【火災保険】時価と再調達価格を理解する。火災保険の加入時に大切な話

もし収益不動産が火災等、使えなくなってしまった場合、火災保険に入っていれば損害金として保険会社から、保険金が支払われます。

しかし、保険金額の掛け方を間違えてしまいますと、思っていた金額よりも少しの支払いしかされず、建物を建て替えすることができない、最悪ローンの残債を支払うことができず、破産してしまう可能性もあります。

我々、不動産オーナーは正しい火災保険の知識を身に着け、契約にあたっては、建物などの保険の対象を正しく金銭に評価する必要があります。

結論からいいますと、対象の建物が使えなくなってしまった場合を想定して、その対象となる建物を、再び建てることができる金額が支払われるように設定すれば安心して経営することができます。これを「再調達価額」と呼びます。

今回は火災保険の契約時に大事な「時価」と「再調達価格」の違いについて書いていきます。正しい保険の知識を身に着けることが大切です。
●保険価格と保険金額の話
保険対象の建物を金銭に評価した額が「保険価額」と呼ばれます。また、万が一火災が発生した場合に支払われる損害保険金は、契約時に設定する「保険金額」が上限になります。

「保険金額」は「保険価額」をもとに設定しますので、保険の対象となる建物を正しく評価されず適切な「保険価額」と「保険価格」が設定されないと、損害額どおりの保険金額が支払われません。

したがって、十分な補償を受けるためには「保険価額」と「保険金額」を十分に理解し加入することが大事です。

◎保険価額の種類

保険価額には二種類の考え方があります。
●新価
同等の建物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額

●時価
同等の建物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、経過年数による価値の減少、使用によって減った消耗分を引いた金額。
現在の建物の価値と考えてください。

我々オーナーは、「新価」で契約するようにしましょう。

たとえば、5000万円の新築アパートのケースで、10年後のアパートの「時価」は建物の経過年数とともに、3000万円等価値が下がります。
「新価」ではあらたに建築するのに必要な金額は同じ5000万円です。

経過年数が進んだ状態で建物が全焼した場合、「時価」では新たに建物を建築することはできないですよね?
土地、建物を一体で融資を受けている経営をしている場合で、「時価評価」されて補償されても、その当時のローン残債が補償価格より多ければマイナスです。

ですので、新築アパートで「時価」で火災保険に入っているケースは危険です。
古い築古アパートや戸建てであれば、建物の価格はほぼないため時価でいいと思います。最悪建物の壊して、土地として販売すれば逃げることは可能です。
ただし、購入するときには土地の価値があるエリアで購入しましょう。

●保険金額の話

保険金額とは、事故が発生した場合に保険会社が保険契約に基づいて支払う「損害保険金」の限度額のことを言います。保険価額をもとに設定します。

●損害保険金とは?
損害保険金は事故により損害が生じた場合に、保険会社が契約に基づき損害保険金を支払います。

つまり、保険金額を高しておくと、損害が大きい場合より損害保険金が支払われるため、保険金額を高くしておくことが重要です。
建物の評価金額はある程度高く引き上げることは可能ですので、契約する際は保険会社担当とよく話し合いしてください。

月々の火災保険代は経費になります。
補償を分厚くすると数千円、月々の支払いが高くなりますが、数千円ケチって借金が残ってしまうよりも、補償を厚くして万一に備える方が大切かと思います。

●まとめ

火災保険の契約では、「新価」で加入した方がいいです。万が一火災でなくなっても、再建築が可能だからです。

時価で入るケースは、築古物件で出口を「土地売却」で考えているケースです。
再建築を考えていない場合が「時価」でいいと思います。

ちょっとはFPぽい事書けたかな?(笑)
火災保険の契約内容、大事ですよ。

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