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はじめに[Premiere Pro 忘備録]

Final Cut Pro から Adobe Premiere Pro へ

ずっと長いこと、動画編集には Final Cut Pro を使ってきたが、最近訳あって Adobe Premiere Pro に切り替えた。両者、できることに大差はなくても、扱い方は天と地ほど違う。もう想像を遥かに超えたストレス。しばらく苦しい時間を過ごしてきたけれど、ようやく今少しずつ明かりが見えてきた。折角苦労して新しく覚えたことも、放っておくとすぐに忘れてしまってさらにストレス倍増なので、忘備録として可能な限りココに記録していこうと思う。

切り替えのキッカケ

切り替えの一番大きな要因となったのは、テキストに関する問題だ。
Final Cut Pro でタイトルやテロップを入れる場合、予め用意されたテンプレートをそのまま使う場合を除いて、Motion と言う別アプリが必要だ。
(そのテンプレート自体が Motion で作ってあるので、別売だがセット品と考えた方が良い。もっとも、Final Cut Pro も Motion も、良心的な買い切り価格でありながら、機能は間違いなくプロ向けなので、Mac ユーザが動画をやるなら最初に揃えるべきアプリと言える。)
対して、Premiere Pro の場合、複雑な動きを求めない限り、Premiere Pro 単体で完結する。文字入れの度に別アプリを起動する必要はない。
もっとも、このこと自体は切り替えの直接的な要因ではない。Motion は既に持ってるし、Adobe に年貢も納めてるわけだから。
問題はもっと細かいところにある。

文字組み問題

Motion(= Final Cut Pro)は文字組みに弱い。めちゃくちゃ弱い。漢字やかなの混在、カッコなど約物があっても基本的に等幅となる。かな文字は間延びするし(かっこ)の前後も大きく空く。だから「文字間隔」である程度まとめて一定量の文字ツメを施したあと、「カーニング」で一文字つずつ微調整してやる。5文字6文字ならともかく、20文字30文字だと「なぜオレはこんなことを?」て思うし、それがテロップで延々続くと「こんなこともうやってられんわ!」ってなる。最後はもう見て見ぬふり。妥協。
対して、Premiere Pro の場合、デフォルトのままでそれなりの文字組みが出来上がる。メトリクスとかオプティカルとかの選択肢があるわけではないのに。
ネット情報によれば、これはエッセンシャルグラフィックスが導入されてからの挙動らしい。さらに、カーニングの数値をゼロ以外に設定すれば等幅になる、との情報も。試してみたら確かにそんな感じだった。
また、以前のレガシータイトルが使われている時は等幅だったらしい。
でも、これはとってもありがたいこと。タイトルもテロップも、ほとんどの場合そのままの文字組みで満足できる。おまけに別アプリを起動する必要もない。タイトル・テロップ作成に関しては圧倒的に Premiere Pro が上だとわかった。

Motion で作成したタイトル
Premiere Pro で作成したタイトル

フォント選択問題

モリサワやフォントワークスと仲良くなりたいけど、年貢を納めるのは Adobe で精一杯。必然的にフォント選びは Adobe Fonts 頼りとなる。その Adobe Fonts は Motion との相性が悪い。Adobe Fonts だけ悪いのか、モリサワやフォントワークスでも同じなのか、定かではないが、とにかく Motion でのフォント選択は超絶やり難い。
まず、Motion 上でのフォントリストでは日本語フォントと英字フォントがごちゃ混ぜに表示される。そしてフォント名も日本語表記がほとんど見当たらず、英字表記のそれらが英字フォントの中に紛れてる。パッと見で、日本語フォントがどれなのか、さっぱりわからない。さらに、はっきりと頭から日本語表記されてる日本語フォントは、リストの最後に20足らずしかない状況。
たくさん入れてるはずのフォントが、ホントにこの中に全部あるのか?疑問に思って、しらみつぶしに探してみた結果、多くのフォントがリストに表示されてないことが判明。そして、Apple サポートに連絡して得られた解決策は「Motion を英語環境にて起動する」と言うものだった。なんじゃそりゃ!?
まぁ英語環境にするのは実は簡単で、システム設定から「言語と地域」「優先する言語」欄の先頭に English を指定するだけ。システム再起動は必要ない。「優先する言語」は複数設定できるので、日本語と English を両方入れておいて、Motion 起動前に順番を入れ替えればOK。
とは言え、手間だし、その間 Motion のメニューは全て英語表記だし、英語のメニューて意味わからんの多いし、翻訳しても「なにそれ?どゆ意味よ?」てなるし、日本語環境に戻して Motion 再起動して「あぁそういうことか」てなって、また文字入れで Motion 再々起動して、あーもう!、て。

英語環境で起動したMotion 上のフォントリストの一部
源ノ角ゴシックが 'S' の中に出てくるのも謎

Illustrator, Photoshop との親和性

そんなフォント関係のイライラから、やがてタイトルなどは Illustrator で作るようになった。作って PNG で書き出して Motion で読み込んで配置。でも、やっぱり手間だ。そこまでして Final Cut Pro に固執する必要ある?もう Premiere Pro でいいんじゃね?Premiere Pro ならたとえ Illustrator 使ったとしてもわざわざ PNG で書き出す必要ないはずだし、Adobe 年貢は納めてるんだし、使わない手はないなと。あとは慣れるまでのストレスと戦う勇気があるかどうか。

情報量の差

ネット上の情報量は、Premiere Pro と Final Cut Pro を比較すると圧倒的に Premiere Pro の方が多い。After Effects と Motion でも同様。Apple 好きとしては悔しいけど、まぁ仕方ない。

Premiere Pro は分かりにくい、でも・・・

Final Cut Pro を使ってたから思うんだろうけど、Premiere Pro の何と分かりにくいことか。UI の出来とか UX の観点では絶対に Final Cut Pro の方が上だと思う(個人的見解)。ただ、前身の Final Cut 7 や、他の動画編集ソフトを見てると(使ったことないので単なる印象だけど)、Premiere Pro の方が形としてはきっとスタンダードなんだろうなって思う。こうなったらもう、ただひたすらに慣れるしかない。


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