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うちの家族は夏目漱石


今日は朝から、兄の電話でシャキッとした。

普段電話はあまりしないので
何かと思えば、白砂糖は買うなよ。とのことだった。

うちの家族はこういうところがある。

何を言っているのかよくわからないが
考えてみると別の意味が含まれた、遠回しな表現をもちいるところがあるのだ。

例えば母は、私がお誕生日に招待したご飯屋さんで、
シメにお味噌汁を飲んでいるとき、

「(わたし)ちゃんは、(彼氏の名前)ちゃんと、好きなお味噌同じ?」

と聞いてきた。

わけがわからない。

麹の味噌が好きだと伝えると、これはすなわち、
母は娘に味噌の味を伝授できたのが嬉しい、の意であり
(母は祖母の赤味噌よりも麹が好きらしく家族で好みが違うことが、
 なんだかさみしかったらしい)

そしてすなわち、

幸せになりなさい、の意であったことに
お店を出てから気づいた。

そして話を戻すと今回の、お兄ちゃんの
「白砂糖は買うなよ?」は、

東京でもちゃんといいものを作って食べなさい、の意であり、
俺は奥さん(妊婦さん)の体調管理しっかりしているぞ、の意であった。


昔から母は、私に
なんでそんなこともわかんないかな?

とよく言った。

それに対して、私は、
ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ。と言っていた。

それくらい、家族との会話には想像力が必要だ。

言うなれば、うちの家族は夏目漱石みたいなものだ。
(誰もそんな文豪ではないけど、月が綺麗ですね、みたいな構文が生まれつき
 備わってるんだと思う。)


私は中学で英語という言語にどっぷりはまってしまったので
幸か不幸か、含みのない、簡潔な表現をたくさん覚えた。

英語には、家族で話す言葉のように
面倒臭いところがないから、好きだったのかもしれない。

とはいえ、なんでもはっきりと言うことを覚えた私だったが、
結局舞い戻ったのは、面倒臭い事ばかりのフランス語だ。

(決して嫌いではない。親しみを込めて「面倒臭い」を形容詞につけた。)

フランス語は、それこそ岩手で話す言葉のように?
いや家族で話す言葉のように
よくわからない表現や用法、規則ばかりの複雑な言葉のように思う。

子供の頃から体に染み付いた、癖のようなものが
言語にもあるのかもしれないと最近思うようになった。

あ、よく言われる、
フランス語は東北弁に似ている。というのは発音というより、
回りくどい言葉の使い方のこと、なのかもしれない。

東北人は、というか少なくとも岩手県民は
恥ずかしがり屋なので、結果回りくどい言い方になってしまった、というのが正しいのだろうけど。

きっとフランス語はもっとロマンチックそうだな。

そこらへん勉強してみようかな。


今日は買い出しに行ったイトーヨーカドーで、
おじいちゃん店員さんが熱心に
カゴを消毒していた。

元気に全部消毒したからね!はい!!と言いながら
渡してくれて、
めちゃくちゃ元気になったので今日はそれだけでいい日。





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