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”レモネードを売る”体験を読書で習得できるか 〜「ショーバイ・クエスト 大商神伝説★そして繁盛へ」

自分の小遣いをいかに増やして、好きなものを思う存分?買うことができるようなビジネスマインドが備わるよう、小学生の娘を導いていくための本を探しては読み漁っています。

今回の書評「ショーバイ・クエスト 大商神伝説★そして繁盛へ」は、”まさに子供向け!”な表紙とタイトルに大人の私がグッときてしまい、(初代ドラクエ世代なので、、)思わずジャケ買いしてしまった代物です。

あらすじなどはAmazon様にお任せするとして、ここでは小学生がビジネスしてお金を稼ぐということを知るために、どういう部分が合っているか、どういうタイプの内容を理解できそうか、もしくは小学生では無理な内容はどの辺だったか、あたりを整理したいと思います。

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こんなケースにおすすめ 〜小学生に教えるお金の話

✔︎ 小学生は中学年(3〜4年生)くらいから読めそう
✔︎ 普段から物語の本を読んでいる子は、楽しんで読破できそう
✔︎ 自分でメルカリをやってみる(親の保護下のもと)とか、何かを売ってみるという体験をしながら読むと、うまくいかなかった時の教科書になる
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漫画部分だけ読んでも理解は深まらない

ジャケットからもお分かりのように、漫画と文章で構成された子供向けの本になります。
こういう本は、「漫画部分を読むと大筋が理解できる」ものかなと思っていましたが、漫画の部分だけ読んだだけでは全体を通じてこの本が伝えたいことは理解できない構成になっています。

というのも、ページの構成としては、漫画3:文章7くらいでしょうか。
でも、文章は解説ではなく(最後の方は少しまとめの解説が入りますが)物語として進んでいきます。
なので、小学生も「お話」として読み進めることができます。

ただ、そこは子供なので、漫画をつまみ読みして終わり、、になったりしますが。

ということで、我が家の娘のように「漫画のつまみ読み」で1回目の読書が終わってしまう場合は、「お話の部分、読んでみたけど面白かったから読んでみたら〜」的に誘導してあげるのがよいかなと思います。

仕入れて価値を付ける、仕入れには原価がある、という流れの理解

本の題名が「ショーバイ・クエスト」ということで、「商売」についてのお話です。

「商売」を辞書で調べてみると、「売り買いの営業。あきない。」とありました。ということで、この本が通して描いているのは「仕入れたものに価値を付けて売る」という商売を、小学生が体験(擬似体験?)していく内容になっています。

なので、物を売って稼ぐこと、なぜ利益が出るのか、お客様になる人はどうしてお金を支払うのか、という大きな商売の流れと中身を理解することはできると思います。

いや、できるかな。。
大人がビジネス的な背景を理解した上で読むと、「あぁこの部分はこういうことを伝えたいんだな」と読み進められるのですが、小学生はもしかすると単なるお話として読んで終わってしまう可能性がありそうかなとも思います。

一応、それぞれの章の最後に、伝えたいことのまとめが記載されているのですが、子供は読まないかも。。

子供が一度読み終わったら、親子で感想を言い合うとか、補助的に解説する時間を取ってみるとか、するとよいかと思います。

具体的な商売の仕組みというよりも心得的な内容が多い

全体を通して伝えていることは、
ショーバイ・キングはシンライ・キング
とのことです。

つまり、商売には信頼がとっても大切ですよって言っているんですね。

商売(ビジネス)をする立場としてお客様に対してどう接するべきか、という心得的なメッセージが強いなと思います。
小学生ではなかなか”反対側”(つまり、買う側ではなく売る側)の立場になることはレアですし、想像するのも難しいと思うので、こういう本によって擬似的に体験することを通して、”売る側”の気持ちや思う事を知ってみるのはよいのではないかと思いました。

まとめ

表紙も漫画、本文にも漫画が挟まれていて、小学生に読ませるには取っ付きは悪くないと思います。
それに、ちょっとゲームっぽい(若干、ファミコン世代のゲーム感はありますが)タイトルの中身なので、それも小学生的には受け入れやすそう。

ただし、そういうライトなイメージで入ると、漫画部分を読んで終わりになりそうなので、親として誘導してあげるか、一緒に読んで話をしていくか、フォローは必要そうです。

中身は、まさに”商売”について。
先にも書いたように、小学生が売る側になることは難しいので、本を通して擬似体験し、考えていくのにはよいかなと思います。
読後に親子で一緒に話をするのもいいですね。

この本を読み終わって、「自分も商売してみたい!」ってなったら、ガレージでレモネードでも売ってみるのもいいかもしれませんね。

うまくいかなかったら、この本を教科書にして「なぜ売れなかったのか?」を考えて試行錯誤する、という体験をさせることもできるかもしれません。

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