゆったり過ごしていて幸せそうだ。
晴れの日が多いバレンシアの気候が幸福度を高める、と思わず考えてしまうほど。

辛いことや悩みがあるときは、晴れの日に外へ出て気分を整える方法もあると気付いた。

「晴れ」を意識して生活に取り入れてみる

3月に日本に帰国して、成田空港に着いた瞬間からくしゃみが止まらなくなった。花粉症の時期だし、以前から発症していたから仕方ない。

でも、永遠に止まらない鼻水を気にしながら仕事をしていると、調子も狂った。気候とはちょっと違うけど花粉症もあるし、バレンシアと比べても寒いし、「日本の気候は嫌だな〜」と場所のせいにもしてしまう。

帰国して次の目標に向かう途中で、「成長できていないのでは?」と焦って気分も落ちていたのかもしれない。

だから、落ち込んだときは「晴れ」を意識して、太陽の下を歩いてみる。バレンシアにいたときのように。

雨男だから忘れがちだけど、意外と新たな発見があったり気分転換ができたりする。エネルギーがチャージできるのだ。

「晴れ」の日に散策して見つけた、地元の知らなかった景色。やっぱり新しい発見があった。

スペインから帰ってきても、成長が止まっているわけではない。スペインにいるだけで成長できるわけでもない。

バレンシアの「晴れ」に関する気付きのように、経験は場所に限らず生かすことができる。そんな感じで、これからも目的と目標に向かって淡々とやっていく。落ち込んだら晴れの日に外に出るだけだ。

雨男は卒業したので、これからも晴れの日が続くだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?