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探していたものは、江戸時代にありました。

2020年初の商品リリース案内です。

久々のnoteは2020年2月12日20:00より販売受付を開始する新製品のキテテコのご紹介。

僕たちはいったい、日本のどれだけの事を知っているだろうか?

僕は日本の群馬県というところに生まれた。日本で生まれ育ち、日本語を話し、日本語で思考している。

小学生高学年で親戚のおじさんの家にあったレコードをもらったことでビートルズに出会い、60’sの音楽を知ることになり、そうなるとどうしても同時代のJ-POPにコネクトすることができず、TVにもあまり興味が持てず、週明け友達と話すネタもないまま学校に行くようになり、友達よりも欧米の音楽に没頭するようになってしまった。こじらせてましたね。

その文化の中で教えてもらったことはたくさんあり、この文脈がいまの自分を作っているし、それでいいと思っていたのですが、30代も半ばを過ぎてきて、ふと日本のことに目を向ける機会が増えてきたような気がしています。

僕の場合はアメリカのヒッピーカルチャーが東洋文化に接触していたという事実から鈴木大拙鈴木俊隆を知り、50s〜60sのアメリカの文化から逆流するかたちで日本の文化に興味をもったんですよね。

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そういうタイミングで
「あれ、そういえば、全然日本のこと知らない…」
と思い、俄然興味と関心が湧いてきました。

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ちょうどオールユアーズをはじめたくらいから徐々に。

そんな感じで過ごしている間に、製品開発している共同創業者の原さんが「キテテコ」なるものを開発してきました。

それが今から3年前、2017年のことでした。

江戸時代から伝わる、生活の知恵。

エアコンも、扇風機もない江戸時代。
暑い夏を、僕らの先祖はどんなふうに過ごしていたのでしょうか?

うちわ、扇子みたいなものから、打ち水の気化熱で温度を下げたり、すだれを使って日差しを遮ったり。

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また風鈴の音で涼しさを感じたり。
ぼくが驚いたのは、滝の絵を掛け軸で飾り、見立てで涼をとるという方法。

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歌川広重「日光山華厳ノ滝」「日光山霧降ノ滝」「日光山裏見ノ滝」
太田記念美術館蔵
 

やはり、昔の人も日本の夏は暑かったのでしょう。実に様々な方法で涼しさを感じる工夫をしていたみたいですね。

「見立て」で涼しさを感じていく日本人の創造性には本当に驚くし、自分たちが失ってしまった感性を感じます。さまざまなものが欧米化された日本で生まれ育った僕らが便利さの裏側で失ってしまったものがあるとすれば、そういった感性の部分で、こういうのを豊かさと言うのかもしれません。

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日本のいろいろな文化や風習に触れていくと、自分の生まれた国からカルチャーショックを受けるという、不思議な体験をしています。特に2019年は全国を巡ってツアーをしていたので、各土地で様々な固有の文化を目の当たりにしました。

日本のことでさえ、僕たちはあまりにも知らなすぎる!

二百三十年前、時は天明、近江高島より参りました。

2017年に原さんが開発した「キテテコ」

この商品の原型は230年くらい前、滋賀県高島で生まれました。

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琵琶湖の左上の地域で作られています!

この素材は古くから『高島ちぢみ』と呼ばれ、江戸時代からその地の農家の冬の副収入として作られ、近江商人たちの営業力によって京都や大阪の問屋へ流通していきました。

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ヨーロッパではモーツァルトが『フィガロの結婚』を作曲し、フランス革命によってヨーロッパの封建社会が徐々に崩れ出し、日本では田沼意次が失脚し、伊能忠敬がその測量技術によって日本のディテールを掴もうとしていた。そんな時代に高島ちぢみは生まれたのです。

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めちゃくちゃロマンチックな時代だな…

歴史を持った高島ちぢみ。長い時間を経て、この2020年まで現存して、僕らの「キテテコ」になっているわけなのですが、残ってるものって、やはり理由がある。

江戸時代の機能素材。

「キテテコ=高島ちぢみ」は現代のようにテクノロジーがない時代に、高温多湿な日本の夏を快適に過ごすため、衣服の中の汗や湿気を素早く吸収・発散させ、不快なムレやベタつきを抑える工夫がされた、先人たちの知恵と工夫だけで出来上がった、暑い夏を快適に過ごすための技術。

そう、「キテテコ」は江戸時代に作り出された機能素材なのです。

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僕らは「着ていることすら忘れてしまう」服をめざして、日夜いろいろなファブリックを開発しているのですが、実はここには盲点がある。

「新しい」や「最新」という事に囚われてしまうと見落としてしまうことがある。という事をキテテコは教えてくれる。

僕らが多用するポリエステルなどの糸は科学の恩恵で多用途に様々な機能や色が落ちにくかったり、素晴らしいストレッチ性を生地に与えてくれはするが、必ずしも万能ではない。特にTシャツなど、上半身の肌に直接触れるものは、天然素材がやっぱり気持ちがいい。

ポリエステルはどうしても、肌馴染みが良いわけではないし、糸の性質上匂いを吸収しやすい(運動部に所属していたらわかると思うが、Tシャツや靴下の汗の匂いが取れないのはポリエステルの糸の特性)ため、日常着として考えると、コットンという選択肢は非常に有効だ。

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そして、Tシャツという服は主にアメリカで発達したもので、雨が少なく湿度が低い地域で作られたもの。そもそも日本の気候風土に適していない素材感のものも多い。

このTシャツというアメリカの文化から生み落とされた服を、日本の風土に合わせて考えられた素材とハイブリッドさせて、アジアの気候にチューニングしたプロダクトがキテテコなんです。

Standing on  shoulders of Giants.

これはオールユアーズ的「温故知新」。
新しいものが全て良いわけではなく、歴史に敬意を払うことによって知ることができる側面がある。

先人という巨人たちの肩の上に立っている。
ぼくらは連綿と続く人類のチェーンの上に生きていて、先人たちの血と汗と努力が生み出した知恵を継承しながら生きているんですよね。
従来は和服や下着に使用されていた生地なのですが、年々従来の用途では需要が落ち込んでいく中で、その技術を応用してTシャツにしたもの。
それが「キテテコ」というプロダクトなのです。

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もちろん高島の産地も時代に合わせて設備は進化はしていますが、このような工夫が昔から受け継がれていることに深い敬意を感じます。

どうしても国内生産が減少していく中で操業している工場もピークから相当少なくなっている。ちょっとでもこの文脈に興味がある人たちに着ていただけたら本当にうれしいです。

キテテコのつくりかた。

それで、今回リリースするキテテコの詳しい説明を。

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ここからは、最初にキテテコをリリースした際のクラファンからの転載です。ちょっとだけ構成と加筆修正しています。

滋賀県高島市で発達した技術によって、キテテコは5つの特長が生まれます。

①肌への密着が少ない 
凸凹している生地表面により、肌への接地面積が少なくなります。汗をかいたときに肌にTシャツがへばりつくことが少なくなります。

②汗を良く吸う、素早く乾く
 
生地の凸凹が汗を良く吸い、隙間を作って織った生地が、通気性を確保し、素早く乾くため、カラッとした快適な着心地を生みだします。

③ストレッチ性 

特殊な加工がされた糸と生みだされた凸凹が、あなたの動きを制限しない、天然のストレッチ性を生みだします。

④型崩れしにくい 

自らを元の状態に戻そうとする力を作り出すため、家庭洗濯後にねじれたり、よじれたりすることが少ないです。

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その技術はざっくりいうと3つの要素から構成されます。

その①生地に使う糸を極限までねじる=撚る

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カラっとした着心地・触り心地とストレッチ性を作り出すために、糸を通常の約2倍強くねじります。従来の高島ちぢみは通常生地の1.5倍。キテテコの生地はそれを上回る2倍ねじられています。

そうすることによって、糸自体にタオルを固く絞ったときのような締まりが生まれます。それで独特の「シャリッ」としたタッチ感が生まれ、Tシャツにしたときの独特のカラッとした肌ざわりに影響します。

しかも、タオルをねじったときのように、ねじった逆方向に糸は戻ろうとします。
それがこのTシャツの気持ちの良いストレッチ性を生み出すのです。

でも、糸は固く作るのですが生地は柔らかく作るため、製品それ自体が固くなることはありません。

なんとも不思議な製法です。

誰が通常の2倍も糸をねじろうとしたのでしょうか?
技術が未熟だった江戸時代に頭がねじ切れるまで考えた工夫だったのでしょう。

そのような素材が、化学繊維やエアコン、ましてや扇風機すらない時代、先人の知恵と工夫だけで作られていたのです。

その②生地にすき間を与えて織る。

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風通しをよくするために、糸と糸の間隔を広げて織ります。

この製法で先ほどの糸を生地にしていくのですが、固く絞るように作った糸を、あえて間隔を広げて生地に仕立てることによって、生地が柔らく、かつしなやかに仕上がるのです。

この製法のおかげで風通しの良い、着ていて気持ちの良いTシャツが出来上がるのです。

その③生地の表面に凸凹をつくる。

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水を通し、熱を加えることで、生地を一気に縮めて、凸凹を作ります。まるでその仕上がりは湯葉のようですね。

この工程で生まれる生地表面の凸凹が肌への密着を少なくし、カラッとした肌ごこちを生み出すのです。

「強く撚る」「隙間をあけて織る」「熱を加えて凸凹を作る」この工程が、夏の特性を機能を生み出します。これがキテテコの製法です。

#キテテコ

もしこの文脈に興味があれば、ぜひ手に取っていただきたい製品です。昔の技術で作られたキテテコの物語をみんなで共有して、新しい物語を一緒に作っていきませんか?

#キテテコ のハッシュタグを使って、ぜひ各SNSで共有していただけると、これほど嬉しいことはありません。

さあ、みなさまご一緒に。


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