百物語18話目「通り道」(実話怪談)
会社でシナリオライターをしていた時代に住んでいた部屋はベランダ側に武田鉄矢さんのご母堂がお葬式をあげたくらい大きな葬儀場があり、玄関側には福岡一大きな霊園があった。
ちょっとジョギングとか思って、周辺を走ると、あっという間に墓地に紛れ込むようなところだ。(でかいといっても墓地内に信号があるような青山墓地には適わないけどね)
で、ある日のまっぴるま(そう昼間だよ!)――
ぽかぽか陽気に照らされながら、私は窓の近くでうたたねしていた。
すると5、6人の人が階段をあがってくる足音と話し声がする。結構おしゃべりしながら、私の部屋の前を通りすぎると思っていた。隣の隣の人は友達がよく来るから、そこへの来客だと思ったのだ。
が、その軍団はピタリと私の部屋の扉の前で止まる。しかもガチャガチャと玄関のドアノブを動かし始めた。
部屋、間違ってるよ!
でも、よかった。ちゃんと鍵はかけてある。
そう思ったとき、ガチャっと鍵をかけてたはずなのに開いた。そのまま扉が開いて、にぎやかな話し声とともに、その人たちが入ってくる。
なんで?
と思っていると、彼らは寝ている私の周りを取り囲んで、覗き込んでる。
私は金縛りにあったように動けない。目も開かないから気配だけ。
そして、そのまま私は朝まで寝た。
たぶん、通り道にされたんだと理解している。
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