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6回転職して天職に辿り着いた男の経歴(ベンチャー企業勤務 38歳)

プロフィール

平野 卓也
1986年生まれ 千葉県出身
株式会社GOALD JAPAN|メーカー事業責任者

経歴

1. millbon
2. Allergan Japan株
3. LVMH MHD Moët Hennessy Diagio
4. 独立
5. Pierre Fabre dermo cosmetics Japon
6. OCEAN TRICO
7. GOALD JAPAN

これまでのキャリア

ヘアセット・美容室・美容師さんが好き、美容業界で給与水準が高いという理由で『株式会社ミルボン』に新卒入社。営業職は世間一般でイメージされる営業マンと、既存店を中心に営業活動を行うインストラクターの2つがあり、私は後者に就きました。自社商品を取り扱っている美容室に対して、年間計画をサロンオーナーと一緒に立てたり、自身が講師となり営業前後の時間に講習活動を行うことが主な仕事でした。下記は、入社した年にローンチされたヘアケアブランド「オージュア」。今では大人気のオージュアですが、当時は取扱店舗がほとんどなくて、毎日営業の先輩方と一緒にオージュアの講習をしていました。「モノを売るな。コンセプトを売れ」という会社の行動指針のもと、商品を売り込むのではなく、美容師への教育活動を通じてサロンの課題を解決をしていくミルボンの考え方今の仕事にとても活かされています。それから社内にはプロ意識の高い先輩が数多く在籍していて、当時諸先輩方から指導頂いたことが今この年齢になって腹落ちすることが本当にたくさんあったり、チーム一丸となって大きな結果を出した経験は今の仕事にも非常に生きています。

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株式会社ミルボン
https://www.milbon.co.jp

その後、営業としてのキャリアを進みたいと考えるようになり、転職を決意。素敵なエージェントさんとの出会いがあり、アメリカの製薬会社『Allergan』、ルイヴィトンで知られるフランスの企業『LVMH Moët Hennessy Louis Vuittorn Group』(所属は洋酒の部門「MHD」でした)で働きました。

この間、ラッキーなことに、日本法人の立上、新規営業、営業企画、マーケティングなど、大手グローバル企業でありながらスタートアップのような経環境で仕事をさせて頂くことができたり、世界的な大企業の歴史や文化や仕組、制度、教育、キャリアパスなど、多くのことを学びながら、横断的にさまざまな業務に携わることができました。その後の会社も含めると、社会人の半分くらいは外資系企業で働くことになります。

⚫︎Allergan
https://www.allergan.com

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↑ Allergan日本支社のオフィス(ちなみに場所は恵比寿ガーデンプレイス35Fで最高のロケーション。ただ、残念なことに関西や九州担当だったので、来たのは数回しかありません)

⚫︎LVMH Moët Hennessy Louis Vuittorn
https://www.lvmh.com

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↑ LVMH GROUPの傘下ブランドマップ。実は、有名なハイブランドの多くはこのグループの傘下だったりします。

さらにその後、独立チャレンジして、友人とコンサルティング会社を設立(起業)しました。が、見事に失敗しました。ビジネスを0から生み出す難しさはもちろんのこと、会社のバッチの無い自分が、いかに社会的価値が低いか身をもって経験しました。

しかし、この時に迷惑を承知で数千件の営業電話をかけて、アポをもらい(アポが取れるのは1/200くらいの確率)、訪問されてもほとんど門前払いをされたことや、商談ロープレの録画とか検証をしたこと(悔しくて泣いたのはここだけの話)、一緒に会社を作った友人と笑あり涙ありの毎日過ごしたあの日々は今思い返すと良い思い出です。

今考えれば、よく分からん会社からの営業電話なんて、掛けられた方は迷惑もいいところ。ただ、その中には親身に話を聞いて下さったり、アドバイスを下さった社長もいました。それまでの自分は、どうしたら契約が取れるか、お金が貰えるか、ということばかり考えていましたが、素晴らしい経営者の方々との出会いにより、どうしたらこの方の役に立てるのか、この会社の課題は何か、どうしたら課題を解決できるのか、と考えるようになりました。

そんな中、1人の経営者の方との出会いがありました。最初は話だけなら、ということで訪問させて頂き、一通り自社のサービスを説明しました。しかしあまり関心を示されませんでした。今回もダメか、、と思ったのですが、この会社、お世辞にも商売繁盛している会社には見えなかったので開き直って「社長の悩みとか経営課題ってなんですか?」と率直にお聞きしたところ、実は集客が…売上が…従業員が…など、色々とお話して下さりました。「じゃあ私がその解決策を考えてお持ちしますのでまたお時間をいただけませんか?」とお願いしたところ、了承してくれました。その後、数回のMTGを経て、私の対応や提案内容をご評価頂き「これからもサポートして欲しい」と言っていただくことができました。この時、報酬の◯◯万円を振り込んで頂いたこの日のことは昨日のことのように覚えていて、嬉しさと安堵で、今まで出したことない音量で、よっしゃぁぁああ!と叫んで、心底嬉しかった記憶があります。

こうして曲がりなりにも起業した経験を通じて、商品やサービスづくり、企画、値決め、集客など、ビジネスの本質に触れることができ、仕事をする上での自分の特徴や得意なことを自覚するきっかけとなりました。何より自分の実力を知ることができ、自分でゼロから作ったものを売る経験ができたことは大きな財産となりました。この社長の他にも小さな仕事をいくつか頂くことができ、なんとか生活できるまでになりました。

一方でやっぱり自分は「美容室・美容師と仕事がしたい」という想いが強くなっていることに気がつきました。

そんな中、いろいろなご縁と日本法人ができたばかりのフランスの大手製薬会社(日本だとアベンヌという化粧品で有名)『Pierre Fabre Group』の美容室向け商品の部門へ就職しました。

まず、再就職して感動したことは、オフィスがあること。それに大きなコピー機や高性能のノートパソコン。一番は毎月決まった日にお給料が貰えること。とにかく会社に雇用してもらう事のありがたみを実感し、これまでの経験を活かしつつも、一からやり直すことを決意しました。

実際に働いてみると、社会人の土台をつくってくれた大好きな美容業界、そして美容室・美容師さんとの仕事は楽しく、自身の趣向にもあっていて、おまけにこれまでの経験が面白いように活かされました。お客様や上司から感謝され、立ち上がったばかりの会社と共にスピーディーに自分も成長していく実感、フランスへの出張や英語でのコミュニケーション(主にボディランゲージ)、経験豊富な上司、多国籍なメンバーに囲まれた面倒くさくも楽しい人間関係。そして何より、自然(Nature)と従業員を大切にする『Pierre Fabre』の企業文化が大好きでした("サスティナビリティ"というものを創業から大切にしている)。もう一度働きたいと心から思える会社です。

Pierre Fabre
https://www.pierre-fabre.com

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↑ Pierre Fabre本社(フランス, トゥールーズ)
実際に現地も行きましたが、スケールの大きさに空いた口が塞がりませんでした。雇用拡大のために本社をど田舎に建造して、従業員のために鉄道をつくったり、本社建造の際に伐採した植物は別の場所に植え替えた話が現地では有名だったりします。

順調だった再就職ですが、またしても転機を迎えます。学生時代から僕のヘアカットを担当してくれていたカリスマ美容師の中村トメ吉(現GOALD JAPAN代表取締役社長)からの誘いにより退社を決意。そして、若い男子に大人気のヘアスタイリングブランド『OCEAN TRICO』のプロダクトマネージャーをすることになりました。

ここでもラッキーなことに、中村や高木琢也さんをはじめとしたカリスマと呼ばれる美容師、優秀な企業経営者の方々、さまざまな業界で活躍する同生代のコンサルタントやクリエイター、デザイナーの方々とともに働くことができたこと、プロダクトをゼロからつくる経験、SNSを思いっきり活用したマーケティングやブランディング、10代〜20代前半の男の子の価値観を学ぶことができました(2023年11月時点で累計1000万個を超えるブランドに成長)。

この過程に関われたこと、師と呼べる方との出会い、素敵なクライアントの皆さま、そして最高のチームで、最高の経験をすることができました。
また、プロマネ業務の傍ら、創業社長とともに、100人を超える従業員の教育やマネジメント、組織作り、経営計画の立案に携わり、ベンチャーのシード期というものを体験するこができました。

⚫︎OCEAN TRICO
https://oceantrico.com

⚫︎OCEAN TOKYO
https://www.oceantokyo.com

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そして2020年11月、現職の社長である中村トメ吉が新たに立ち上げた株式会社GOALD JAPANのゼネラルマネージャーに就任しました。

現在は中村とともに、メンズ美容室GOALD(6店舗)の経営を軸に、FC事業(4店舗)、教育事業、メーカー事業を立上げ、数年後のIPOを目指しています。

美容室事業はOPENから順調に売上が伸長し、一年足らずで多くの美容師さんや美容学生からも応募を頂くサロンに急成長しました(オープニングスタッフは200名以上の応募があり、2021の新卒は240名の応募を頂く)。

また、美容師がプロレスのリングに立ったり、バンドとしてメジャーデビューするなど、奇想天外な取り組みで、僭越ながら今最も美容業界で注目されているサロンの一つにまで成長しました。一見ふざけているように見えるかもしれませんが「美容師・美容室として価値がある」ことを大前提におき、技術と接客、月並みですが「顧客満足度」をなによりも大切にしています。おかげさまで、ホットペッパーの口コミ点数は業界でもトップクラスの水準を維持しており、技術・接客、顧客満足度はどのサロンにも負けていないと自負しています。

私が責任者を務めるメーカー事業に関しては、中野製薬様とのコラボレーションを実現し、2021年のマス向けのヘアワックス販売からスタートし、2022年7月にはプロフェッショナル向けの新ブランド「COAR」を立ち上げました。COARは順調なスタートを切ることができ、国内最大のプロショップ(EC)のブランドランキングにおいて、大手メーカーの人気ブランドが並ぶ中「第1位」を獲得しました。中期経営計画の目標であるメンズプロフェッショナルブランド国内No.1の達成に向けて、チーム全員で日々の業務に励んでいます。

最後に

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。長々と書きましたが、これまで転職を繰り返し、様々な業界と職種を経験して良かったなーとつくづく思っています。6度の転職は振り返ると現実の厳しさから逃げていた面もあれば、環境を変えてもっと自己成長したいという面もあったり、色々な振り返りができるのですが、結果的に充実した今があるし、これまでの1つ1つ勤めた会社で過ごした時間、学んだこと、経験したことの全てが、点が線になったように今の仕事に活かされている実感が強くあるので、自分の決断は正しかったと考えています。

そして何より転職した先々で素晴らしい出会いがあり、多くの方に支えて頂きました。もしこれまでに関わってくださった方がお読みになっていたら心より御礼を申し上げます。

考えて、考えて、考え抜いて、やってみて、納得できなくて、結果がでなくて、でもたまに涙が出るほど嬉しい瞬間があって。振り返ると充実した仕事をしてきたと思います。

今後のキャリアはどうなるかはわかりませんが、当面は自分自身が幼いことから興味関心の強い「(男性の)髪型をカッコよくすること」に関わる仕事をしたいと考えています。ただ、目的はきっと「自信をつくること」で、その手段、最初のアプローチとして「髪」をチョイスしているのだろう、とも考えたりして、先々この手段が変わっていく可能性もあると思っています。この辺はいつか別の記事として書いてみようと思います。目の前にある課題を解決し、たまに数年後を想像しながらワクワクする。関わる方々を大切にして、これで良かったと思える日が来ると信じて、今を一生懸命過ごしていこうと思っています。

弊社へのお仕事のご依頼はもちろん、ご意見などある方がいらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちしております。

⚫︎Email 
hirano@goald.co.jp

2024.01更新

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