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演奏前に緊張するピアニスト|アラン「幸福論」(6)

こんばんは📚

 今回も引き続きアランの幸福論の解説です。

 表題の事例は、アランが「不安」の状態を比喩したものです。演奏前、舞台裏でピアニストは緊張してあれこれと思案しています。いろいろなケースを想像してしまうのですが、いざ本番が始まり演奏を始めると、不安を考える暇もなく演奏に集中できると言います。

行動している状態=幸福

 アランの幸福論は、「行動」の幸福論です。第一回の記事に示したように、行動することで不安を払拭せよ、つまり幸福は、行動している状態のことなのです。
 何かを克服したら得られる「終着点」なのではありません。その行動状態なのです。

 

案ずるより産むがやすし

人が情念から解放されるのは、思考の働きによってではなく、体の運動によってである。
「幸福論」(アラン)

 前回出てきた「情念」が引き起こす不幸状態を逃れるためには、あれこれと思案することではなく、体で具体的な運動を起こすことだ、と述べています。

 これは勇気を与えてくれる言葉ですね。情念が引き起こす想像力というものが負のスパイラルのように不安を煽りたてる状況、現代社会でもよくあります。

 その日起こった仕事での嫌なことを悶々と考え寝付きの悪い夜を過ごします。しかし次の日、また会社に行って仕事でそれに対処することで具体的に物事が進展し、不安も払拭されていきます。

 案ずるより産むがやすし!

ではまた!

(参考)アラン 幸福論 NHK「100分de名著」ブックス Kindle版

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