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社内向けOKR勉強会で話したこと2020年1月版

話すことになった経緯

育休中にOKRとスクラムの推進体制が進んでいたが、どうやらOが乱立していて実質KRになっていた。改めてそれは何なのか、何のために設定していくのかを整理していくのが良かれと考えた筆者は、ミルク片手に数冊読み倒していたOKRとコーチングについての学びを社内に展開するのであった。

このnoteは社内勉強会での補助資料としてNotionにまとめたものの転載なので、読み物としては過不足があることをご容赦ください。
そして解釈の誤りなどあればぜひ教えてください。

はじめに

OKRによりカイゼンできること、ただの人の集まりではなくチームとして力を発揮していくことの強みとは何だろう?

OKRを設定する理由
・会社として今やるべきこと、向かうべき方向の目線を揃え、結果を出せるチームとしたい
・みんなが「良かれと思って」様々なラインを「ひとりで」維持していて、結果的に突破しきれていないことはないか
・誰かの頑張りを「それ何か意味あるの?」と思ってしまっていないか
・自分がだけが会社のことを考えている、と思い始めたら赤信号
・やらないことを決め、チームに頼り成果を出せるようになりたい

OKRとは

OKRの歴史、まずはこの辺を読むといいです。

OKR自体は2000年代初めにGoogleが導入することでIT業界でも広く使われるようになる。これ以前だとインテルでの事例が有名。

・・・と言いつつ、この辺りは追って読んでもらうとして、今日は結局OKRとは何なの?で、どうすればいいの?と言うところに時間を使っていきます。

具体的な話

O(目標)とKR(評価指標)

これらは査定に使う指標ではない。KRを達成できる範囲内に置いてしまう引力が働いてしま状態だと意味がないのです。

全社で設定するOは多くの場合、会社のミッションやビジョンになる

Oは、そうありたいと思える、ワクワクする姿。
・ここに定量値は設定しない。具体的な方法も書かない
・3ヶ月(四半期)で設定し、途中では変えない
・並行して、1年単位で設定するものもある
KRは、そうなっているならば当然実現できている要素。
・今度は逆に測定可能な定量値を設定する(定性でもダメではないが、結果判断しにくい)
・各KRは70%の確率で達成できうるものを置く
・そうなるとOは達成できなくてもいいんだっけ?となるが、100%の達成を目指すOも並行して置くことはある(会社として握る営業数字、サービスのリリースなど)

OKRの運用

月曜の方針検討、チェックイン

・OKR自信度の変動
・今週の優先事項

金曜の結果賞賛、ウィンセッション

・今週何をやってうまくいったか。商談でもデモでも。

毎週やることで、目標に引き戻す。OKRにない良かれが増え出すとマズい。元々設定していたものが達成できなくなるがそれでも本当にいいのか?は短期的に回していかないと積み上がる。

賞賛というと大げさだけど、KRを前に進めるために行った、アウトプットしたことは賞賛すべきことなのです。

進捗をどうやって確認していくのか

まずは一般的に進捗を見ていく場合のまとめ方から。

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上図の引用元/OKR クリスティーナ・ウォドキー , 二木 夢子他

6/10等と記載されているのは、そのKRを達成できる自信。設定当初は5/10-7/10程度から始まる。この数字を上下させる場合は何かしらが起こっているので特に議題に挙げる。

今週の優先事項は他の全てよりも優先する、今週に絶対やりきるアクション。これと今後4週間の動きがOKRに対し遠くなっていかないかは要注意。

日々日々のタスクについてはここでは確認しない。大枠としてうまくいっていれば特に触れず、気になる部分や懸念があれば相談。

健康・健全性については、OKR以外で定点観測すべきとチームが決めたポイント。開発チームであればコードの複雑性などでもいい。

チームの健康はチーム内コミュニケーションや雰囲気といった定性的なモノ、深夜残業が続いていないかなど。OKRだけを見ていてこの辺りをスルーするとチームの崩壊に気づけない。他、利害関係者を入れておくこともある。上記の例だと主要取引先が納入業者。うちならamazonレビューだったりBtoB導入先からの問い合わせ数だったりも。

確認することが多いな、となるが、逆にマネジメントレイヤーでは細かなタスクまでは確認しない。総論として目的に沿って動けているかを中心に確認するので、例えば15分などスタンドアップで見ていくなどが現実的。

もちろん事業P/Lに直接紐付く日々日々の売り上げについてはデイリーで。マズいのはいつの間にか増えていく良かれ仕事で本来たどり着きたいゴールが後回しになっていること。それをOKRの確認会で引き戻すんです。

うちの社内だったらどう組むの?

各組織のOKRはトップダウンで下ろすモノではないのです。ただ、それだと分からなすぎるので一旦書いたらこんな感じということでまとめました。Oは多くても2−3個に収めます。短期と中長期は分けることもありますが、その場合は中長期に対してこの3ヶ月はここまで行きたいというものを短期として設定します。

ここについては機密保持の観点でカット

代わりにこちら。

Oは特定の指標ではなくなりたい姿、と言うのをまず大事にすることです。Oに売り上げXXX万と書くのは違います。

OKR以外のことはやらないの?

OKRは達成する前提で、他のことをやるのは良いです。

OKRの達成をないがしろにしなければならないとしたら、何かしら設定が誤っています
・といいつつ、最初はみんな失敗します
新たに実行することがOKRの達成に近いのか、結構遠いのか(やった方がいい良かれなこと)を考えておく。
・組織健康など、直接的には紐付かないがチェック必須のモノは別に立てておくとよいです

良かれと思って各自がいろいろな活動を始めてくれることで、結果的に目指すべきことがないがしろになってはいけません。これもやった方がいいよね?を否定するのは難しい。これをやったら今のOは両立するの?Oが世に出るのは遅くならないの?など、相互に話し合えることが前に進んでいくためにも大事な関係性です。

余談/ティーチングとコーチング

個人レベルの進捗は1on1等で行いますが、その際の考え方を紹介します、

面談する上で、今どちらのつもりなのかは意識しています。自分は全ての領域の専門性を持つわけではないので、基本的にはコーチングのスタンスで臨むつもりです。

ティーチング
・相手が分からないことを伝える、指導するスタンス。プレイヤーとして具体的な業務をどう進めていくべきか伝えるだけでなく、組織として進んで欲しい方向性とのブレ修正も含まれる
・教える、と、教わるの関係性
・壁打ちしてブレストしたいような場合は比較的こちら
コーチング
・相手の中にある考え方を引き出す。相手の業務についてコーチングする側が必ずしも専門性がある必要はない。OKRについての1on1はこちらのスタンスで行われることが多い。
・自分の考え方に寄せたり、誘導したりするのはNG。それだとただマネージャーの考え方に対する答え合わせになってしまう。
・客観的な視点での後押し。ただ、新しい業務に着任したばかり等の相手に対して行ってしまうと個人を追い込んでしまう

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上図の引用元/株式会社 宙 ティーチングとコーチングの違い

・・・で、勉強会してみてどうだったか

OKRについて良く分からないうちに各自に設定させるのは無理があると考え、おおよその組み方とその時点で会社として各組織に期待することを伝えましたが、それでもまだどう組んだものかは結構悩んでいました。理想は完全ボトムアップですが、序盤は誰かしらがOKR大臣として(今回は自分)サポートするのが適切に思えます。

あと、良くあるのが上位組織のKRに1:1でOを紐付けようとしてしまうこと。営業目標を部や課に落としていくMBOならそうなるかなと思いますが、OKRであれば必ずしもそういう必要はない考えです。

上位組織の売り上げを上げるKRに対しCSやバックオフィスはどうすれば?と言った場合は間接貢献になり得るアクションの打席数を設定しておく等、目指したい状態(O)であれば当然こういうことをやっている(KR)よねと考えていくクセに慣れていくのが、徐々に組織としてもチームとしての課題を見ていく近道だと思います。

その他参考文献


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