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あの坂を登れば

「ラフな音源」というマガジンに入れましたが
ラフな音源ではありません。
2014年に作った「100年」というアルバムから
思い出したようにビデオクリップを作りました。

2019年6月の初めに初めて、福岡県の宗像市、
博多と小倉の中間の海の方へ。
ハッピーハーブスさんというお店とご縁があって
行ってきました。

海が近い。夏が近い。
そんな雰囲気と共に、
もう過去になってしまった前作品「100年」を
聴きながら車を走らせました。

2011年。30歳を少し過ぎた頃でしょうか?
正直、時代も年齢もあって
それまでは
「何か機会が訪れてきて、メジャーデビュー
とはいかなくても、何か世に広めていける
プロジェクト的な出会いと流れがやってくる」
と、心のどこかで期待していました。

でも、今やらないと、
「若者だから描ける時」が過ぎてしまう。
さらに震災もあって、
「描きたい歌と音を、今、出来る努力で創ろう」
と想ったのでした。

作っておいてよかった。
その時の思い描きをカタチに出来てよかった。

2019年、2児の父親になって、
若者の自分が遠ざかっている。
僕は今、手を振って、別れ、
同じような君をこれから迎えようとしている。

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久しぶりに聴いて、
とてもイイ!
とても僕好み。だって
僕の「好き」で作ったんだから♪

ウクレレ中心のアコースティックサウンド。
風のように
そこかしこで吹きっぱなしのハモニカの音は
真島昌利さんの1stソロアルバム「夏のぬけがら」から
「ルーレット」や「さようならビリーザキッド」の
イメージで入れました。

今、ググって調べたら
マーシーの曲は友部正人さんのハモニカらしいです。
僕は、protoolsと時間を駆使して、
何度も何度も努力した音です。じつは。

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個人的に「やっぱこの人好きだわぁ」←過去の自分です
と思ったのは、
全体的に爽やかな青春メロディなのに
冒頭の2行!
「靴を隠されて、傘を盗まれた」
でも大丈夫だって!

へんな詩だなぁ〜

こんな僕はきっと
「君を自転車の後ろに乗せて〜」なんてヒット曲の
良さが全然わからなくて、
もし聴き続けて、そんな本質があって、
出会うことがあるのなら、

「あぁ! そういうことか! 『君』って自分自身の
ことだったんだ!
だなんてことに気づけば感動するんです。

ゆ◯の詩は僕にはまだ届かないんだけど、
スピッツなんかは「愛する人」や「想う人」
対象の人物がいる風に歌いつつ、
実は「君」が僕自身だったり、かつての「自分」だったりすることにある時気付いて、
確信的にそんな表現をしている草野さんの
大ファンになっております。

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あの坂を登れば

靴を隠されて
傘を盗まれて
雨は もう上がっているから
風が少し冷たく感じたよ

車のはねる水しぶきで
虹を見たよ
びしょ濡れになって
みんなが僕を通り過ぎてく
遠くの空には ひこうき雲

ほんとはもっと遠くの国へ
行きたかったな 立ちつくす歩道

思い出す
「あの坂を登れば海が見える」
って言って自転車こいだ

夏の日・・・

ちぎれ雲 追っかけて
知らない町 知らない国へ
雨は もう上がっていたから
風が少し冷たく感じたよ

ほんとはもっと遠くの国へ
行きたかったな 立ちつくす歩道

思い出す
「あの坂を登れば海が見える」
って言って
自転車こいだ

走り出す
「あの坂を登れば海が見える」
って言って自転車こいだ

夏の日・・・

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そんな「独り」視点が大好きな僕。
歌のモチーフになっている「あの坂を登れば」は
もちろん、何度もnoteでも書き綴っている
杉みき子さんの「あの坂をのぼれば」という
中一の国語の教科書にあったお話です。

お話では
田舎の少年が、歩いて山を越えて
海を見に行くお話でしたが、
僕は千葉の関東平野の、
昭和51年生まれの田舎の少年だったので
自転車で、いつも花見川の先にある
印旛沼や検見川浜に憧れていました。

なんてことのない少年、思春期を過ごしました。
なんてことのない夏の風景を
描き留めることが出来て良かった。

この詩に、響いてくれる人と出逢えたら
また格段に嬉しいです。

慈しんで、今出逢うときを
おすごしください。



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