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息を吸って息を吐いて、ただそれだけで

呼吸を止めると、生きていられない。だから呼吸は大事。

そんなこと当たり前すぎる。でも私たちは陸上ではつい呼吸が浅くなってイライラしてしまいがちだ。
ただ呼吸を意識するだけで、陸上でリラックスできる機会はグッと増える。


私は水中の世界が好きだ。

水中に長く留まる手段として、ダイビングをする。
水中の美しさを伝える手段として、写真を撮る。

興味のない情報も、承認欲求にまみれた人の声も聞こえない。
聞こえる音は、自身の「呼吸の音」だけだ。

水中では陸上よりもリラックスできる。静かな環境のうえ、呼吸がより深くなるから。

タンクに入ったエアーは、もちろん有限だ。1回のダイビング時間は深さや海況にもよるが、およそ1時間弱。

出来るだけエアーの残量を持たせるためにも、私はゆっくり深く呼吸をするようにしている。
おかげでエアーの持ちは抜群に良くなり、常にリラックスして水中に留まれるようになった。

ダイビングにおいて、慌ててもリスクが増えるだけで良いことは一つもない。


水中世界に魅了される理由は、人それぞれだ。
写真を撮るため、お気に入りの生物を観る、タンクなしで我が身一つで潜るスリル。

私は水中で呼吸ができるだけで満足できる。
水中で噛みしめるように息を吸って、ブクブクと息を吐いているだけで、幸せを感じる。

海況によっては、濁って何も見えない海やお目当の大物が見つからずに何もいない海をひたすら泳ぐ、いわゆる「ハズレ」のダイブもある。

けど、私は毎回「あー今日も楽しい水中だった」と思うだけだ。
深く呼吸をするだけで、こんなにもリラックスできる効果があると実感している。


「一旦、深呼吸しよう」の効果は絶大だ。
水中で深く呼吸をする大事さに気が付いた私は、陸上で焦りやイライラを感じると呼吸法を意識するようにしている。

前職では上司との言い合いや会社組織への疑心から、イライラすることが多かった。
あるとき、何かと鋭い同じ部署の先輩が声を掛けてきた。

「いま、イラついてるでしょ?すぐわかるよ、呼吸が浅いからね。」
「呼吸を意識して深くしてみるといいよ。じゃあ頑張ってー。」

「え、相談乗ってくれるわけじゃないの...?」と思っていたが、「確かに水中でも深呼吸状態になっているから、いつもリラックスできているな」と気が付いた。


呼吸は大事。つまり、呼吸は人間の心理と深く繋がっているから、呼吸の方法を意識することで、落ち着いて対処できる。

実際に正しいのかわからない。
でも、水中でリラックスできる理由は、呼吸のおかげだと断言できる。

だから、何か問題が起きたら覚えておいてほしい。
ゆっくり、息を吸って息を吐く。ただそれだけでいいのだから。


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