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パパママのためのアウトドア講座ー川あそびに潜む罠②

 今年も暑いもので、こういった季節は子どももおとなも水を求めたくなりますね!身近で代表的な遊びといえば、川遊び。涼しい!お金かからない!身近で楽しい!とイイコト3拍子そろった遊びとしてみんな好きですね。(たぶん)
 ところが、川は一歩間違えると急激に恐ろしいところに変わるのはみなさんご存じのはず。それなりに気を付けて遊んでいるとは思いますが、意外と「えっ!?そんなこと知らんかった」という盲点、つまり罠のような場所もあるわけです。今日はちょっとした地形的な罠を共有しようと思います。

 さて、本日のお題はコチラの場所↓

楽しそう?怖そう? ココで遊ぶ?遊ばない???

 なんだか見るだけで涼しそうですね。この写真をみてどんなイメージを持ちますか?
・なんだか深そう
・白い波が立っていてゴーってなってそう
・飛び込んだら楽しそう
・滑り台みたいになってる。ウォータースライダーとかできたり!?
などなど、いろいろありそうです。

このうち、今日は「ウォータースライダーできそう」に着目して地形をみてみましょう。

動画でみるとこんな感じです。

確かに滑り台みたいにしたら楽しそうですね。
ところが、このスライダーのような落ち込みに今回の罠があります。
この場所のように水が岩を乗り越えて、あるいは滝のように上から流れ落ちる部分のことを「ホール」と呼んだりします。

 ホールの中や先は岩や地形によってさまざまな水の流れがありますが、特に危険性が高いのは、落ち込んだ水が上流側に戻ってくる流れがある場所です。(リサーキュレーションとも言います。)
 さらにさらに、下流から見てにこちゃんマーク😊の「怒った口😠」のように見える地形はよりデンジャラスと言えます。下の写真は下流側から捉えた写真。よく見ると岩が😠マークの口と同じようなカタチをしていますよね。

怒った口の形のホールで「アングリーホール」と呼ぶ人もいます。

 この地形の何が問題か…。
そこに流れいって水中に落ち込むと、中心部に向かって戻ろうとする流れに捕まるので「抜け出せなく」なる場合があります。

この地形に起こる流れのイメージ

ここに人が入り込むとどんな動きをするかというと…

 動画を見ると、沈んで浮いた瞬間上流部に体が持っていかれてますね。
この日は水量がすく無かったのでそのまま脱出できましたが、こんな小さなところでも、下が深く水量がもっと強い日は、もっと強く引き戻され、そのまままた水中に引きずり込まれてしまいます。そしてだいたいこのプロセスでパニックになってしまい、冷静さを失ったまま水を飲んで溺れる…ということが心配です。

 川では「浮くこと」が何よりも大切なのでライフジャケットを着て遊ぶことはとってもいい選択肢です。しかし、ライフジャケットをつけていれば安心かというと、この地形はそうでもなく、やはり同じようなプロセスが生まれます。「リサーキュレーション」の力は想像以上に強いのです。そしてホールの地形がそれを悪化させます。


まとめ
・川の水が強く落ち込んでいるところには上流に反転する流れ(リサーキュレーション)が生まれやすい。
・ホールの地形によってリサーキュレーションの勢いが強くなり、脱出が困難になる。その間にパニックになって溺れる。
・パッと見て「面白そう!」と思った箇所も、川の流れや地形をよく見ない
と意外な危険の罠に捕まる。

 これ以外にも川の怖い所はありますが、ひとつの情報を共有してみました。流れのあるところでは、ひとまず「顔が空中に出ていること」が原則です。ライフジャケットは正しく使えばその助けになるグッズですが、万能ではありません。

 溺れる人を救助するのは非常に難易度が高く、救助者にとってもリスクが高い行為です。ということは、溺れるリスクをできるだけ軽減して充実した夏の遊びを楽しみたいですね!

※ホールでのビデオは、専門的な装備や体制を構築して実験しています。
安易にまねをすると事故につながることがあるので、「危険を認知するためのビデオ」としてご覧ください。

バックナンバーもぜひどうぞ!

こちらも参考に!(河川財団:水辺の安全ハンドブック)

https://www.kasen.or.jp/Portals/0/pdf_mizube/mizubehandbook_01.pdf

記事:まめた(寺田)

#川遊び #安全管理 #川の危険 #アウトドア #外遊び



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