深夜に目が覚めた65歳の親父が想うこと

残りの人生はあとどのくらいだろう。苦しくてももう少し働きたいのだ。仕事の終わり方はどうなるのだろう。生きる力は人それぞれだと薄々、実感しているのは、これまで、出会ってきた自分の周りの逝き方が、その若い時からの生き方の延長先生上にあるのだろうということだ。
 17際で出会った大好きだった彼女は、今も生き生きと人生を楽しんでいる。今も大好きだ。世界的なファッションデザイナーのもとで、定年まで服作りをして、今は、日本語学校の先生をしている。フットワークも軽いから、同じ年齢だが、弾丸小旅行はお手の物だ。素敵だ。おそらく最後まで、生きる目的を持って生き抜くだろう。
 親友、恩師、長い人生の中で僕の心を通り過ぎて行った人々。自死した方もいた。自分の生き方に苦しみながら、それが身体を壊す原因で、若くして亡くなった方もいた。生きることにずっと彷徨って、行方不明になった方もいた。そういう方達でも僕の人生の中でいくつかの思い出を残してくれた方々だから、会って話してみたくなる。たぶん、僕の眼に彼らが1番輝いている時に出会っていたから、昔からのように居酒屋で落ちあって、いろいろ話をしてみたいと思うのだ。
 70時も80歳も90歳も人生現役だ。目的を持って生きなければつまらない。死にたくないから、生きるのではなく、やりたいことがあるから生きるのだ。
 10歳先を歩く尊敬するある知人は、僕を友達と言ってくれるのだが、恐れ多いほど素敵な方だ。ある会社の会長をしながら、たまに講演に出かけるようだが、少し仕事が楽になって、ピアノを習い始め、素敵な絵画を描く、台所掃除も趣味のひとつだ。アイランドキッチンもかっこよく維持するのに小まめな手入れが必要なのだ。
 自分はと言えば、最近、料理にハマってあある。スーパーに買い物に行くのも台所に立つのも楽しい。たまにアイランドキッチンも掃除するので、あの話には共感して笑った。 
 この歳で、スーパーの人参やネギの値段が高いか安いかわかっているのも素敵なことだと思っている。最近、スーパーにも同年代の親父が多いのだが。仕事以外にやりたいことがたくさんある。家庭菜園もやりたいが、庭をハーブだらけにしてみたいし、ピアノので、エルトンジョンの曲を弾けるように完成させたい。妻と相談して小さな家でもいいねと建てた、自分達には丁度いいのたが、リフォームできないほどある意味完全している。近くに両親の家がある。少しボケながらも90歳を2人で生きている。ただ家がデカイ、2人の亡き後、どうするんだろう?鉄筋コンクリート造りだから、壊すのも大変!そこで、リフォームしてみたいと密かに不謹慎にも想うこともある。
さて、90歳を2人で生きる両親だが、若くから、とても計画的で、計画か違ってくると修正というよりも新たな計画に向かうという割と徹底した生き方をしてきたせいで兄はなかなか大変な人生を送ってしまった。長男を計画通りにしたかったのだろう。うまく行かなかったのかな?そんな感じだ。兄には兄の人生があるのだから。次男の僕には矛先を向けないでくれたのが、幸いであった。父母いつも計画的で、いつもトップを目指して生きてきた。リタイヤしてのんびり生活を送りたいと計画していたのだろう。2人で旅はしたのかな?楽しいことしたのかな?孫を待っていたから、僕達の娘を抱っこして幸せな気分になってくれたかな。その娘達も自分達の人生を歩み始めたから、あまり顔を見せてくれない。今を楽しく生きているのかな。趣味は、僕の家を監視することだ。笑
2人してリビングから我が家の玄関を眺めてる。一日中、リビングの定位置で座って生活している。デイサービスに行ったら、同年代の方々にあって、話するの楽しいとは思うのだが、嫌なんだろな。でも、本当は楽しいんだよ。といいたい。自分は、接客業をしているのだが、お年寄りの接客は、楽しかったり、大変だったり、買いたい商品を話すまで、家族のことや孫の話、庭に咲いた薔薇な話、とにかく目的の商品にたどり着くまで、数分かかって、商品が決まったら、折り返しで購入理由まで話していく。誰かと話したいのだろう。
 母は、近くのお医者さんに行って、必ず何がを忘れてくる。忘れ物などなくてもなくなったと行ったり来たりする。その間、看護師さんや周りの方々が注意を向けてくれる。ご迷惑をお掛けしている。自分は人生を楽しんでほしい。
母は、人生の半分を教師という仕事に情熱を傾けていた。ほんの少し早くリタイヤして人生を楽しもうとしていたが思うように楽しめなくて、苦悩していた時期がある。その後、楽しく生きていたと思う。孫もできて、その頃、都内に住んでいた我が家に電車を乗り継いで毎週2人でやってきた。孫を風呂に入れるために父と母は、長い道のりをやってきた。楽しかったのだろう。
 80歳までは、確かに楽しいと思えることが
たくさんあったようだ。身体が動きにくくなって、孫は、それぞれを歩き始めて、ふと、振り返ると身体は、動かないから、面倒だし、じっとリビングから、我が家を監視するのが今の趣味だ。誰も責めることはできない。なんとかしてあげたいが、息子の自分は、白状だ。
 動くことができるように身体を鍛えよう。やりたいことのために、身体を壊さないようにしよう。たまにはのんびり旅に出られるように動ける身体を今から鍛えよう。
 老人こそ、書を捨てて、身体を鍛えよう。

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