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「賢く正しく」生きるためには。私の名前は賢正である。

「賢くなりたい」「正しく生きたい」

賢者はいつの時代も尊敬されてきたし、正義はかっこいい対象だ。

賢者は、一般的には賢い人のことを指すが、キリスト教新約聖書では、キリストの生誕を予見した、占星術の学者たちのことを「賢者」と呼ぶらしい。

正義に至っては、正義のヒーローとして子供の頃から慣れ親しんでいる言葉。


できれば賢く生きたいし、正しく生きたいと、みんな思っているだろう。


でも、簡単には賢くなれないし、正しく生きるってなんなんだと、思うこともある。

マイケル・サンデル教授の「これからの「正義」の話をしよう」がヒットしたのも、みんな「正義」とは何か?が分からなくなってきてるからだと思う。


そんな中、「賢く正しく生きてほしい」という願いを込めた名前を付けられた人がいる。


そう、僕である。

名は「賢正」という。読み方は「けんせい」だ。

いまだ、同名の人に会ったことはない。


賢正という漢字の人は珍しいみたいで、よく「珍しい名前ですね」「素敵な名前ですね」と言われる。

でも一方で「名前負けできないな」と思う自分もいる。


常に、賢く・正しく ありたいという感情と、そうなければいけないという感情が入り混じっている。


あるとき、両親に名前の由来を聞いてみた。

どうやら父親が付けてくれたらしい。


父親の名前にも「正」の漢字が入っていて、それを引き継いだ形になっているそうだ。


父親曰く、「もちろん、漢字の通り、賢く正しく生きてほしいという願いがある。でもそれだけじゃない。」


そう単純ではない理由があることに僕は驚いたが、続けて聞いた。


「自分が正しいと思ったことを大事にして、間違っていると思ったことに対してちゃんと意見を言える人、行動できる人になってほしい、という意味もある。」


そう聞いて、心が楽になった自分がいたのも事実。


というのも、どれだけ仲が良かろうが、自分が間違っていると思ったことは、ちゃんと相手に伝えて、改善すべき点は改善すべきだと言ってきた。

どこかで嫌がられると思ったこともあったけど、それは良いことだと思って続けてきた。


そんな仲、20代になって初めて父親から聞いた、名前の由来。父親が願った子に、少しでも育っているのかなと思うと、嬉しくもあり、心も救われた。


正の字が使われる単語には、正義の他にも「正解」という言葉がある。

現代はよく、正解のない時代だと言われる。

正解がないから動けない、そういう人も多くいる。

本当は自分の頭で、考えないといけないんだけど、小学生の頃から「正解探し」に慣れ親しんできた僕らは、正解がない問題の解決には慣れていない。


ある時、尊敬する方に言われた言葉が今も心に残っている。

「世の中に正解はないかもしれないけど、今、君の心の中にある感情や意見は"真"である。だからそれを大事にしなさい。」


確かに、世の中に正解はないかもしれないけど、今この世の中、社会に対して感じること、それ自体は確かに自分自身の感情であり、そう感じたこと自体はまさにそのように存在しているのである。


だから、僕は自分の思っていることを発信することをやめない。この、今まさにこの瞬間に抱いている感情は"真"である。正解か不正解かの問題ではない。


誰かにとっては、それが救いになるかもしれない。だから辞めない。


ただ、一方で、僕には責任がある。確かに感情は"真"ではあるけど、誰かを傷付けることは、間違いなく間違っている。


誰かを傷付けることは許されない。そんな権利は人間にはない。


とはいえ、それもまた正解かどうかが分からないのである。


だからこそ、「正しさとは何か」に僕はずっと向き合う必要があるんだと思う。それを発信し続ける必要もあるんだと思う。


それが義務であり、使命なんだと勝手に思ってる。


たぶん、僕が世の中に生を受けて、「賢正」という名前が付いたのは何かしら意味がある。それをとことん追求していきたいと思う。


それにしても、本当に両親に感謝している。小学生の時は、「賢正」が書けなくて「けん正」と書いて情けないなぁと思う日もあったし、「先生」と発音が似てるが故に、教室で「先生」と聞けばよく間違って振り向いてた。


恥ずかしかったとまでは言わないけど、そこまで誇りが持てなかった自分が、父親から名前の由来を聞くことで、少し楽になった、少し誇りが持てるようになった。


今では、とても大好きな名前である。

おそらく自分の子供ができたら「正」という字をつけるんだろうなぁと思う。


世界がより良い方向に向かうための「正解」や「正義」を常に示していけるように生きていたい。

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