見出し画像

高校生と話して思ったこと〜適性検査から見るやりたいことと得意なこと〜

広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院,代表の佐藤です.

 8月28日,0:00よりクラウドファンディングが公開されました.「高校生が通いたい学校を高校生自身が作る!〜新しい学校作り応援プロジェクト〜」です.
 これまで“出る杭”として打たれ続けてきたり,“杭”として見えることもなかった高校生が,自分たちの通いたい学校をルール作りから始めていきます.“出る杭を伸ばし,打ち込まれた杭を引き出す”ために,高校生と社会をつなぐ新しい学校,CAP高等学院を作ります.応援よろしくお願い致します!

公開中のクラウドファンディングはこちら↓
https://camp-fire.jp/projects/view/310836

今が一番楽しい仕事の仕方をしている

 まずは私の個人的な話をします.
 私は,学習塾の教室長→外資系生命保険会社の営業→冠婚葬祭の営業→学習塾の教室長→私立学校の教員→通信制高校サポート校・代表という職歴です.現在通信制高校サポート校の代表以外にも,小学生から高校生までのオンライン個人指導や教材会社の客員研究員をしているほか,10月からは渋谷区の区立中学の探究学習ファシリテーターもすることになりました.来年度は私立高校の非常勤講師の依頼も来ています.

 正直これまでの仕事は,どれもやりたいと思っていたかは正直疑問です.ただし,どれも嫌いな仕事ではありませんでした.大変できついと思うことはたくさんありましたが,結構楽しんでやってきたと思います.

 しかし,今が一番圧倒的に大変ですが,圧倒的に楽しめているように思います.自分がやりたいことをやれていて,仕事も好きだから選んでいる実感があります.まあ,52歳になってやっと気づいているような私ですから,なんの参考にもならないと思いますが...

好きで選んだ仕事をするということ

 教員をしている時,私自身,「これこそが私の天職かもしれない」と様々な場面で感じながら仕事をしていました.休みの日も予習用の授業動画を作成したり,自己研鑽も兼ねて教育系の勉強会だけでなくビジネスセミナーにも出かけました.授業後,経済ニュースメディア・NewsPicksのコンテンツ“WEEKLY OCHIAI”の番組観覧に六本木まで行き,放送終了後スタジオを飛び出し,夜行バスに乗り福島に戻り,翌日普通に授業するというかなり無謀なこともしていました.(今はスタジオ観覧がないのでできませんが...)
 平日と休日の区別もなく,生徒のためなのか自分のためなのかの区別がない状態で,教員として仕事をしてきました.おそらくほとんどの教員の方々も同じように過ごされているのではないかと思います.

 私が好きで選んだ仕事をするということはこういう感じなのですが,その一方で,何でもかんでも「生徒のために〜〜」みたいに言われるのは,かなり違和感がありました.特に管理職などから言われると,つい「これまで生徒のためにやっていなかったということですか?」と反論したくなる(というか反論してしまった)自分がいました.せっかく好きで選んだ仕事なのに,あたかもやっていないかのような前提で話をされると,そこは違うと思ってしまいました.

 学校の先生って,本当に真面目な方が多いので,「マジで!」と思うくらい働く人がいます.年5日くらいしか休まないで,明らかに体調が悪くなっている.医者から食べるものまで制限されながら,それでも休まない.ホント過労死レベルどころの騒ぎではなくなっています.

 そういう先生を見ると,「好きで選んだ仕事をしているのだから,いいんじゃない」とはなかなか言えません.

高校生のなりたい職業第1位は教師!

 リクルート進学総研第9回「高校生と保護者の進路に関する意識調査2019」調べによると,高校生のなりたい職業第1位は,“教師”です.正直結構驚いています.
https://shingakunet.com/journal/column/20200331000001/

 最近ではブラックな職業として取り上げられることが多くなっていますし,教員採用試験の倍率は,2013年度以降下がり続けていて,小学校においては1倍台という県すら出てきています.(速報で,2021年度教員採用試験において福島県の小学校受験倍率は1.8倍)

 教師になりたい理由を見てみますと,「先生たちが教えているのが楽しそう。生徒とふれあうのが好き」「あこがれの先生のように子どもと成長していける職業だから魅力を感じる」などかなり好感を持っているのが分かります.

 実際,毎週様々な学校の高校生と話をしている中でも,「将来教員になりたい」と言っている高校生は結構たくさんいます.そういう高校生と関わっている先生からすれば,それこそ教員冥利に尽きるのではないでしょうか?

ある高校生が受けた適性検査に対する感想

 先日,いつものように様々な高校生と話をしている中で,「学校で受けた適性診断の結果を見て少々悩んでいます.私は理系のコースにいるのですが,適性と判断された職業は,完全に文系寄りで私がこれまで全く想像したことのないものでした.12月には次年度のコースについて最終選択をしなければいけません.皆さんどうすればいいと思いますか?」という話が出てきました.
 すると,別の高校生も「私には一番縁遠いファッションコーディネーターに適性があると出て本気でびっくりした」という発言も出てきて,話は非常に盛り上がりました.

 もし皆さんがこの場にいたら,皆さんならどうアドバイスしますか?

 私は,しばらくその高校生が他の高校生や他の先生と話をするのを聞くことにしました.
 「自分のやりたいことを目指したほうがいいよ」とも「もしかしたら自分では気づいていないところに適性があるのかもしれないから,考え直してみるのみいいよ」みたいなことは,結構簡単に言えてしまう反面,高校生にとっては自分の突き進みたいと思っている道はすでに決まっていて,背中を押してくれる一言が欲しい場合もあると思ったので,どんなふうに考えているかもっと知りたいなと思いました.
 そんな感じでなんとなく話を聞きながら,一つ重要なポイントに気づきました.

出会っている大人の数の少なさ

 様々な会話の中で,「自分がいる今のコースの人たちは,ほとんど医者を希望しているので,自分も医者を目指すのが当たり前のことと思っていた」「すでに理系に進学することしか考えていなかったので,研究者の道しか考えていなかった」というコメントを聞いたときに,

「これまでいったいどれだけの大人と出会ってきたのだろうか?」

という疑問が,私の頭の中で改めて浮かんできました.

 毎週行われている様々な学校の高校生との対話に参加してくる高校生たちは,学校以外の先生と会える機会を非常に楽しみにしています.普段接している先生とは異なった意見の先生に出会えるのがとても刺激的だそうです.

 ということは,様々な学校の先生に限らず,もっと様々な分野の大人と出会う機会が増えれば,高校生たちの将来に対する選択の幅が広がるのではないか?と単純に考えることができます.

 高校生のなりたい職業も,普段学校が様々な大人と会える場を作ることで,多様化し,“教師”が1位から転落することも考えられます.

適性診断に関して私が伝えたこと

 私は,適性診断の結果に対して「適性診断に出てきた職業が,これから先にずっと存在するとは限らないから,別に今無理に決めなくてもいいんじゃないかな.たとえ文系でもこれから先は数理情報を扱えないビジネスマンは生きていけない時代になることは十分に考えられるし.自分がどうありたいかだけ考えて,今したいことをひたすらやる.もし,別なものが必要と感じたり,やりたいと思うことが出てきたら,その時にやればいいと思います.」と話しました.かなりポジショントークとは思いますが,ともすればこれから80年以上も生きることになる高校生に,将来のことを今決めるみたいなことは言えないと感じました.

ある高校生の言葉

 以前,ある高校生が,「先生に一番して欲しくないのは,僕が得意なことを好きなことと思い込み,得意なことを伸ばすように言ってくること.『今は苦手だけど,それでも好きで好きでたまらないことがある!』という僕の叫びが無視されると,その先生のことは信頼できない」と話してくれました.

 私たちが「生徒のために〜〜」と言っていることややっていることは果たして本当に正しいのか?そこも考えずに,学校側が「先生方は生徒のために尽力してください」ということは正しいのか?答えはないかもしれませんが,我々大人は改めて考える必要があるかもしれません.

最後に

 手前味噌にはなりますが,通信制高校サポート校・CAP高等学院は,高校卒業に必要な単位を最短・最適に取得し,そうして生まれた時間を,様々な大人と出会い,自分たちの本当にしたいことや「自分とは一体何者なのか?」を考え,活動する機会をカリキュラムに取り入れていきます.
 今回のクラウドファンディングでも,いくつかの企業が新しい学びの形に共感し,これまでの学校ではなかったようなワークショップの開催などにも協力していただけます.

ご質問等がございましたら,
info@caphighschool.com
まで,お問い合わせください.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?