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腐女子は2種類に分けられる?


先日、以下のようなツイートをしました。



これに対して、「たしかに飢えて死にます」「逆カプ読んでいるうちにそっちがおいしくなってくる」……などなど、いろいろな反応をいただきました。 

そのなかには、「自分内で二番手のキャラを攻めにしたカプ作品を読む」「全然違うCPの作品を読む」などといったご意見も。かくいう私も実は逆カプには手をのばさないのですが、そこで甘んじて飢え死にするわけではなく、ほかのCPに手をのばす派です。 

そう、腐女子は二種類に分けられないのでした。腐女子には腐女子ごとに、二次創作コンテンツの消費パターンがあるわけです。 

というところで、主にpixiv内における腐女子の二次創作コンテンツ消費行動について考えてみたくなったので、あくまで私という一腐女子の例がベースではありますが、つらつら書いていこうと思います。


まず基本的に、腐女子には「好きなCP」が存在します。CPは「カップリング」の略で受け攻めのペアのことです。「攻め×受け」の順序で書かれるので、攻めのことを「左」、受けのことを「右」と呼ぶ隠語もあるくらいです。CPは、口で言う時は「カプ」と言うことが多いと思われます。

これは要はアイドルオタの「推し」のようなもので、「このCPが絶対!」みたいな人もいれば、「受けが◯◯なら、誰が攻めでもいい!」「みんな大好き!みんなでいちゃいちゃしてろ!」みたいな人もいるわけです。とはいえ、基本的には、あるひとつの組み合わせのCPを本命と推す人が多い気がします。

そしてCPはアイドル単体を推すのと異なり、基本は2人のキャラから成り立つため、あるCPを推すとなれば、必然的に、その周辺的なCPというのが発生することになります。 

キャラが多くていろいろ例が出せるので、「黒子のバスケ」における私の好きCPを例にして解説したいと思います。まず、 

 ・  本命CP(黒火) 

というのがあります。 

黒火というのは「黒子×火神」の略称です。pixivにおいて、CPは大体略称でタグつけされるようになっています。黒バスの場合略称は苗字の一文字目をとって、黒火とか高緑とか、一定でつけられますが、たとえば最近の一大ジャンルである『進撃の巨人』だと、初期は、「エレン×リヴァイ」を「エレリ」と略す人と「エレリヴァ」と略す人と混在していて、検索が結構たいへんでした。(いまは「エレリ」のほうに統一されてきているはず) 

すこし脱線しましたが、だいたいの腐女子は、pixivにおいて、この「本命CP」のタグで検索を行い、そのタグのついた作品を中心に読みあさるのではないかと思います。たとえば『Fate/ZERO』にハマっていたときに私の好きなCPだった「ギル時」を書いていた作家さんが「黒火」を書いていたりするのを発見すれば泣いて喜びます。しかし、好きな作家さんの作品でもそれが「火黒」であれば、名残おしい気持ちを持ちつつも基本はスルーします。

しかし、その作品・CPにハマり毎日毎日pixivにアクセスし、作品を読みあさっていると、そのCPの作品がつきてしまうということもあるわけです。そう、とくにマイナーCPだと!!! (ええ、黒火はマイナーです……)

そこで目に入ってくるのが、以下の周辺CPたち。 

 ・  逆CP(火黒) 
 ・  攻めが違うCP(青火、氷火、モブ火)
 ・  受けが違うCP(黒黄、黒赤) 

ツイートでは「自カプを読み尽くしたときに耐え切れずに逆カプまで手をのばす人」「逆カプに屈するのが耐えられずに飢えて死ぬ人」に二分しましたが、おそらく実は、逆CPよりも、「攻めが違うCP(青火、氷火、モブ火)」「受けが違うCP(黒黄、黒赤)」で飢えをしのぐ人が多そうだし、よく考えたら私もそうでした。そして飢えをしのいでいるうちに、「あれ、私火神くんが受けなら攻めは別に誰でもいいかも……っていうかみんなに愛されてるのがいいかも……」的なイデオロギーの転換があったりするわけです。 

さらにいうと、 

 ・もう全然違うCP(黄笠、降赤、高緑) 

にいってしまう場合もあります。とくに黒バスは話がすすむにつれどんどん新キャラ出てくるし、意外なキャラの絡みが増えてきたりするので、目移りしてしまって大変でした。

この「もう全然違うCP」にいく人のなかには、「一夫一妻主義」を貫くがため、という人も多いのではないかと思います。つまり一度「火神くんには黒子くんしかいないんだ」と決めたら、たとえ火神くんが受けだとしてもその相手を変えたくない、という人ですね。そういう人にとっては先に挙げた「攻めが違うCP」や「受けが違うCP」が「地雷」(受け入れられないCP)になってしまうわけです。昔はよく「リバは地雷」という話を聞いた気がしますが、個人的にはこの「一夫一妻主義」による地雷を持っている人も結構いそうな印象です。 

そして、さらに言うと、「本命CP」の作品であっても「地雷」の作品がある、という人も少なくありません。ここで問題になるのが二次創作におけるキャラやカップリングの「解釈」です。 

つまりたとえば、私が好きな黒火というのは、火神くんのことめっちゃ溺愛してるけどついつい意地悪してしまう黒子と、図体はでかいけど天然オトメンな火神くんの組み合わせなのですが、「黒火」作品であっても、黒子のほうがオトメンで、火神くんが包容力のある王子様系、という場合もあるわけです。そうなるとこれは「解釈違い」であり、私の読める「本命CP」の範囲から外れてしまいます。 

極論をいえば、逆CPであっても、自分の望む「解釈」にそったCPが描かれて入れば、「解釈違い」の本命CPよりも肌に合う場合もあるということ。私は「黒黄」と「黄黒」も好きなのですが、黄瀬くんのことを「自分の容姿や才能に近づいてくる人をバカにしながらも、自分の内面には自信がなく、誰かに好意をよせるときはそれに頼らざるをえない弱い人間」だと思っているので、そうした「解釈」に反しない限りでは、「黄黒」も読みますが、黄瀬くんが完全無欠の王子様的に描かれている場合には「黒黄」だろうと「黄黒」だろうとあんまり読みません。このあたりは、Free!において「遙真」と「真凛」は読むけど「真遙」は読まない理由にも通じています。なぜか「真遙」の「真琴」は少女漫画的王子様というか、包容力のあるできた人間として描かれていることが多いのですが、それは私の真琴「解釈」とは異なるものなのです。 

だからやはり好みの作品に出会うためには、ひたすらCPで検索し、著者さんの「解釈」を実際に確認して、コツコツとブクマしていくことが必要になります。そして、こうした解釈は、ジャンルが変わってキャラが全然違っても、そちらで好きになったCPへと引き継がれる場合もあり、別のジャンルで好きだった作家さんがその後もことごとく同じCPに落ちていて大変嬉しくなるということも多々あるのです。

おそらくpixiv登場以前はこんなにフランクにCP横断してなかったんじゃないかなー。ジャンルごとやCPごとにサイト、サーチやウェブリングが変わっていたと思うので。一作品にキャラが多い「チーム男子」ものの二次創作の盛り上がりは、pixivの普及によって実現しているといっても過言でないのではという気もします。あとランキングとかで、盛り上がってきてるジャンルが目に入るから、いろいろなジャンル・CPに関心を持ちやすい。ビッグデータ!!(言ってみたかっただけ)

そんなわけで、やっぱり腐女子は2種類には分けられないようだ、と自分自身実感しました。つつしんでお詫び申し上げつつ、本日のpixivでの検索業務に戻りたいと思います。

いつもありがとうございます。より良い浪費に使います。