知らないうちに主催者になってた話。

大晦日に中老の男（70）が主催する、100人近くがライブ出演する8時間の大型イベント（Zoom未来フェス）というものがある。

1人5分、好きなことを話す。
それをみんなで聞く。
ただそれだけなのだけど、これが実際に参加してみると、とても楽しい。

YouTubeライブではなく、Zoomであることが重要なのだ。
100人参加していれば、そこには100個の窓があり、100人が自分の話を聞いてくれていることがわかる。それがすべてなのだ。私の話を今、リアルタイムで聞いてくれている、そこで私は話をしている。その感覚は、参加した人でないとわからない。見えない相手が1万人聞いていることよりも、10人でも100人でも生身の人間が顔を出して聞いてくれているというインパクトは、本当にすごい。だから僕は未来フェスというイベント企画は本当に本当にすごいと思っていたので、次回も参加しようと思っていたのだ。

とはいえ、僕は正月明けまで本当に忙しい。でもZoomだし、せっかくなので僕も少しだけ顔を出す程度に登壇しようと思っていた。中老の男にはなんだかんだ恩もあるしね。人付き合いは大事だ。うん。

そんなわけでクリスマスイブの今夜、このイベントに関して「最後の方で少し出演しましょうか？」と聞いたところ、過去最大に驚きのリアクションが返ってきた。

「おい、平野、お前が主催者だろう？しっかりしろよ！俺はただの参加者だぞ？頼むぞおい・・・」と言われた。

さらに男は苛立ちを隠せない様子でこう続けた。
「俺は『大晦日に開催するぞ！』って宣言しただけで、その先は何の準備もしてないぞ。全部お前がやるんだよ。」

おいおい、今年のサンタのプレゼントはこれかよ。
とんだジャイアンサンタだな…。おい男よ、何度も言うが、俺じゃないのに俺の限界に挑戦するのは本当にやめてくれ。

「お前には深呼吸学部の仲間がいる。大丈夫だ。」と決め台詞のように言って、一方的にZoomは切れた。困り果てた僕は、モモと名乗る同級生を共犯者にすべく、DMを打ち始めた。

メリークリスマス🎁
モモちゃん、大晦日の夜は、空いてるかい？

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