地政学入門#11 インド

<講義からの学び>
①インドの地政学的特徴:
半島国家だが、ヒマラヤ山脈とチベット高原に守られて他国から攻めにくい。北の方に山を越えて流入してきたイスラム教徒(インド全体の1割程度)、その他の地方に主にヒンズー教徒が住む。
②インドの植民地化:
最初はイギリス東インド会社が綿布を求めて来航。その後、イギリス産業革命の結果、機械製綿布の流入で国内産業が衰退。イギリスに主導権を奪われて植民地化が進んだ。
③インド独立への流れ:
第二次世界大戦においてインド国民軍は日本軍と結び英に対抗。日本軍は英領ビルマを開放するがインパール作戦で英軍に大敗(家畜を連れてチベット高原を超えようとした。結果、餓死者が大量に発生)。第二次世界大戦後に開かれた国民軍兵士の裁判に反発、反英運動が高まり、インド独立承認につながる。インド北部(イスラム教徒が多く住んでいた地域)がパキスタンとして分離独立。
④米ソ冷戦期⇒冷戦終結前後:
パキスタンとインドは犬猿の仲。ソ連に隣接するパキスタンは米に接近。インドは中ソに接近。その後、毛沢東のチベット併合、中印国境紛争(中国がマクマホンラインを越えて南下)により中印対立が激化。インドは核武装に踏み切る。パキスタンは中国に接近。ソ連のアフガン侵攻に対し米はパキスタンを通じてアフガンゲリラを支援。パキスタン軍部内にもイスラム過激派が浸透。インドの核実験再開と同時にパキスタンも核武装する。
⑤インド経済の大躍進:
国民会議派のシン首相(インドの鄧小平)のもとで市場経済導入、大きな経済成長を遂げる一方、貧富の格差が拡大。ムンバイの同時テロ事件を機に宗教対立が再燃。軍事演習等で日米に接近する一方、上海条約機構への正式加盟で中国にも接近するなど、バランス外交を行っているのが現在のインド。

<私の気づき>
・一党独裁でない分、中国に比較して経済成長は鈍いかもしれないが、ピラミッド型の人口分布、人口規模、国土の広大さなどを考えると将来性は計り知れない国だと感じる。インド出身のCEOの活躍も目立つし、これからインド、あるいはインド人の活躍に注目したい。日米に接近する一方で中国にも接近するバランス外交を展開するなど、狡猾さも併せ持っている国であるという印象を持った。これからの日本は印中との関係が非常に重要だと思う。

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