地政学入門#7 EUとイギリス

<講義からの学び>
①イギリスと欧州大陸との関係:
イギリスは典型的なシーパワー国家。ドーバー海峡によって侵攻を阻止できた(100万の兵士に相当)。余った兵力を使うことで海外展開(植民地拡大)が可能だった。実際に積極的に植民地拡大を行ったのは欧州大陸で各国がもめているとき。英国の外交方針は欧州大陸における最大の攻撃的で支配的な強国に対抗すること(⇒欧州大陸が統一されてしまったら次は英国が狙われるから):沖合からバランスを取る(オフショア・バランシング)。
②ヨーロッパの覇権国家の変遷(オフショア・バランシングの対象国):
スペイン(無敵艦隊)⇒フランス(ナポレオン)⇒ドイツ(ヒトラー)
③ロシアとのGreat Game:
英領植民地を脅かすロシアを英国は徹底的に封じ込めた(地中海侵攻阻止:クリミア戦争、インド侵攻阻止:第二次アフガン戦争、中国、アジア侵攻阻止:日英同盟と日露戦争)。
④第二次大戦後のイギリス:
第二次大戦でイギリスは疲弊。植民地の独立を許す。東欧(共産主義国家)はワルシャワ条約機構、西欧+イギリス(資本主義国家)はNATOで対抗する構図。
⑤EC、EUの結成:
ソ連の崩壊、東西ドイツ統合の後、マーケットを求めて欧州は市場統合(EC)⇒通貨統合(EU)を果たす。加盟国の国家主権を制限することで統一ドイツの強大化をけん制する狙いがあった(結果的にドイツはEU加盟国の中で最も発言力のある国に)。英国はEU加盟後も通貨発行権(自国通貨ポンド)を死守。
⑥Brexit:
工業国ドイツはEUに属するメリットを最大限享受(ドイツの信用が上がってもEU全体の信用が上がらなければユーロ高にならない。移民受け入れも安い労働力確保に寄与)。それに対しイギリスは大きな輸出産業を失っているため、EU加盟(ユーロ安、移民受け入れ)のメリットは小さい。ドイツからの負担増要求に対抗するための交渉材料として実施した国民投票の結果、予想に反してEU離脱派が僅差で勝利。今後、輸出品があって残留派が多数のコットランド(スコッチウイスキー)や北アイルランドの分離独立問題が勃発する可能性を秘めている。

<私の気づき>
・産業革命前後には繁栄を極めたイギリスも、第二次世界大戦を経て非常に苦労していることが理解できた。その背景として新しい輸出産業が育たなかったことが要因の一つだと思った。Brexitの結果イギリスがどうなっていくのか、具体的には米英FTA、TPPなどによって日米などとシーパワー同盟を結び、EUというランドパワーに対抗することを目指すのか、この先数年のイギリスの動向から目が離せない。

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令和の時代は意識高い系である事を意識して生きたいです。現在はIT×英語×経済×教養を中心に学び中。アドラー心理学の目的論の考え方が好きです。

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