自分が正しいと思っている人の特徴と理由【認知的不協和マーケティング】操る方法もついでに解説

認知的不協和って聞いたことありますよね。
100冊以上の本や専門書から学習したことを分かりやすく解説します。

簡単にいうと
自分がやっている行動に新しい不快な矛盾が追加されると不快感を無くすために自分の行動を正当化しようとすることです。

酸っぱいぶどう効果なんて言われたりしています。
例として、こんな話があります。

酸っぱいぶどう効果

狐が美味しそうに実ったぶどうを見つけます。狐はぶどうを取ろうと何度も飛び上がりますが、ぶどうをとることができません。最後に狐は「あのぶどうはすっぱいに違いないからまずいだろう」と決めつけてその場を立ち去ってしまいます。

この話の場合、狐はぶどうを食べたかったのですが食べられない真実に直面します。
この時に不快感が生まれてしまいます。
その不快感を解消するために新しい事実を作り上げます。
「あのぶどうを取らないのは、まずいから取らないんだ。」

そんな事実はないのですが、矛盾を解消するために脳は勝手に都合の良い解釈をし始めてしまいます

これは狐の話として面白いですね。で終わればよかったのですが。

どうやら狐とぶどうだけの話ではなく、私たちの身の回りで起きていることです。

タバコを吸う理由を正当にでっち上げる喫煙者

喫煙者は肺癌になるリスクを背負っています。
メリット、デメリットを天秤にかけると明らかにデメリットが勝ります。
しかし喫煙者はこう言います。

「私がタバコを吸うのはこれでストレスを解消したいからだ」
「増税で禁煙するのは意思が弱い人の特徴だ。意思が強いから私はタバコが千円になっても吸い続ける。」
「タバコを吸っても100歳まで生きた人がいる。我慢は健康に悪いからタバコを吸うんだ。」

明らかに認知的不協和によって、タバコを吸うことをが良い解釈を脳がでっち上げて本当に納得しているんです。

彼らの言い分は確かに正当に思えますが、事実は

・ストレスを解消したいなら比較してスポーツ、瞑想が効果的です。
・禁煙できないのは現状維持バイアスに強くかかっているからで、禁煙できる人の方が意思が強いです。
・喫煙者で100歳まで生きた人は確かに存在しますが、対象を1人ではなく喫煙者1000人と禁煙者1000人で比較した場合、科学的に死亡するリスクが上がっており、健康被害が喫煙者の方が大きいです。

しかし、彼ら喫煙者にこの事実を丁寧に教えてもほとんどの場合、認知的不協和がまた起きて自分がタバコを吸う正当な解釈をでっちあげます

重要なことですが、喫煙者は悪いということではありません。
悪いのはタバコの持つ他人への健康被害です。

他にも認知的不協和の実験があります。

自分が選択してなくても、選んだ正当な理由を考える。

ある実験で同じくらい魅力的な女性2人の写真を男性に見せます
男性に聞きます。

「どちらの女性が好みですか?」

そして相手が選んだ方の女性の写真を相手に渡すフリをして、実は女性の写真を入れ替えます。
男性が入れ替えに気が付く割合は30%でした。
気がつかなかった70%で、自分が選んだ方だと嘘を信じた男性に聞きます。

「なぜそちらの女性が魅力的だったんですか?」

男性はこう言います。

「僕はこっちの女性がいい。金髪が好きだからね。」

ところが男性が最初に選んだのは髪の黒い女性だった。

同じ実験を他にも繰り返しましたが、結果は同じでした。
男性ではなく、女性にも同じようにテストしました。

「なぜそちらの女性が魅力的だったんですか?」

女性はこう言います。

「イヤリングが好きだから彼女を選びました。」

しかし、女性が最初に選んだ女性はイヤリングをしていなかった

このように、人間は選択をしていないことを選択させても正当な理由を脳がでっち上げてくれる機能を持っています。
勘の良いあなたなら、どうやって使えるか思いついたはずです。
脳はすすんでだまされたがるより参考

選択は自由意志ではなく決定した事実から影響を受ける。

簡単に要約します。
繰り返しですが、人間は選択したことを正しいように事実をねじ曲げます。

自分が選択したか、相手が選択したかは、重要ではありません。
選択を決定したと勘違いさせることができれば、いいのです。

マーケティングにはよく使われていて、初期設定を選択したことにしてしまえば良いです。
行動経済学ではナッジと呼ばれる手法です。
行動経済学の逆襲より参考

初期設定で認知的不協和への誘導ウェブマーケティング活用方法

例えば、物販のマーケティングではこうやって活用されています。
5万円のスマホと7万円のスマホがあるとして、
7万円のスマホの方が5万円よりも利益がたっぷり出るので、7万円のスマホを買わせたい場合として考えてみましょう。

普通の場合、安い5万円の方をまず見て比較しながら選ぶはずです。
購入画面で選択肢が二つあります。
ここで、ナッジと認知的不協和を利用します。
7万円の方に初期の購入設定がしてあるだけで、人は7万円の方が欲しくなります。
そして、7万円のスマホがいい理由を認知的不協和により考え始めます。

「私が7万円のスマホを買おうと選択しているのは、性能がいいからだ。だから買いたいと思うんだ。」

ナッジの詳しい解説です
行動してもらうための選択肢の作り方
初期設定で他人の行動を変える

他にも最初の1ヶ月は無料!のマーケティングがあります。
これも保有効果と認知的不協和を使ったマーケティングです。
「無料だから試してみるか。無料だから私は損しないから大丈夫に決まってる」
「1ヶ月経ったけど、このサービスを手放すのはもったいない。このサービスは価値が高い。」保有効果
「私がこのサービスを使っているのは、このサービスが素晴らしいからだ」認知的不協和

このようにマーケティングは上手にメンタリズムを駆使して商品を買わせることができます。
他にもマーケターの私がプロのテクニックを専門書から学び分かりやすく紹介しているので、チェックしてみてください。

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