日々感じる世の中の変化①米を食べる人が減った

■ちょっと気になったことを深掘りして考える
仕事柄、色んな場所に行って色んなものを見て、色んな方々のお話を伺います。仕事をする上で“気づきの力”が大切だとよく言われますが、最近の日々の生活で感じる世の中の変化について気になったことを深掘りしてみたいと思います。そしてそこから得られるちょっとした経営のヒントについて考察してみます。

■米を食べる人が減った
 一昔前まで、ダイエットと言ったら肉類など脂質の多いもの、ケーキのような甘いもの控えるという考えが主流だったと思います。しかし最近流行している糖質制限ダイエットは、甘いものは以前と同様ダメですが、大きく変わったのは米やパンのような炭水化物を多く含んだ主食を控えるというもの。
糖質制限が主流になってからは、私自身もライスやラーメンを大盛にすることは無くなりましたし、夕飯では出来るだけ避けるようにしています。お客様や会社のメンバーを見ていても、糖質制限メニューが充実している「アスリート食堂」を利用したり、セブンイレブンのおでんだけでランチを済ませるなど、世の中全体で“米離れ”が加速しているように感じます。
 これだけ炭水化物が避けられている昨今、米の消費量は実際どうなのでしょう?米をめぐる関係資料(農林水産省)によると『一人当たり・一カ月当たりの米の消費量(精米換算)』は2012年度4,909g→2018年度4,426gまで6年間で約10%も消費量が減っています。人口が減っていること、少子高齢化が進んでいることを考えると日本全体の米消費量は更に減っていることが容易に想像できます。
糖質制限をする際、米などの炭水化物を控える一方で積極的に摂取すべきとされるのはタンパク質です。同様に調べて見ると『一人当たり・一年当たりの食肉の消費量』(農畜産業振興機構HPより)は2012年度30.3kg→2018年度33.5kgと同じく6年間で約10%消費量が増えています。手軽にタンパク質を補給することができるプロテイン市場も急拡大しておりトップブランド「ザバス」を展開する明治によると、最大カテゴリーである粉末・顆粒をはじめ、ゼリー、バー、飲料まで含めたトータルの市場規模は、2013年以降毎年2ケタ増で拡大しており、2019年の見込は前年比16.7%増の480億円と、引き続き拡大することがを予想されています。このように当面米離れは進み、日本の農業政策の方向性が重要になることに加え、世界中でタンパク質の争奪が繰り広げられるのではないでしょうか。
<経営に活かせる視点>
 かつては中年になれば、メタボになるのは当たり前という風潮がありましたが、現在はホワイトカラーのビジネスマンを中心にダイエットに励む方が多くなりました。それはなぜか?やはり多くの方が健康に生活を送りたいと考えるからだと思います。昨今、実際の寿命以上に、元気に日常生活を送れる健康寿命が注目されています。医療費が財政の負担になっていることもあり、今後は更に健康や病気予防に時間をお金を投資する人が増えていくことが予想されます。お客様でも節煙という切り口で商品開発をされている会社がありますが、非常に好調です。自社の商品・サービスを健康や病気予防という切り口で考えてみてはどうでしょうか。
また健康に生活できるということは仕事の生産性が落ちないということにも繋がります。経営者の皆さんは健康管理を従業員任せにせず、福利厚生の一環で健康に関わる施策を検討しても面白いかもしれません。


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