光と闇の戦い(息抜き用)

 今光と闇の雌雄を決する戦いが始まろうとしていた。互いに剣を抜き、互いの間合いを慎重に見極める。腰を深く落とし、両者すぐにでもトップスピードで切りかかれるように息を殺し相手の隙を見逃すまいとしていた。
 東の空から鳩が飛び、西の空からカラスが飛んだ。それを開戦の合図とするように両者が切りかかる。


 先に攻撃をしたのは光の勇者だった。猛然と素早い攻撃を繰り出し、連撃を何度も相手の体目掛けて放つ。素早い剣撃が相手を圧倒する。闇の勇者は防戦一方といった様子で剣撃をなんとか裁くことで耐えているようだった。じりじりと闇の勇者は剣撃に押され後退している。


 光の勇者は、その隙を見て詠唱を始めた。尚も激しく続く剣撃に闇の勇者は、詠唱できずに、歯を食いしばり耐えているだけだ。光の勇者が詠唱を終え、右手で切りかかりつつ、左手を前に出し、魔法を繰り出そうとする。
 闇の勇者は、魔法が放たれる一瞬の隙を見逃さず、相手の剣先を重く強い振り上げに乗せた闇の力で跳ねのける。


 空中に飛ばされた光の勇者は、空中で一回転し、詠唱済みの光の矢を放つ。放たれた無数の矢の中を剣で砕きながら闇の勇者は光の勇者の着地点になるであろう場所に突っ走る。


 光の勇者が着地するとほぼ同時に闇の勇者が切りかかる。重く強いその一撃は、速さはないが、まともに喰らえば、押し負け剣をはじかれることは明らかだった。光の勇者はその一撃、一撃を剣先でかろやかに受け流すことでなんとか耐えているようだった。だが、いくら受け流しているとはいえ、重い一撃は段々と光の勇者の下肢に疲労というダメージを負わせていく。長引けば、素早さというアドバンテージを失うことになる。


 にやりと闇の勇者は笑うと、詠唱を始める。今度は逆に光の勇者に詠唱の隙はなく、喰らえば確実にその命が尽きることになる。
 闇の勇者が詠唱を終え、魔法を放つ。空間自体に闇が現れ、触れたものを闇に帰す。光の勇者の持つ剣先が呑まれ、吸い込まれる。光の勇者は、悔しそうな表情を浮かべ、吐き捨てるように剣を放りながら、勢いよくバックステップをし、相手との距離を開く。


 それをあざ笑うかのように、闇の勇者は出した闇の空間に自らの剣を突き刺した。すると、空間が何百にも分かれ、弾丸のような形状になる。


 一つ、一つのスピードはないそれが、闇の勇者と共に襲い掛かってくる。光の勇者は後退しつつ、詠唱を唱える。その間も銃弾は意思を持つように光の勇者の周りを包囲する様に散っている。そして、完全に包囲された。
 逃げ場所を失った光の勇者を弾丸が襲う。紙一重で弾丸を躱しつつ、詠唱を続ける。だが、いくら躱しても弾丸は減ることがなかった。追尾付きの弾丸は相手に突き刺さるまでその猛威を振るうのをやめない。その間も闇の勇者が放つ一撃は死角から放たれている。


 光の勇者は、もう一振りの剣を鞘から出すこともできずに回避に専念することしかできない。


光の勇者は、膝から落ちるように地面に手をつこうとしていた。闇の勇者と弾丸はそれを見逃さずに猛然と光の勇者に襲い掛かる。弾丸が光の勇者の眉間を目指し、闇の勇者の剣先は首をとらえていた。


光の勇者が地面に手をつく。その瞬間にそこにある半径三メートル一体のものが光で包まれた。そこにある全ての闇の存在を根こそぎ光がこそぎ落としていく。闇の勇者はもろに攻撃を喰らい、剣も光に呑まれた。体は焦げたような音と匂いを出しながらも、ダメージなどないように相手の次の出方を伺うように気配を殺しつつ、詠唱を始めた。



  完全に息抜き用ですね。なんか、無性に戦闘シーン書きたくなって書いた感じです。まぁ、これは完全にあれなんで読まなくていい奴です。

いつも読んでくださってありがとうにゃ。 ゆうきみたいに本を読みたいけど、実際は読めていない人の為に記事を書いているにゃ。今後も皆が楽しめるようにシナリオ形式で書いていきたいにゃ。 みにゃさんが支援してくれたら、最新の書籍に関してもシナリオにできるにゃ。是非頼むにゃ。