見出し画像

所詮、世の中イメージさ。だからこそ、の話

すっかり秋めいて涼しくなりましたね。とりあえずマスクをしていても検温で引っ掛からなくなったのが嬉しい。あれちょっと焦るし場に変な緊張感が走る。俺は無実だ!的な。平熱高い人あるあるでした。

さて、”洋服の値段”について深く考えたことはあるでしょうか。

例えばそれなりの値段だったとして、お店の人に聞いたら「素材が良いので…」とか「手仕事なので…」といった答えが出てくるでしょう。もちろんそれも間違いではなくて、良い素材や職人の仕事には対価があってしかるべきだし、実際に肌触りや着心地が良いものには相応の価値があります。

でも、洋服の値段はそういったベーシックな部分より、別の要素の方が大きい。

我々は、イメージに対してお金を払っているんです。

いわゆるハイブランドは皆高いですよね。
当然素材も良いものを使っているし専属の職人が担当していたりしますが、あの値段は「ここのブランドを持てる人」というイメージを借りるための肖像権みたいなものです。

証拠に「ハイブランドの下請け工場」とか「同じ生地」という触れ込みのブランドやアイテムは半分以下の値段で買えたりする。要は看板代ということですよね。

Appleだって「カフェでMacで仕事してる人はオシャレ」「iPhone持ってる人は先進的」みたいなイメージで一般に浸透したようなものでしょう。元々高価でエンジニアとかデザイナーとかしか使ってなかったんだし。使い勝手ならWindowsの方がいい気もするし。Macユーザーだけども。
 

所詮、世の中はイメージで動いてます。
最近はその傾向がより強くなった。
本当の価値なんてほとんどの人は考えてない。
個人的には味気ない時代だなと思います。

 
でも、これはそんなのバカらしいから無視無視!という逆張りの話ではありません。

その効果を利用して元が取れるなら、むしろ積極的に使うべきです。もっとそういう計算をしましょう。

 
悲しいかな、我々は相手の身なりで色々と判断してしまいます。家族や友達なら中身の良さを知っているだろうけど、ほとんどの人はあなたのことなんて知らないのです。どんな格好をするかは自由ですが、例えば家のドアの外に立っていたのがボロボロの服の人とスーツを着込んだ人なのとでは警戒感が違うでしょう?今だと逆にスーツの方が怪しいケースもあるかも知れませんがちょっと置いときます。

信用ってお金だけでは買えませんよね。
コツコツ長く続ける、発信する、言行が一致していると認めてもらう。そのためにはそれなりの時間が掛かります。

認められているブランドは、その長い時間を積み重ねて積み重ねて、信用と信頼を得るに至っている。それを身に付けるということは、ブランドに賛同したという証を金銭で支払い、代わりに信用と信頼の一部を貸してもらうという等価交換になっているわけです。鋼の錬金術師を浮かべた人、握手しましょう。

だから詐欺師とかマルチな人たちはハイブランドを纏うわけです。自分に信用力とか本当の価値がないと分かってるから外から借りてくるしかない。当然認められませんけど、そこはちゃんと計算が出来てるんですよね。
 

SNSやオンラインコミニュケーションの発達によって、イメージの左右する割合がもの凄く大きい社会になってしまった。イメージだけの権化みたいなインフルエンサーという職業が成立していることがその証左でしょう。もちろんちゃんとした人もいるのは分かってますけど。

でも、好むと好まざると、そうなってしまった以上はそれに適応するべき。柔軟に対応した方がいいというのが僕の考えです。そして、ちゃんと真面目にビジネスに取り組んでいる人、志を持っている人にこそイメージの大事さを真剣に考えてもらいたいと思っている。

ストイックな人、利他的な人ほど、ボロは着てても心は錦的な発想だったりするんですよ、スタイリストとしての経験上。中身が良ければ、外見で売ってるわけじゃないし、、みたいな。

だけれど何でもパッケージがオシャレな方が売れるわけでしょう?リモデルしなくていいのはよっぽどの老舗で変わらないことが価値になってるとこぐらいです。

別に外見が売りでなくても当社比で良い方がプラスに決まってます。人だってそう。ハイブランドでなくても質の良いものを着て、価値を正しく伝えられる、イメージを高められるような服装をするべきでしょう。

 
当然、ダメな使い方もあります。
それは本人と身に付けているものが釣り合っていないとき。まさに先述した詐欺師とかマルチな人たちのことです。ブランドの価値の方が大幅に上回ってしまって「着られている」状態。これ見よがしに見せつけたりするのは普通の感覚で品がないと思いますよね。

別にブランドを纏わなくっても十分に「その人」に魅力がある。だけどその魅力をより具現化して見せるために効果的だから、纏う。

ほんとうに良い服を必要としている人は、そういう人たちなんです。その人自身の魅力や素晴らしさを世間に知ってもらう、外見を通して伝えるためのツールのひとつとしての「服」。

 
洋服は今後、より”記号”、”信号”としての意味合いが強くなっていきます。

今や何かの作品が公開された瞬間に、着ている服がどこのでどこで売られていてというのがアップされる時代。着ているものやブランドで意図や属性をイメージされたり裏読みされてしまう。

着ている服によって、何かの信号を発信していることになる。

間違った信号=イメージを発信しないためにもスタイリングや服選びには注意を払ってほしい思うし、それが当たり前になっていくと確信しています。ニューノーマルの時代では直接会わない・WEBだけでのコミュニケーションも増えるので、余計に切り取られやすくなることも頭に入れておく必要がありますね。

 
イメージの話で言うと、”きっとブランドの本意ではないんだろうな”という方々の間で人気になってしまって変な属性が付いてしまったのを見ると残念な気持ちになることがあります。某トゲトゲのブランド、お察しします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーオフシャルサイトはこちらー
個人の方のスタイリングから、企業丸ごとファッション改革、パリテイストのプロデュースまで幅広く請け負っております。

−ここだけの話が聞ける、ファッションのお役立ちメルマガ配信中です−
 
「読むだけでお洒落になるメルマガ」ご登録はこちらから。
https://www.reservestock.jp/subscribe/82327




サポート頂いた資金は、脳に栄養を与え、より良い内容をお届けするためのスイーツ代に充てさせて頂きます。