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子供の「やる気」を科学的にマーケティングする 〜「「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法」

小学生の娘に、今のうちからビジネスマインドの種を少しでも持ってもらい、将来の糧してもらえるようなことができないか、日々考え実践(ある意味実験)をしています。

娘に読ませる本、親が実践する上で参考になる本の書評をしてみています。
同じ想い、同じ境遇の方々の参考になれば。

基本的に「子供向け、お金についての解説本」だったり「親子で学ぶお金の知識的な本」を中心に読んで(もしくは読ませて)みていますが、今回は、子供のやる気をいかに上手く引き出せるのかについての本について、読んで感じたことや参考になりそうなところを書いていきたいと思います。

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こんなケースにおすすめ 〜小学生に教えるお金の話
✔︎ まだお金のことなどに興味が持てていない子供達の興味を向けさせたい
✔︎ 検証や分析に基づいた理論をロジカルに理解し、我が家の取り組みに組み込みたい
✔︎ どうせなら、子供が勉強にハマる方法を同時に知りたい
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主題は「勉強にハマる方法」だが、いかに対象となる行為を子供の興味にできるかという考えは共通して使える

本の帯に、このように書いてありました。

「勉強しなさい!」は、勉強ギライにさせる最強の方法です。
お子さんを勉強好きにしたいなら、本書でコツを学んでみてください。

こうあるように、本書は子供がいかに勉強に向き合うのかについて書いてあります。
これって「勉強」→「お金やビジネスの勉強」としても成立するのではないか。つまりは、子供にとって初めは興味がなくても興味を向けさせる方法を理解することは、応用が効きそうです。

例えば、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって提唱された「ザイアンス効果」という理論について説明されている部分があります。
マーケティングでもよく取り入れられますが、接触頻度と人が感じる印象は比例をするという理論です。

この本で書かれているのは、「人は認知度が高いこと(人)に好印象を持つ」ということなのですが、これを、子供にお金やビジネスの勉強に興味を持ってもらうことに応用すると、親が事前に読んだ「子供に読ませたいお金やビジネスの子供向け本」の内容をさりげなく普段の生活で話してあげたりしておくことで、子供にとってなんとなく知った事となり、実際にそれらの本を読み始めると聞きかじった内容が出てくることで興味が湧きやすいということになります。

同様に、普段の勉強にも出てくるようなこと(例えば分数とか)も一緒に話をしたりすれば、同時に学校の勉強にもハマってくれるかもしれません。

教育機関などで実際に分析・検証されたエビデンスが基になった理論で展開されているので、再現性が高い(と思う)

前の項目にも書きましたが、この本にはナントカ教授が検証した〜とか、ナニソレ大学で実証されたとか、理論がいくつも出てきます。

個人的には、そういったすでに論文として世に出されている情報を基に説明されると弱いです。
つまり、実際に同じように試してみたら自分たちの家庭でも再現される可能性が高いのでは、と思えますよね。

「動機付けの二要因分類」という考え方が紹介されています。
東京大学の市川伸一教授が「人はなぜ勉強をするのか」のアンケートを分類し、定義付けた考え方です。

その分類は6つに分類されるのですが、それらを大きく「内発的動機」と「外発的動機」の2つに分類して定義しています。
内発的動機は、自分自身の内側から湧き出てくるやる気で、外発的動機は、外から与えられて発動する動機です。

本書では(そもそもの「動機付けの二要因分類」について別途詳しく調べていないので、本書からのみの情報になりますが)、いかに内発的動機に火をつけるのかが鍵になると言っています。

というように、すでに研究され分析された内容をベースに、それをどうやって子供の勉強モチベーションを高めることに利用できるのかがまとめられており、ロジカルで大人としては安心できます。

ステップごとに説明されているため、実践する具体的なイメージが付けやすい

前述した動機付けの二要因分類ですが、書いているように内発的動機は火がつきにくいですが、火が着くと持続するんですね。

火が着きにくいからどうするか。
外発的動機から火を着けていく、という方法があるとのこと。
外発的動機とは、ご褒美で釣るとかそういう類の方法です。

外発的動機は自ら火が持続しにくいため、外発的に着火し続ける必要があるのですが、その着火の仕方や注意点なども本書にあり、興味を向けて欲しい対象について子供がどの程度のハマり具合なのか(もしくは興味がないのか)によって、どういう作戦でいけばいいのか、ステップが理解できます。

その他、脳の2階構造についてなど、今はどこにいるから順番に進めて行こうということが設計しやすく、参考になると思います。

まとめ

いろんな理論に基づいて子供のやる気を引き出すこと、よーく考えてみるとこれってマーケティングなんだなと思いました。

顧客の「欲しい」や「やりたい」をいかに引き出すか。
これは、親が「やりなさい」という前から、子供自ら「やりたい」と思うことを引き出すこととほぼ同じなんだと。

本書の中に出てきますが、「蓋が閉められた箱に入れられたノミは、蓋を開けても蓋の高さ以上は飛ばない」というのがあります。
これも実験で検証された(といってもノミで実験されたわけではないようですが)事象で、外的要因によって設定された上限があった場合、人間は知らず知らずのうちにその上限以上のことはしなくなる(上限の条件が外されても上に行かない)、ということが起こるそうです。

親としても、出来る限り子供の可能性に枷を付けず、よい方向に導いてあげたいものです。

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