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テレ東ドラマシナリオ案その3

パスワードがわからない話

〇サキ(33)

〇自室

サキはパソコンの前に座って首をひねっている。

サキ「ダメだ。最初に飼ったペットの名前でもない。ああ、もうどれがパスワードなのよ! 前に使ってたメアドはもうないし……。ミクシに入るにはどうしたらいいの! 早く消さないと、ゲロが出そうな黒歴史が消せないじゃない!」

キーボードを打つサキ。

サキ「ああー、これもダメかあ。前の彼氏の誕生日でもないとなると……なにがあったっけなああ。ああっ!」

声をあげて立ち上がるサキ。

サキ「そうだった。篠田先輩だよ。ミクシの開設の仕方を教えてもらったんだった。それで篠田先輩が仮のパスワードを入れてくれたんだけど、これは仮だから、必ず自分用を入れてねって言ってた。けど、忘れてた」

サキは頭をかきむしる。

サキ「篠田先輩、なっつてったかな? 確か、自分が飼ってるペットの生年月日だったような。そんなの、先輩に直接聞かなきゃわかんないじゃない。あー、連絡取らなきゃああ。で、で、でも、確か先輩ってキリマンジャロに仕事で行ってたよね。いやいや、今はネット社会、キリマンジャロだろうとナイロビの滝だろうとメールがあれば……。とりあえず、共通の友達にLINEメッセージを送ってっと」

メッセージ画面でのやりとり。

サキ「トモミ、ごめん。篠田先輩覚えてる? 高校の一個上の頭がとんでもなく良かった先輩。東大行って、なにかの研究所行って、キリマンジャロに行った人?」

ピロンとメッセージの返信画面。

トモミ「懐かしいなあ。あれ、でもサキ知らなかったっけ? 先輩、キリマンジャロで交通事故に会って亡くなってるんだよ」

サキ「ええっ!!」

つづく

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