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配達員は二度ベルを鳴らす2 /訪問者

あさすじ

配達を受け取る留守番バイトをしている勝利は、まず核シェルターを受け取る。そして次には荷物のない受け取り票だけが置いてあった。送ってきた会社は毒を扱う会社。そして、またベルが鳴り、出てみると小さな箱。と思いきや、すぐまた二度目のベルが鳴り、また運ばれてきたのは大きな等身大の包み。これが死体を包んだものに見えて仕方ないので、つい開いてしまう。

前回までの話

〇玄関

玄関で小さな箱を受け取るとサインをする。今度はありふれたデパートの名前だったので安心する勝利。

勝利「良かった。ロケットランチャーじゃない」

扉を閉めた後、また直ぐにベルが鳴る。慌てて開けると配達員が大きなビニールに包まれた160センチくらいの柔らかそうな荷物を抱えてたっている。

配達員「すみません。こちらもです」

自分がサインしたものを見ると、確かに宝飾品と書かれた後ろに『他』と書かれてあった。

配達員「ここおきますね。ありがとうございましたー」

どさりと大物を置くと、配達員は今度こそ出ていった。

勝利「なんだ、これ……まるで人を包んだような大きさじゃんか」

〇リビング

リビングへと大荷物をずりずりと運び込む勝利。

勝利「はあ、はあ、はあ……。重たい……。なんだこれ? マジで死体でも入ってるんじゃないか……いやいや、まさか」

そのときスマホが鳴ってびくっとなる。

勝利「はい。あ~、義春か……。いや、今、ちょっととんでもないことになってるんだ。なんか運ばれてきた荷物が死体みたいでさ。……笑うなよ! なあ。お前、ちょっと来てくれないか? ええ! バイトがある……。わかったよ。じゃあな」

電話をきると、しばらく大荷物を見つめる勝利。

勝利「考えててもらちがあかないな。これが死体なら。さっさと警察に連絡して、きりあげよう。そうだ。このバイトを辞められる」

おずおずと大荷物の包みを開け始める勝利。

すると、荷物の端からバタンと腕から先が出てきた。

勝利「うぎゃっ!!」

つづく

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