足元

裸足で渚に立つ
波が寄せては引き 引いては寄せる
砂中におろした二本足は波とともに次第に心細くなりゆく
足元は不安定になりゆく
波で削れ崩れゆく足元
それでもじっと立ち続けていると
次第に安定してゆく
砂中におろした二本足は
私の身体を安定させてくれる

画像1

春の海でのこと。
渚を歩きながら、「私が生まれたときはこんな気持ちだったのでは」と感じる。
何の役割にも縛られない私がそこにいる。

春の海で写真を撮ってもらった。
はじめての経験だったので照れくさく、笑ってごまかすばかりだった私の緊張を上手にほぐして、私の知らない表情を引き出してもらった。

私らしくあることは自然や人に引き出してもらうことなのかもしれない。
何かや誰かとのかかわりの中で私らしくいることができる。

あなたがあなたらしくいられたなら、私は私らしくいられる。

自分らしくあるということは信頼できる人たちの中で生活するということでもある。
その中で自然体の自分であるということ。
ゆるやかな共同体のなかで助け合いながら生きるということ。

情けない自分でも「ありがとう」「あなたに出会えてよかった」と感謝し祝福されること。
ありのままの自分を受け入れてもらうこと。

うれしくて涙が流れること。
安定した足元の上にすくすくと自分の生命を育んでゆけること。

いただいたサポート費はよい文章を書くために使わせていただきます!