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記事一覧

「妖怪退治の仕事してるけど、なんか質問ある?」まとめに感動した話③

少し前に雑談のなかで、孫のいる知り合いが「東京生まれの孫を、自分が生まれ育った田舎に連れて行ったとき、やっぱり自然の空気は気持ちいいなあという反応を期待していたのに、土の匂いがくさいと言われてしまった」と言っていて衝撃を受けるとともに、然もありなんと納得してしまうところもありました。おれ自身石川県の山の中の育ち。小さな頃に土と森の匂いに囲まれて育ったのでなければ、もしかしたら今あの匂いはむしろ異質

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「妖怪退治の仕事してるけど、なんか質問ある?」まとめに感動した話②

http://world-fusigi.net/archives/6972808.html

さっそく記事を読んでいくんですが、この話を書いている人が本当のことを言っているのか、いわゆる「釣り」なのかは、この読み物を楽しむうえで大して問題ではないので、どちらでも好きなスタンスで読んでみてください。個人的には6:4で信じる気持ちが強いけれど、創作だったとしてもここの書き方は面白いよなあ、と思う箇所が

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「妖怪退治の仕事してるけど、なんか質問ある?」スレまとめに感動した①

今年の2月ごろに喫茶店でスマホを開いて、ぼんやりしたり心にうつりゆく由無し事をそこはかとなく書きつくったりしていたときに、あるオカルトサイトにたまたま辿り着いた。だいぶ以前から、年に一度くらいオカルトサイトの記事を読みふけるマイブームがやってくる(すぐ終わる)。このとき見つけたサイトもそれに当たるのだけれど、近年は巨大掲示板で盛り上がったスレッドから重要な部分だけを抜粋して編集された、いわゆる「ま

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暴力と理解することについて、大江健三郎「鎖につながれたる魂をして」を読みながら考える

まず、この文章はスタジオローサウェブサイト内に準備中のコラムページとある程度連動するものとして書いています。公開の際には是非そちらと併せて読んでみてもらえたらと思います。

それから、レビューというものに二種類があるとして、この文章は「対象の作品を読んでからでないと楽しめない」ほうの内容のものになると思います。「鎖につながれてる魂をして」を既に読んだ人に向けて書くつもりで、敢えて作品からの直接

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なんとなくって感じ方を、根拠がないからと軽視してしまわないよう努める:保坂和志「考える練習」

久しぶりに一冊の本に強く勇気付けられたと感じる経験をしたのでそのことについて書きます。
といってもひと月前に読んで、内容はほとんど忘れている。細かい内容をほとんど忘れてしまった頃に残るのは、その本から自分が受けた印象、読んでいた時の気分、またそこから時間が経って自分の内で消化され得た成果ということができると思う。

河合隼雄さんが、いわゆる雑誌の夢占い的な興味にさらされた際の専門家の目線で -夢に

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