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「大人の道具箱」の世界へようこそ。新しい収納家具の秘密・その2

私が培ってきた、20年以上の主婦スキルアイデアと、家具製造業長男で木工ネイティブの社長が繰り出す市川木工イズムから、ようやく出来上がった大人の道具箱。さて、いよいよ展示会でお披露目となったのですが…。

1. ここにも立ちはだかる、生活感覚がない人の壁。

最初にお披露目したのは、2016年11月、東京ビッグサイトで開催されたIFFT/インテリア ライフスタイル リビング展でした。この展示会は業者向け見本市で、日本各地の家具産地が集まることから、家具の比重の高いものです。旭川、飛騨、大川など、全国有数の家具産地と一緒に、家具産地静岡のメンバーとして出展しました。

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ご来場されたバイヤー様の、大人の道具箱への反応は、おおむね好感触でした。

●面白い。
●値段が抑えてらているので、仕入れやすい。
●考え方が新しい。

でも、多くのバイヤー様が「良いとは思うけど、家庭でどのように使うかわからない。」と言うのです。まさに私が、最初にアイデアを話した時の社長の反応と一緒でした。

その時のわが社のお取引先様は、家具小売店がほとんどでした。仕入れの決定権はオーナーが持っている事が多く、大抵のオーナーは男性で、家事とは無縁の方々でした。

大人の道具箱は、生活感覚が無いと、理解するのが難しい商品かもしれない。

そんな思いとともに、最初の展示会での受注は、期待していたほど伸びませんでした。

2. 一般のお客様の声。

市川木工は店舗が無いため、イベントのチャンスがあれば、できるだけ出展しています。早速、完成した大人の道具箱を催事で一般向けに販売してみたところ、ぽつりぽつりと売れました。悩んだ末に決心をして買いに行ったら催事は終了していたため、工場に直接お電話くださってご購入されたお客様もいました。

発見だったのは、ご高齢のご家族のためにお買い求めになる方たちの存在でした。高齢になるとどうしても、薬、血圧計、尿パットなど、若い頃には無縁だった、センシティブな備品が増えてくるものです。それが、簡単に移動が出来て、サイドテーブルにも使えるパーソナルな収納に仕舞えるのは、本人として安心なんだと気が付いたのです。

さらにある時は、以前ご購入されたご婦人が「趣味の洋裁の道具を入れるのに、ぴったりなのよ!」とお話ししてくださいました。実は、この商品を作るにあたって私が想定していた使い方のひとつが、まさにそれでした。

モノを作ることが好きな私にとって洋裁は、子供のころから馴染みのあるものです。でも、本格的に布で何かを作りたい人にとって、一般的に販売されているソーイングボックスは小さすぎました。

巡り合ったときにしか買えない布、布の色に合わせて増え続ける糸、針やハサミやウエイトなどのこまごました道具は必需品、型紙も重要。使うときは大きく広げて、仕舞うときはコンパクトになる大人の道具箱は、ホビー好きの強い味方だと確信していました。

大人の道具箱Aセット

実は、私の住む静岡市は、 国内プラモデルのおよそ8割を生産して「模型の世界首都」を掲げています。プラモデル愛好家が大人の道具箱を使ってくれたらいいのに…、という夢も見ていましたから、趣味のホビー用に購入される方がいて、本当にうれしかったのを覚えています。

つづきます。


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