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百物語71話目「抜け出せない夢」(実話怪談)

昨日の初夢に引き続き、夢の話。

これまで夢の話は3回書いてきていて、これが4回目ね。

思春期には、本当にストーリー夢をよく見ていた。夢に見たことをそのまま作品にしたりもしていたし、今でもやる。東北怪談同盟賞をもらった「こねる」も夢でみたまんまだ。それで賞を獲れるのだから、夢はあなどれない。

さて、思春期夢シリーズでは「黒いドレスの女」というのもある。高校の校舎のまわりを文化祭のときにひたすら走って、黒いドレスの女を追いかけるというもの。いつも曲がり角あたりで、黒いドレスの裾だけは見えるのに、後一歩で追いつかない。

でも、あっと思って、自分を見下ろすと、黒いドレスを着てた。

なんてのもあった。

それから、始皇帝の側室のひとりになっている夢もあって、千人くらいいるから、末端の私のところには始皇帝は来ない。隣の部屋の人と仲良くなったりするんだけど、実は自分が始皇帝をぶっつぶす側の人間で、結局始皇帝の城に火をつけて脱出。抜け穴から、仲良くなった側室のひとりと逃げて、少し離れたところから煙をあげる始皇帝の城を見つめている夢、とかね。

なんだかユダヤのように迫害される人種になっていて、それでも頭が良かったから授業を受けさせてもらうんだけど、先生は優しいけど、生徒には白い目で見られていて、そのうち、その学校に捜査の手が伸びてきて、実は迫害される設定ってのが、その学園を運営していた夫婦の作った偽の世界観だったって話とかね。

当時は寝るのが楽しくて、毎日映画館に行くかのごとくだったのだ。でも、それはたぶんやばい状況。寝たまま起きてこなくていいくらいの勢いでもあったから。

そんなときに見た夢がある。

自分たちは黒い王を倒さなければならない一味。そのために、黒い王をおびきよせる宴を開く。黒い王は黒い六頭立ての馬車でやってくるんだけど、それを扉の影で待ち伏せていて、銃で撃つという作戦だった。

でも、いざ扉の影から出ると、黒い王は馬車を離れて空中に浮いている。黒い装束に黒いマントをはためかせる彼を私は見上げていた。彼の後ろには満開の桜があって、壮絶な勢いで散っていく。

桜吹雪の中、彼は私の向ける銃口を真っすぐに見つめていた。

「私を撃つというのか? 本当に撃てるのか? 撃てば二度とこれなくなるぞ」

そんなことを黒い王は言っていた。でも、私はちゃんと黒い王の額に狙いを定めて引き金を引く。

弾は過たず、黒い王の脳を撃ち抜いた。

そして、目が覚めたのだ。

「ああ、私は戻ってこれた」

どこか確信めいて思ったことは、あのとき撃たなければ、私は夢から目覚めなくなっていただろうってこと。

嗚呼、なんて素晴らしき厨二世代!

あれからも、私はストーリー夢はときどき見る。いまだ受賞したりと、夢に助けられることもある。でも思春期のような長いものは見なくなった。

今だに思う。果たして、あのとき撃ち抜かなければ、どうなっていたのかな?ってね。

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