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金融リテラシー教育は、独自にでも家庭で進めたいと思った 〜【論文】「学校での金融経済教育の経験が金融リテラシーや 金融行動に与える影響」を読んで

小学生の娘に、将来生きていく上で困る事が少なくなるよう、金融リテラシー教育を家庭で独自に進めようと情報を漁っています。

特に本などの情報をインプットし、ここでは概要や書評としてアウトプットをしていますが、今回は金融リテラシー教育に関する論文を読んで思ったことや論文の概要などを書き留めておこうと思います。

金融リテラシーの教育に関する論文や研究は、調べるといくつか存在していました。

もっとマイナーな分野かなとも思ったのですが、大学を卒業してすぐに(もしくは在学中に)起業して就職活動をしない学生がいたり、ビットコインなどの暗号通貨が流通したりと、金融関連の情報もどんどんアップデートしていますから、教育面も重要視されているのかなと思います。

今回紹介した論文ですが、先に分析された「金融リテラシーと金融トラブルに関する調査」をもとに、学生時代に金融に関連する教育を受けた効果がどのようなものだったのかなどを分析しています。

やっぱりそうだよね、というような結果もまとめられていますが、定量的に分析された結果を見るのはとても有意義だと思いますので、要約や分析された表だけでもチラッと見ておくのをお勧めします。

論文
学校での金融経済教育の経験が金融リテラシーや 金融行動に与える影響
PDFファイル

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こんなケースにおすすめ 〜小学生に教えるお金の話
✔︎ 子供に金融の教育を進めるのは感覚的によさそうだけど、本当のところはどうなの?という疑問を持っている人
✔︎ 金融の教育はいつ頃から、どういう分野に対し行うのがいいの?と統計的に見てみたい人
✔︎ そんな研究してるんだー、と単純に興味を持った人
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金融経済の教育を受けているかの比率は、大卒は年代が高くなるほど上がるが、高卒は年代が高くなるごとに低くなっている

まず前段として、金融リテラシーの教育というのは昨今の学校教育の中でどの程度行われているのか?という問いです。

調査したデータによると、学歴によって傾向が違っていました。
大卒の場合は、金融教育を受けた割合は20歳代で57.9%に対し、50歳代で66.1%と8ポイントほど高いのですが、高卒の場合は、20歳代で64.3%に対し50歳代では47.0%と大きく下がっていました。

この数値を見て思う事は2つあります。

まず、金融リテラシーの教育は昔は大学以上で厚く行われていた、ということです。
逆に言うと、高校以下の教育現場ではあまり金融リテラシーの教育が薄めであったということが言えそうです。
で、今はどうかというと、高校でも大学でもさほど変わらない教育になっている模様。ただし、中学以下になるとガクッと教育率が下がっていたので、今は高校以上で金融リテラシーの教育が多くなっているようです。

もう一つは、我々親世代(私は40歳代)の考えは、今の現状とマッチしない可能性があるということを認識する必要があるんだと思いました。

学歴によって金融リテラシーの教育を受けた比率は違いますが、大きく見ると今の20歳代の方が40歳代50歳代の人と比べて金融リテラシーの教育を受けている率が高い、という結果がありました。

こういうのを見ると、自戒を込めて思うのは、自分自身が「今の子供にはこうすべし」と思うことは間違っている可能性があると客観的に見直す必要があるということを認識しておいた方がよさそうということです。

我々世代は、積極的に新しい情報や考えを取り入れて、頭の中をアップデートして最新版に保つことが重要なんだと思いました。

ちなみに、ここで言う「金融リテラシー教育」とは、銀行についてだったり経済の基本的な仕組みであったりも含まれているので、現状ではそのあたりの教育がほとんどになるようです。

金融経済の教育を受けていると、金融に関するトラブルに逢う確率が高くなるということ

この見出しを読むと、「あれ?逆じゃないの?」と思うかもしれませんが、これも数値で現れていました。

金融リテラシーの教育を受けている人が金融に関するなんらかのトラブルにあった率は73.7%に対し、教育を受けていない人の場合は59.1%だったようです。

これ、つまりは、金融リテラシーが上がると金融商品やサービスなどに近づく機会が多くなるということのようです。
逆に言うと、金融リテラシーがないとそういったものに近寄らないので、トラブルにも会わない、ということになります。

ただ、これは悪い話ではないようです。
金融リテラシーの高い人は、トラブルに会うものの、それらに対し回避したり対処する行動を取る確率も高いのです。

つまり、自分で考えて行動をすることができるようになるのが、金融リテラシーの教育の結果なんだと思いました。

金融商品や金融サービスを購入した後に「後悔」を感じた場合に取る行動に違いが起こる

先にも述べたように、金融リテラシーの高い人はトラブルに会った際に自分で考えた対応を取るようになるようです。

これ買うべきではなかったなと後悔したとしても、返品を交渉したり何らかの行動を取る傾向が高いということです。

こういう結果を見ると、金融リテラシーの教育はしていくべきだし、リテラシーを高めることは重要なんだと思います。

「信用」ということの重要性を理解し、常に意識するようになる

金融リテラシーの教育を受けた人は、「信用」ということの重要性を理解するようになるようです。

なので、負債は少なく、滞納など信用を減らすような行動を取らない傾向になっていくということです。

私は今まで、金融リテラシーの教育は「稼ぐ」というキーワードがメインで考えていたのですが、なるほど、資産を守るということにも繋がることだし、それも重要なんだと感じました。

この「信用」というのは、稼ぐも守るもどちらにも共通して必要な要素ですし、その理解度が深まるのであれば、そういった教育を受けさせるのは本当に重要なんだと思います。

はたして金融リテラシーの教育はいつから行うのが望ましいのか

金融リテラシーの教育は、小学生よりも中学生に与える方がより大きな効果があったという報告がまとめられています。

自分で考えられるベースとなる要素が自身の中にある程度持った段階の方が、このような知識や考えは吸収されやすい、ということのようです。

また、この金融リテラシーに関する教育は、その興味関心を長期間保有しにくい、という結果も出ているようでした。
つまり、継続的に教育を続けていかないと、効果が薄れていくようです。

年齢とともに薄れていってしまう。

であれば、中学生からの吸収率が高いという結果があったとしても、小学生など早めの段階から、基礎的な情報を与え続けていくということもありなのかなとは思いました。

まとめ

非常に長く書いてしまいましたが、、

詰まるところ、金融リテラシー教育が子供にとって必要となり得るのか、という問いには、YESという回答になりそうです。

短絡的に、お金を稼ぐマインドが持てそう、というような話ではなく、お金との付き合い方を知った生き方ができるようになる、というような感じなんだと思います。

ただ、その教育方針はまだ確立されていないようです。

ひとまず、よい教育法はないのか、論文なども含め情報を集めて整理し、実践しながら見出していきたいと思っています。


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