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話をするときのコツを進化心理学から考えてみた。

私は人と話をするのは嫌いでした。
純粋に口下手だし、お互い話が盛り上がらないからです。


とはいえ、心理学を学んでいくつかのことを気をつけるだけで「お話が上手ですよね」と言われる程度にはなりました。

さくっと重要なポイントをいうと「話を聞く」です。
いわゆる傾聴スキルですよね。
これは一般的に語れすぎたできる人はとって知ってる情報ですよね。

今回は進化心理学から探ったその心理状態と、さらに使える心理スキルについてもお伝えします。

傾聴の心理学

傾聴については多くで語られているので要点だけ絞ってお伝えすると、
人間の心理として会話は

「話を聞きたい」より「話をしたい」んです。

その欲求の方が高い状態です。

だから話を聞いてもらう方が満足するのです。


その欲求の心理状態はなぜそうできたのでしょう?
自分が話すより、話してもらった方が色々とメリットが多いですよね。

純粋に話してもらった方が論理的に次の3つのメリットがあります。

・情報が手に入る。
・相手が満足する。
・話さないので楽。

なのに、なぜ人類は全員「話たがり」なんでしょう?

この疑問について進化心理学から探ってみました。


進化心理学的に考えていくと、人間が繁栄できたのは「情報を共有する」という能力が発達したからと考えられます。

※進化心理学とは、進化の過程で心理が作られたと考える最新の学問です。


情報を「聞きたがり」が生き残ってもらうよりは、情報を「話したがり」が生き残ってもらう方が人間の繁栄には都合がいいですよね。

みんなが「聞きたがり」だと、情報は個人にだけに留まってしまい全体に共有されないので富を生み出すことができません。



はるか昔の人間の時代。


リンゴが100個なっている木がありました。

「聞きたがり」のキキが見つけました。
そして10個持って、みんなが待つ集落に戻ります。

キキ「誰かの話を聞いて、リンゴ1個食べて寝よう。残ったのはみんなに配ろう。」

キキは純粋に話をしたくない性格でした。
純粋に聞いていたいからです。
そういう心理状態の人でした。

次の日にリンゴの木を観にいくと、リンゴの木には残りの90このリンゴは他の動物などに食べられてしまいました。

この集落はリンゴ10個分の富を手に入れました。

そんな「聞きたがり」の人たちの集落のキキグループでした。


ー 近くの集落「ハナ」の話 ー

それの近くの集落には「話たがり」のハナがいました。
ハナは知ったことはなんでも話します。

ハナは純粋に話をしたくてたまらない性格でした。
純粋に話していたいからです。
そういう心理状態の人でした。

リンゴが90個なっている木がありました。

ハナが見つけ、10個持って、みんなが待つ集落に戻ります。

ハナ「さっきあっちに歩いて行った。リンゴの木があったんだ。これがそのリンゴ。あと80個くらいあったかな。」

他の賢い人間「このリンゴうまいな。動物に食べられる前にみんなで取りに行こう。」

その日のうちにみんなで収穫して集落に持ち帰りました。

この集落は話すことでリンゴ90個分の富を手に入れました。

そんな「話たがり」の人たちの集落のハナグループでした。



さて、この2つの対照的なグループを600万年間で、どちらの子孫がいき残るかの人類の生死を使った大実験をしました。

思考実験の結果
「キキグループは10万年で絶滅した。
ハナグループは600万年経った2020年も生存している。」


結果
「話したがりの方が繁栄できた」


という過程で人間の心理が完成して、私たちの今の心理状態を作り上げていると説明できます。

なんとなく合理的に納得できますよね。

※とはいえ思考実験の結果です。まだ科学的ではありません。


つまり会話で相手の欲求を満たすことが「聞くこと」なんです。

相手の人は会話では「聞きたいなぁ」とは考えていません。
「話したいなぁ」の方の心理的状態となっているんです。

その会話本質は、相手と仲間かを確認するためです。

話をするのは動物的に一種のグルーミングです。

毛繕いの一種です。
人間と動物を一緒にするな!と怒られそうですが科学的にみると人間は動物です。


動物の人間はあなたと私は仲間だよね的なことがしたいので、有益な情報を渡すことが本質ではなく、なんとなく相手は「いいやつ(信用できる)」かを確認しているだけです。

ミラーリング

そのグルーミングは同じことをする「ミラーリング」をすることでも可能だと言います。

3つのミラーリングがあります。

態度のミラーリング

相手が「ウェーイ!」という人だったら自分も「ウェーイ!」と言えば仲良しになれます。
ここに有益な情報の交換はありませんよね。

それでも信用できると確かめることができます。
気持ちを相手と同じペースにすると良いということです。

服装のミラーリング

アメリカの実験で相手が同じ服を着ているときにYesの確率が上がるかを実験しました。

実験者が「ヒッピー文化の服」服を着て実験です。
※アメリカで一時的に流行したヒッピーブームの時です。

被験者と同じ服装「ヒッピー文化の服」を着ている場合と、私服の場合に検証したところ、

相手が「ヒッピー文化の服」をしている人にはYesを引き出すことが私服の場合よりしやすくなったことが明らかになりました。影響力の武器より参考

どうやら、服装が一緒でも信用が得られるようです。

行動のミラーリング

相手がコップに手を伸ばしたら、自分もコップに手を伸ばしてください。
相手がコーヒーを飲んだなら、自分も同じように飲んでください。

これが行動で真似をするビジネスに多用されているテクニックの「ミラーリング」です。

まるで相手が自分の鏡を観ているように、相手に「見せて」ください。
相手はあなたに魅せられるので相手からの信用が上がります。

つまり、相手が思い通りになる確率が上がります。

※心理学は0%か100%で考える学問ではなく、統計で見る学問です。
ミラーリングは確率を上げるテクニックなので、やった時の方が良い結果になります。

会話の本質

何が言いたいかというと、会話で聞きたい場合には何をするべきか?というのは、相手と同調(共感)することです。

本質的は「話をされながら、信用されること」です。


長いので、ここまで要点をまとめます。

・みんな「話たがり」
・会話は「信用するため」


長々と書いたのに、要点はたった2つの16文字だけになってしまいました。


さて、その方法は簡単です。

一般的に語られているテクニック方法は5つあります。

会話が上手い人の特徴5つ

オウム返し
🦜「相手が言った同じことを繰り返すだけです。」
これは典型的なミラーリングですね。

相槌
相手の発言の後に「ウンウン。すごいな。なるほど!」というだけです。
共感するのでこれもミラーリングですね。

展開(フォローアップクエスチョン)

今の話が終わりそうなときに、今の話から次に話をしたいだろうポイントを予想して「それってこういうこと?」と相手が答えられそうな形で質問します。

相手が今話している内容を掘り下げる方式です。

ずっと相手のターンにして、自分にバトンが渡ってきたら直ぐに相手に返してください。


会話の開始
会話は質問してから開始です。
大事なことですが、基本的に相手は話したいけどそのチャンスがなくてうずうずしています。
チャンスを作ってあげてください。
話せるチャンスが来たんです。
相手の内心はハッピーな状態です。

褒め
5秒で9割を虜に褒める方法【絶対にやってはいけない褒め方】
以前にこの記事でまとめました。

相手を会話で更に気持ちよくします。
会話で相手をマッサージするテクニックです。
無料で気持ちよくしてくれる人はみんな大好きです。そうですよね?

仲良し回路

結構手っ取り早いのが、自分が相手が好きだと錯覚すると上記のテクニックや体の表現や声のトーンも全て脳の奥に眠っている「仲良し回路」が自動的にやってくれます。

私は知らないけど、この脳の回路に任せると自動的にやってくれることを最近わかりました。

私はもう面倒なので自分を錯覚させて「仲良し回路」を起動させています。

相手に会う → この人の全てがめっちゃ好き というパターンです。

相手に無条件で愛を与える感覚です。


自分が、笑顔になってくれるし、声のトーンが上がってくれるし、行動が大胆になってくれるし、勝手に相手に尽くすし、相手の欲しいものを勝手に考えてくれるんです。

結局相手も自分を好きになってくれます。

若干スピリチュアルですが、会話は脳の「仲良し回路」を起動すると楽っていう話のまとめです。

多分、話の上手な人って「話たがり」でもこの「仲良し回路」を起動させているんじゃないかって最近は思います。

よくわからないです。
まだまだコミュ力が上げられそうで楽しいですね。

3行まとめ

進化心理学的に話をしたい。
ミラーリング、共感して、信用を上げる。
自分を錯覚させて「仲良し回路」を起動する。

参考書


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