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「土に呼ばれて」番外編~畑日記④雀始巣(すずめはじめてすくう)

3月20日 畑15日目 子どもと畑へ

 日曜日で子どもが家にいるので、車で畑へ行こうと思っていた。往復50分は子どもの足には少し遠いのではないかと考えていたのだ。しかし保育園の遠足では往復5kmを歩いていたのを思い出し、気が変わった。

 子どもに「畑まで歩いて行こう」と話しかけると、「えーくるまがいい」と言う。「今日は畑遠足だよ」と誘い出した。

 外は風もなく、半袖でも構わないくらい暖かい。子どもは5分ほど歩くとさっそく道路に座り込む。「たくさん歩いてジョイフルに行こう」と声かけし、前へ誘う。

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 住宅街を抜けると、子どもが走り出した。農耕地に入ってしまえば、車は滅多に来ないので安心だ。

 子どもはまだ何も植えられていない農地に果敢に入っていく。人様の土地だし、本来は勝手に入ってはならないのだが、子どもだし多めに見させてもらう。わざと転んでは草地に寝転がったりもしていた。

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 畑に着くと、土は水分を含み、表面だけが乾いている様子だった。少なめに水をやる。明日の天気予報は雨なので、もしかしたら必要なかったかもしれない。まだ水やりの塩梅が分からない。

 隣の畑を見ると、私より植えるのが遅かったのに、明らかに成長が早い。畝が高く、全体として美しい。私も経験を経れば、こんなふうに美しい畑をつくれるようになるだろうか。

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 子どもは側溝でかたつむりの死骸を探したり、草地に寝転んだりしている。まだまだ畑で遊びたかったようだが、昼飯どきが迫っていたので帰路に着く。

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 かくれんぼしつつ帰る。植えられた麦越しに見た空は美しかった。

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3月21日 畑16日目

 祝日。子どもと図書館に行った後に寄る。子どもは借りた本を読みたいようで、「ぼくはくるまにおる」と言う。

 雨の予報だったが、曇りで、水やりがいらないほどに土は湿っている。雑草も芽を出しており、草抜きや石ころ除きなどしたいと思うが、子どもを待たせているのでまたにする。

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