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初心者が形に強くなるための何切る&何切らない問題

この度新著「麻雀・一番やさしい牌効率の教科書」を出版いたしました。

「牌効率を少し勉強した初心者がつまづきやすいポイント」を解説した牌効率本になっています。

ネット麻雀、リアル麻雀問わず(ルールに関係なく)基礎となる「牌効率の基礎=絵合わせ能力」を身につけるための本という感じの内容。

レベル感として雀魂でいうと、雀傑以下の人はほぼ確実にこの本でレベルアップできますし、雀豪の人も本の中の何割かは実践でできてないポイントがあると思います。

今回のnoteではこの記事の「実践問題集」ということで、初心者初級者が形に強くなるために必要なエッセンスが詰まった何切る&何切らない問題を50問収録します。

(何切らない問題とはなんぞや、というのはこのあと解説しますね。)

書籍を読んでない人でも純粋な何切る問題記事として楽しめるよう作成していますが、書籍を読んでいる人がより関連づけて学べるよう記事中には「本のこのあたりに詳しい解説があります」といった記述があります。

※更新:4/30 新規追加の問題は「6問☆」のように見出しに☆がついているので、初期に購入した方は参考にしてください。
また誤字や説明がわかりづらい箇所に関しては適宜チェックして直していきますが、もし「これどういう意味?」「これおかしくない?」というのがあればコメントでもDMでも教えてください!


1.無料問題

本編ではテーマ別に問題を出していきたいと思いますが、まずはこの記事がどんな記事なのか確かめていただくため、テーマやレベル感はランダムで問題を5問紹介します。
ざっくりこれくらいのレベル幅の問題と解説が役に立ちそうだ、と思っていただけたらご購入を検討いただけますと幸いです。

1問

簡単だという人は普通の何切るのように「最も得をする選択肢」も考えてみてください。

今回の記事では通常の何切る問題の他に、このような形式の「何切らない問題」を入れています。

麻雀というのは何が正解かとても難しい場面が多いゲームです。捨牌を加味しない平面何切るであっても、強者同士で意見が分かれることはよくあります。

初中級者が強くなりたいと思うなら、そういった「100点満点の解答」を選べるようになることよりも「赤点の回答」を選ばないことの方が大切です。

そこでこのような形式で「これだけは切ると大損だよ」という選択を伝えています。

もちろん、普通の何切るとして解きたい人はそのように考えてもらっても大丈夫ですが、例えば正解できたとしても「正解の選択と赤点の選択で迷った」という人は実践では赤点の方を選んでるかもしれません。
それよりは「自信をもって2番目に期待値の高い(正解ではないが赤点でもない)選択を選んだ」人の方が強いということもあります。これが麻雀です

というわけで解答と解説にいきます。解答の前には何行かあけておくのでゆっくり考えたい方はスクロールを止めて考えてみてください。



再掲

最も切ってはいけないのはA.1m
(m=マンズ、p=ピンズ、s=ソーズ)
逆に切ったほうが良い(期待値が高くなる)のはB.4mです。

まずなぜ1mを切ってはいけないかというと、それはシャンテン数が戻ってしまうから。
「一番やさしい牌効率の教科書(以下、書籍)」をお持ちの方は第1章をお読みください。

この牌姿1mを選んでしまう人の思考はいくつか考えられますが
「リャンメンは強い形だから切ってはいけない」
「1mを切ればタンヤオがつきそう」
「雀頭のない形(ヘッドレス)が強いと聞いた覚えがある」

などではないでしょうか。
これらの文言自体は正しいのですが、それを重視した結果シャンテン数が戻ってしまう場合その選択は正解とはならないことが多いので注意が必要です。
このようなミスを減らすために、牌効率を学ぶ場合はまず一番初めにシャンテン数と受け入れの概念についてしっかりと理解しておく必要があります

再掲

次になぜ7sよりも4mの方がより正解に近いのか。

マンズの3467mという形はどちらも5mが必要な「二度受け」になっています。
78sを切った場合受け入れは25mと58m。5mが被っているので3種類。
34mを切った場合受け入れは58mと69sの4種類。こちらの方が多くなります。

「マンズを残せば5mを引いた時に3メンチャンという強い待ちでリーチを打てる」

というメリットもありますが、麻雀は相手より先にテンパイして先にリーチを打つことが何よりも強い戦術なので、「たまに3メンチャンでリーチができること」よりも「先にリャンメンリーチを打てる確率を高めること」の方が重要となります。

とはいえ4m切りと7s切りの差よりも、7s切りと1m切りの差の方がはるかに大きいため、初心者の方はまず「1mを切らないロジック」を理解できるようになりましょう。

2問

選択肢がない問題は普通に何切るとしてお答えください。特に指定がなければ「東一局南家5巡目」となります。

今回は普通の何切る問題です。これは何を切るのが良いでしょうか。





では解答行きます。

再掲

答えは9s切りです。

3467pの部分が先ほど学んだ二度受けになっています。二度受けは弱いから切るというのが第1問のときの解答でしたが、今回は二度受けを残すのが正解です。
何切るを学んでいると、このように矛盾に感じてしまう(人もいる)問題に遭遇することがよくあります。これを整理するのが牌効率の実力向上には不可欠です

まず3467pの二度受けというのは受け入れが258pの3種類12枚。そしてここを残した場合最終的な待ちは必ずリャンメン以上です。

一方で9sは22m99sの部分で「シャンポン」受けとなります。シャンポン受けは受け入れが4枚。
つまり34pを切って67p+22m99sとなると、受け入れは58pとシャンポンの12枚。先ほどと同じですが、最終形がシャンポン4枚待ちになってしまう可能性がある分損ということになります。

簡単にいうなら

普通のリャンメン > 二度受けのリャンメン > シャンポンやカンチャンなどの愚形ターツ

という順序になります。
さまざまな何切るをやったときに、この不等号を頭の中につくれると一気に強くなることができます。

3問

では第3問。また何切らない問題です。




では解答いきます。

 再掲

最も切ってはいけないのはB.1s
純粋な正解はA.9pです。

今回はまず9pと西の違いから解説します。
9pと西は両方とも孤立牌であり、ほぼほぼ不要な牌です。
一般的に孤立牌を切る場合は字牌から切っていくのが正解とされますが、今回の問題では6p9pとスジで持っているのがポイントです。

9pの有効牌(引くと手が進む牌)は789pの3種類ですが、そのうち7p8pに関しては6pと被っています。つまりこの手は9pがなくても7p8pを受けられるのです。

このように6を持っているときの9や、4を持っているときの1というのは、受け入れが字牌と同じの弱い牌。それならのちのち安全牌にもなる字牌を手に残すのが良い、というセオリーがあります。

ですが、こんなセオリーよりもっと大事なことがある、というのがこの問題の趣旨です

上記の説明は正しく、ぜひ覚えてほしいことではありますが、「西を残して9pを切ったことで得する場面」がどれだけあるかと言われれば、滅多にありません。

 再掲

あらためて今回の手牌をみると12sはターツです。
ペンチャンというのはターツの中では一番弱い牌ですが、それでも孤立牌よりは重要。
9pと西の比較ができることよりも、こういう手牌でうっかりペンチャンを払わず機械的に孤立牌を処理していくことの方がはるかに重要です。

4問

普通の何切るです。何を切るのが良いでしょうか。






解答いきます。

再掲

答えは1mです。

よくある誤答は3pですね。
334という形は確かに3を切ってもリャンメンが残りますからあまり大きなロスにはなりません。

しかし一手進んだときに差がでます。

上の手牌から1mを切ってツモ4s(そして打1s)としたときの手牌

2mと3pのシャンポン受けが残るいわゆる「完全1シャンテン」という形になります。この方がテンパイしやすいから強いわけですね。

ただ初心者のうちはこのような1手進んだ形を予想するのは難しいですよね。
そこで1手先を考えずともこの手牌を正解するための考え方が「トイツ(雀頭候補)は2つある状態が強い」というものです。

再掲

この手、22mと33pのふたつのトイツがあります。これを2つのまま進める方が、ゆくゆく強い形になりやすいという理論があります。

トイツを2つ残すとすれば切るのは1mか4pですが、4pを切るとリャンメンが消えてしまうので1m切りになる、と考えればスムーズに1m切りに辿り着けるのではないでしょうか。

5問


何を切るのが良いでしょうか。





では解答いきます。


解答は3pです。

今度は334から3切るんか〜〜い、と思う人がいるかなと思って問題としました。
さっきは334をキープしておく、今度は334から3を切る。ここらへんで混乱してしまう人は多いのではないかと思います。

ですが実はこの2問、同じ考え方で解ける問題です

それが先ほども説明した「トイツ(雀頭候補)は2つあった方が強い」というもの。
今回の手牌トイツの数を数えると22mと33pと77sの3つあります。
先ほどはトイツの数がふたつだったからトイツを壊さない牌から選択しましたが、今回はトイツの数が3つのなので、一つ減らすとちょうどよくなる。したがって3pと7sのどちらかが正解となります

その上で3pと7sの差はドラが4pであること。

334pという形でもっていると3pがアンコになったとき(もしくは2mがアンコになったとき)にドラの4pを切ることになってしまいます。
それはあまり嬉しくないので3pを切る、というのが正解です。

ただし3pと7sの差より、この形は3p7sを切ることで完全1シャンテンになるというのを理解する方が重要です。


いかがでしたでしょうか。
最初にも書いた通り、無料問題はこの記事全体の雰囲気をお伝えするため「何切るも何切らないもごちゃまぜ」「レベル感やテーマもごちゃまぜ」で5問出題しました。

ここからは書籍の内容にあわせてテーマ別に問題を出題していきたいと思います。


2.序盤〜1シャンテンまで重要な「孤立牌選択」の何切る&何切らない問題

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