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探究的な学びは本当に生徒さん自身の想いから生まれているものなんだろうか?

 通信制高校のサポート校・CAP高等学院を運営している佐藤裕幸です.高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し,新しい学びのインフラを構築することをミッションにサポート校を始めて1年になります.また,最近では「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」(https://business-book.jp/result)で総合グランプリを受賞した,『シン・ニホン』(安宅和人著)の認定公式アンバサダーをしていたり,教育系の出版社である増進堂・受験研究社の客員研究員をしています.4月からは私立高校の非常勤講師で現場にも復帰しました.

 普段の生活では,歩く機会が本当に減っています.iPhone のヘルスケアで1日の歩数を見ると,2,000~3,000歩程度をウロウロしていて,日常生活の中で意識的に体を動かさないと,明らかに運動不足になることは理解しています.
 そこで,夏休みの一つの課題として,「1週間で平均1万歩歩く」という目標を立てました.日ごろから「有酸素運動は嫌い!絶対にしない」と公言していたのに,思い切った方向転換です.
 2021年8月9日現在,2週間連続で平均1万歩を達成しました.その前の週も9千歩以上歩いているので,順調といえるでしょう.

 そして,散歩をしていると,これまで気づかなかったことに色々気づきます.
 先日,福島を流れる阿武隈川の支流を歩きました.その一つである荒川は,11年連続で水質日本一と評価されています.地元住民のボランティアなどで水質保全に地域一体となって尽力されています.流域にはフルーツラインもあり,様々な果物に自然の恵みを提供している川でもあります.

 一方,この荒川沿いを歩きながら福島駅に近づいていくと,福島駅にもそれほどアクセスが悪くないアパートやマンションの空き室が目に留まります.
 どちらかというとファミリー向けの方が空いているようで,学生さんなどのひとり暮らし向きのところはそうでもない気がします.

 昨年8月31日,福島市にあった唯一の百貨店“中合”が閉店しました.駅前の繁華街は,チェーン店系の居酒屋さんが目立ち,平日・日中の人通りはお世辞にも多いとは言えません.そして最近では,コロナ禍ということもあり,益々日中の人通りは減っています.

 東日本大震災から10年が過ぎて,だいぶ復興してきているとは言え,福島から離れてしまった人はなかなか戻ってきません.福島には確実に人口減少という問題が大きくなってきています.
 しかし,僕も散歩をしてじっくり歩いてみなければ気づいていないかもしれません.

 最近学校での学びの中に,「探究学習」や「PBL」というものが取り入れられています.「答えのない問い」に向き合い,自分なりの解決法などを探していくものです.
 そのような学びの中で,中高生がふとした日常の中から課題に気づき,自分ごととして取り組んでくれれば,いいなぁと感じています.流行りだからという理由でSDGsに取り組まされるより,よほど本気になるのでは?とも考えてしまいます.日常の中に常に何かしらの疑問を見出すためには,結構な観察力も要求されます.

 しかしながら,そういう思いももしかしたら大人が作ってしまった課題を若者に押し付けているに過ぎないのかもしれません.または,そういう気づきを持つ中高生を勝手に理想としているのかもしれません.

 我々大人は,自分たちが本来解決すべきだった課題を棚上げし,課題解決の力などと称して,次世代に丸投げしていないか?せめて自分たちが解決できる問題は自分たちの力で解決し,「残すに値する未来」の先を若者たちが妄想して行動できるようにだけはしておきたいものです.

 そのためには,大人自身も「探究的な学び」を追求し続けたいものです.

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